長野県野沢北高等学校校長日記2017・2018・2019

長野県野沢北高等学校の日常と非日常を、校長の視点からお伝えします。

3月1日(日)生徒会誌『北斗39号』

2020年03月01日 20時17分39秒 | 日記

本年度の生徒会誌『北斗39』が完成し配布されます。生徒会報告、クラス紹介、班活紹介、班の成績、卒業生へ贈る言葉、寸言集(卒業生からの一言です)などが内容です。表紙は、本年度の日輪際ポスターになります。主に生徒会を中心とした1年間の流れを振り返ってみるのもよいかもしれません。4月の応援練習がずっと昔のように感じられます。時のたつのは早いものです。

さて、実は私の投稿文が終わりの方で1行抜けてしまっているので、この場を借りて訂正を兼ねてご紹介させていただきます。

大切にしたい「ものの見方・考え方」

学校長 北澤 潔

 私が大学に入学して間もなく、学部長から「君たちは法学部の学生としてリーガルマインドを身に付け、ジェネラリストとして活躍してほしい」という話があった。そして四年後、学部卒業の時期に、別の教授から「これからはスペシャリストとして活躍することが望まれる」という話があり、正直戸惑ったことを憶えている。

 一九七〇年代・八〇年代は、文系と理系の乖離が指摘され「文理融合」が叫ばれていた時期でもあったし、また、社会や組織において分業の細分化と高度化が進んでいた時期でもあったという背景を考えれば、それぞれの教授の言わんとしたことは今なら理解できる。しかし、学生だった当時、自分としては、ジェネラリストは「多分野について知識や技能を有し、柔軟に思考し行動できる人間」、スペシャリストは「特定の分野について高度な専門的知識や技能を持ち、これを活用できる人間」といった理解をしていたように思う。したがって、ジェネラリストとスペシャリストは真逆のタイプであると考えていたが故に戸惑ったのかもしれない。

 ジェネラリストの対義語はスペシャリストと一般的には理解されている。確かに両者は、対極に位置するものであるかもしれないが、現在の社会や組織における両者は、決して相反するものではないように思う。というより、正確にいえば、今後は、知識や技能の「専門性」や「総合力」のような観点による評価ではなく、「ものの見方・考え方」という思考や判断といった観点に重点を置いた評価がより重要になり、「ジェネラリスト」か「スペシャリスト」かという評価は、あまり意味を持たなくなってくるだろう。

 そのように考えると、先述の「リーガルマインドを身に付け」の持つ意味が大きくクローズアップされてくる。リーガルマインドとは、「法的なものの見方・考え方」のことであるが、これは、社会の諸事象に常に関心を持ったり、注意を払うことで、幅広い視点に基づいて課題や問題点を発見し、これを解決するためにどうすればよいのかを考え、自分の考えと他者の考えが異なる場合は両者を調整して結論を導いていく、このような姿勢・態度であると考えている。

 しかし、よく考えてみると、このようなリーガルマインドの姿勢・態度は、決して法律を学ぶ者だけについてのみ該当するものではない。すべての人に、社会で必要とされる姿勢・態度あるいは力ともいうべきものは、先に述べたような「ものの見方・考え方」を基本としたものであることについては異論がないと思う。

 若い諸君は、まずは、社会の様々な出来事に関心を持ち、疑問に思ったらすぐに調べてみる、そして問題はないかを考えてみる、そんな基本的姿勢・態度を持つように常に心掛けていってほしいと願っている。


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