本日の7時間目は平和人権学習の一環で、講演会がありました。講師は中華人民共和国新疆ウイグル自治区のご出身で、現在は上田市にお住いのウマル・ムニレさんです。「共に生きる」と題して50分間お話いただきました。
26年前に来日した後の京都そして上田での生活について、文化の違いによる違和感や日本人(長野県民)の対応について感じたことや批判を率直にお話いただきました。ウイグルはトルコ系民族ですのでイスラム化し食事については豚肉を食しません。お子さんの小学校の給食をめぐっての京都と長野の当時の対応の違いには考えさせられるものがありました。
また、京都では丁寧できれいな日本語で話すが、長野に来たら、ジェスチャーや片言の日本語で対応された、との体験もお話になりました。また、外国人?というだけで拒否反応が感じられたとのことです。(京都ではそう感じたとしても顔には出さないが、長野では顔に出てしまうようです)
さらに、「お国はどこですか?」の質問も、京都ではまずそこから会話が始まったが、長野では質問がなく、ブラジル?との先入観からポルトガル語の説明文が同封されてくるなど、秘密ではないので、どんどん聞いてほしいとのことでした。まず、関心をもってもらい、どこの国の出身?何年住んでいるの?食事は?と会話を発展させていきたいとのことです。
26年日本に居住し、きれいで、安定していて、安全で、子育てもしやすくて、日本は素晴らしいと感じているそうです。
講演していて、前を見ても後ろを見ても、左右を見ても、誰も顔を下げている生徒がおらず、真剣に話を聞いてくれている姿に本当に驚いた、との感想をいただきました。もちろん、お話の内容も大変興味深いものであったことも生徒が関心をもって聞くことができた要因なのですが。
そして、講演終了後、校長室に何人もの生徒がお聞きしたいことがある、と来室しました。結局ムニレさんが生徒の質問から解放されたのは6時少し前、1時間半近く質問に対応していただきました。音楽の話でも盛り上がりました。
生徒会長のお礼の言葉では、片言の日本語の方がわかりやすいのではないかと思っていた、関心をもつことが大切、といった感想を述べていました。外国人だけでなく日本人同士であっても、人との接し方や対応、心遣いについては共通のものがあると感じました。
本当に長時間、ご対応いただき、ありがとうございました。
また、生徒の皆さんの真面目な姿勢と取組には、改めて感心しました。