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雑感録

これがぽ~ちゃんだ その14『PRESS TO PLAY』

 
PRESS TO PLAY(1986 Paul McCartney)

『TUG OF WAR』から『GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET』まで3作続いたジョージ・マーティンに代わって、今回はヒュー・パジャムとかいう寝間着のような名前の流行のプロデューサーを起用。
さらに、これまでセッション・ミュージシャン的参加だったエリック・スチュアートと曲づくりでもタッグを組んで、これまでとはかなりテイストの異なる1枚となった。
そのためか、世間からはボロクソ言われてるようだが、新鮮だしロックしてるし、けっこうイケてると思うんだけどなあ。
打ち込みなど流行のデジタルサウンドの多用が「らしくない」ってことだったんだろうか。
『BACK TO THE EGG』でも書いた通り、新しいものをすぐ取り入れるポールの“軽さ”はポールのいいところでもあると思ってるんだけど、世間的にはいつまでたってもビートルズ的な“ポールらしさ”を求めてるのかなあ。
ジャケットはジョン&ヨーコの『DOUBLE FANTASY』を意識したっぽい、ポール&リンダのモノクロポートレート。
個人的には、初めてレコードではなくCDとして買ったアルバムでもある。

なお、このアルバムからはシングルカットなどで多数のミックス違いが出ている(これも当時の流行)が、そんないろいろやりゃいいってもんじゃないよってことで、ほとんど蒐集していません。
また、このアルバムの後、1987年にベスト盤『ALL THE BEST』を出してますが、企画もののため、このシリースからは割愛させていただきます。
さらに、1988年にはロシア向けロックンロール・カバー集『СHOBA B CCCP』を発表してますが(世界発売は1991年)、こちらも割愛させていただきます。

01 Stranglehold
エリックとの共作による渋いロックナンバー。サックスがカッコイイ。PVは男の子がステージに上げられてサックスをプレイするが、そのサックスは確か本チャンとは別のプレイが流れてたと思う。ドラムのスネアが風船が割れたような音に処理されているのが妙と言えば妙。
http://www.youtube.com/watch?v=wE41epNvdY4

02 Good Times Coming/Feel the Sun
遠くから村祭りのお神輿が近づいてきたと思ったら、一転、レゲエカーニバルに。ボーカルは抑え気味だが、ベースはやたら張り切ってる。そして、お祭りの賑わいに誘われて、天照大神(アマテラスオオミカミ)のご登場…。

03 Talk More Talk
このアルバムいちばんのお気に入り。確かに打ち込みがズコドコうるさいが。のっけからのコーラスの勢い素晴らしい。オクターバー(ピッチチェンジャー?)をかけたボーカルやしゃべりなどの遊び具合もGOOD。I don't actually like sitting down music!

04 Footprints
スパニッシュギターと不思議な太鼓の音(コンガ?)が印象的なアコースティックナンバー。雪女とかの冬の怪談を聞いているような、ドライな雰囲気だ。

05 Only Love Remains
A面最後にもってきた、“スケールの大きなバラード”第一弾。まあ、いいんじゃないでしょうか。

06 Press
ポールならではのポップ感バリバリだが、歌詞が幼稚だなんだと散々言われてたような。確かに「アイラビューベーリベーリベーリベーリマッチ」では、後の「アファインディッ、ベリベリベリベリベリベリベリベリハー」(『Feel in the Clouds』)とは重みが違う。まあ、あんまり深く考えずに作った軽い曲ではあろう(別にいつでも深く考えなきゃいけない訳でもあるまいし)。
ビデオではポールは地下鉄の乗り方も知らないなんて揶揄されたりもした。
http://www.youtube.com/watch?v=4ReJqNdZDo4

07 Pretty Little Head
ポールにしては珍しい雰囲気の曲。最初はなぜか山男のコーラスかと思った(どういう意味だか自分でも分からん)。でも、慣れるとけっこう味のあるスルメ系。
http://www.youtube.com/watch?v=bd_Mt0938Bs

08 Move over Busker
痛快なロックナンバー。ちょっと埋もれ気味だけど、ピアノがかなりカッコイイ。「ウェラ~ビンウェイリン(ウェイリン)、バッタイミンペ~イシャン」からの盛り上がりと、オクターブ上げた3番になだれこむあたり、く~、たまらん。でもねでもね、何かが足らないのか何かが余計なのか、何かがちょっと違う感があるんだよなあ。

09 Angry
ギターがピート・タウンゼント、ドラムはフィル・コリンズらしいが、何よりベースがいい。「ホワッダヘルギブシューダライトゥテルミーホワッチュドゥウィマイライ!ライ、ライ、ライ…」と、『Spin It On』以来の久しぶりの早口言葉シリーズ。

10 However Absurd
なんだか曲を煮詰めきれていない気がするのだが、そこに大きなアレンジが施され、「チープに大袈裟」という印象の“スケールの大きなバラード”第二弾。だけど、そこがこの曲の良さ。リバーブをかけたボーカルにデジタルっぽい音とオーケストラサウンド。これが不思議なレベルでかみ合ってるんだな。Cメロの盛り上がり、特に「アイクドゥンセイ~ダワ~」のところ、上がっていくメロディーと下降するベースの対比など、常套手段ではあるけどニクイばかり。なぜか知らんけど、聴いてると涙が出てくるよ。

***CD版ボーナストラック***
11 Write Away
ここから3曲は、CDには初版からついていたボーナス。もちろんオマケであるからにしてアルバムのトータリティとは別にして聴かなきゃいけないけど、オマケにしてはこの3曲は粒ぞろいだと思うし、3曲だけとれば流れもいい。まずは『Write Away』の捻ったような軽快さ、好きです。

12 It's Not True
お次ぎは切々と歌い上げるバラード。ちょっと甘ったるい感じだが、ブリッジ部分でタイトに締めてるし、いいんではないかな。いささか間延びした印象はぬぐえないが。

13 Tough on a Tightrope
ポールにはあまりないような雰囲気の曲。タイプは違うが、歌い方が『The First Stone』に通じるものを感じる。低音ストリングスが効いていて、エンディングのコーラスもいい。

14 Spies Like Us
ここからの2曲は再販からのボーナストラック。こちらは1985年公開の同名映画のテーマ曲。妙なストリングスのような音はシンセか? ポップでノリもいいが、チャッチャと作ってそうな気もする。
http://www.youtube.com/watch?v=27ATt3FXAUY

15 Once upon a Long Ago(Long Version)
1987年、『ALL THE BEST』からのシングルカット。いかにもなバラードだけど、やっぱいいもんはいい。プロモはアニメと実写の混在だけど、実写のシーン、カッコイイよ。しかし、ロングバージョンとはいえ、別のアルバムに入ってる曲をボーナストラックに入れる必要があったのかな?(そもそもベスト盤に新曲、シングルカットというのが不思議な話だが)
http://www.youtube.com/watch?v=gGxtRn10ows

つづく
CONTENTS

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