死んだふりが得意なのはアブです?
アブを知らない方も多いのかもしれませんね。
ハエより大きくて蜂よりでっぷりしていて
ブーブーとうるさい昆虫の仲間です。
山里では夏になるとこいつの襲来を受けル事が多く
少しだけ迷惑しています。
アブに刺されると大きく腫れて痒みが続きます。
でもアブは蜂に比べれば動きがどん臭く、また蚊に比べれば
比較にならない程の太い吸い口なので、滅多に刺されることはありません。
「アブに刺される程ノロマじゃないよ」とは常日ごろから口にしていることですが、
その吸い口の太いがため、刺そうとしたその瞬間にチクッとした痛みを感じるのです。
ですからあの太い針のようなものがズブっと入って気がつかないのは
よほどの間抜けというわけですわ。
この点に限って言えばアブを知らない都会の人はだいたいが
間抜けの部類に属すると思います。
何しろアブの存在さえ知らないのですから。
仕方がないですね。
アブは日没後に最も活発です。
昨日はお風呂場に入ってきてブーブーと煩く飛び回りました。
お風呂ですからこっちは裸、無防備の体のまわりを飛び回られたら、
落ち着いて居られません。
やっつけることにしました。
こちらの武器はタオルとか少し重さのある布きれです。
それをムチのように使って仕留めるのです。
この時には落ち着いて狙いを定めなければなりません。
バックグラウンドが何もないところを選ばなければなりません。
壁とか窓ガラスとかチャンスです。
簡単ではありませんよ。
それにアブを黙らせるにはそれなりのチカラがいるのです。
かなり思い切った力を込めてしとめた時には
もしかしてやりすぎたか。?と少し後ろめたい気持ちになったりします。
さっきまであんなに煩かった風呂場にいきなり静寂が広がり、
思いがけず不安になりました。
でもね、大丈夫。
アブは死んだふりがうまいのです。
と、わたしはそう思っておりますが、実は私に打たれて脳震盪でも起こしているのかもしれません。
あまりにもしずかなので,自分の行いの結果に良心の苛責を
感じ始める頃になって、アブは復活します。
やっぱりね、死んでなかったんだ。
安心すると同時にまた警戒アンテナのスイッチオンと思いきや、
アブにも学習能力があるのでしょう。
一度打たれるとしばらくは静かなのです。
ところが先日 、うん十年ぶりにアブに刺されましたね。
ズボンの後ろ、太ももの裏あたりに止まっていたらしい。
歩いていて突然「痛い」と思ったら不覚にもなにかに刺されていました。
たぶんアブでしょう。
すぐに家の中に走り込み、虫刺されの特効薬をすり込みました。
へびいちごの焼酎づけです。
これは虫刺されのかゆみ止め、腫れどめにとてもよく効きます。
おかげで難なくすみましたが、刺された部位はそのご二、三日後まで時々痒みが戻って来ました。
アブの毒は案外つよいものです。
皆さんも気をつけましょう。
死んだふりが上手なアブとの共存もそう悪くはありません。
いろんなことを教えてくれる教師でもありますからね。