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沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) を読んだ

2008年06月13日 00時54分45秒 | 読書評
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社

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最後の結末が、非常に空しい最後であった。
誠実、真実、正義というものが封じ込まれ、朽ち果てて行く。
それが、私利私欲をもとに国家的圧力として、真実を歪めていく。
それも低い次元の攻勢と自己防衛というものに侵食され真実は
隠されて行く。巧みな政治上の画策、失われた人間性のもと繰り返される愚かな
事象は、一部の人間性の利益のため進めれる。

結果的は、真実の象徴である国見会長、恩地氏の幻影は
最後は消えうす。残念と無念さの残る結末であった。

正しいことという観点では、新興勢力と旧勢力どちらが正かと
疑いをもつ場面もあった。しかし最後に東京地検が査察の動きを
見せた時には、救いの気分も感じる。

事実に基づいた取材をもとに書き上げた山崎氏の力量に驚嘆を覚え、
読者側に結論を考えさせるようなストーリーの展開は、これまで
読んできた小説とは明らかに異なる種類のものを感じる。
人間性のギリギリの忍耐、責任、意志というものを確認させる
奥深い物語、実話?である。

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