生命科学として最近馴染みがあるのが、iPS細胞である。個人的には、山中教授がノーベル賞を受賞するまで、そういう細胞があることさえ知らなかった。この細胞とそれをコントロールする人の研究というものは、この細胞が疾患に対する有益な効果をもたらすであろう期待感から、個人的な興味を非常に刺激する。
生物、動物、人間には、様々な細胞があり、幹細胞と呼ばれる細胞は、元々もつDNA情報に縛りを受けず、ある法則と培養条件で、人体の様々な細胞に適合する細胞へ変わっていくようである。その論理と手法については、詳しくは知らないが、人類の壊滅的な疾患において、何らかの防御的な働き等も期待してしまう柔軟性をもつ細胞に思えてしまう。
生命科学は、地球上に生息する生物、動物、人というもののまだまだ未開な細胞の集合体をタンパク質という物質の変遷を化学的な視点で、解明し、関連性を立証し、未来の生物に対する、自然科学的な備えを進める、そのような学問に思え、期待をしてしまう。