吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

これもひとつの現実逃避

2015-10-20 18:04:17 | 日記
忙しい、忙しいと口に出すのは嫌いなほうだ。

何故なら、「忙しくて時間が無い」という人の多くは
大抵の場合、要領が悪かったり、時間の使い方が下手だったりするからだ。

先月の月の終わりか、今月の初めだったかに
シフト作成を担当している人が
「テケテケさん、覚悟しておいてね」
と、言ったのは、冗談でも脅しでもなく、ただの事実だったらしい。

でも、隙をみて、映画のハシゴを楽しんだり、ミロンガに行ったりしているので
「遊ぶ暇も無い」というほどではない。
ただ、気になるのは、最近、左目のまぶたが時々ひくひくと痙攣していることだ。
所謂「顔面神経痛」のような症状。
疲れているという自覚症状はないものの、やがり何処かにダメージが出ているのかも。

おいしものを食べなくちゃ!(←これだから私は駄目なんだ!)

そんな、ひくひくを勝手に動くまぶたを気にしつつ
いま、気になっているのは

月末に行われる、『ハロウィン仮装ミロンガ』で、なにを着るかだ。

ファン(?)の期待にこたえて、セクシー熟女でもいいんだけれど
最近太ってしまったので、露出の多い衣装は、セクシーというより見苦しい。
動物の着ぐるみも考えましたが、着ぐるみを着て踊ると、着ぐるみの中で脱水症状を起こしそう。
豹柄の服を着て、「大阪のおばちゃん風」という楽な方法もあるけれど
今現在の「札幌のおばちゃん」である私と、何が違うんだとクレームがきそうな気もする。

さて、どうしよう。

などと、考えている場合ではない。
明日のお仕事も、なんだか面倒臭そうだぞー。


ところで、森下典子さんの『いとしいたべもの』に出ていたので
先週、小津安二郎監督の『東京物語』を借りてきた。

時代は、高度経済成長期の日本。
広島の尾道に住む老夫婦が、東京に出てきて、子供たちのところへやってくる。
でも、子供たちは、それぞれ自分の仕事や生活に手一杯。
折角久し振りにあう両親と、ゆっくりと話す時間さえない(作ろうとしない)
美容院を経営する娘の態度は、つっけんどんで、邪険でさえある。

みんな、「忙しい」

そんな中、戦死した息子の妻だった女性だけが
血のつながりもない老夫婦に、親切に接する。
血のつながりのある息子や娘に老夫婦を押し付けられるようなかたちになっても
ちっとも迷惑がらず、笑顔で、むしろ楽しそうに老夫婦との時間を過ごす。

ラストで、老夫婦の夫の方が、彼女に言う。

「あんたは、実の子供たちよりも、よっぽど良くしてくれた」

この台詞が、いい。
子供に対する不平不満が混じらない、純粋な、感謝の言葉。
笠智衆の、あまり抑揚の無い言い方が、逆に温かい。

心優しい嫁は、「永遠の処女」で有名な、原節子。
つっけんどんで邪険な娘は、杉村春子。

杉村春子さんの、生々しいほど感じの悪い娘の演技は、すごい。
思わず、身近な誰かを思い出して暇うほどに、リアル。

忙しいと、どうしても心がいがいがになってしまって
つっけんどんになったり、邪険になってしまいそうになることもあるかもしれないけれど
後になって、取り返しのつかない後悔を抱えるくらいなら
ちょっと一呼吸おいて、「これでいいのかな?」と、思ったほうがいい。