青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夏たけなわの、虫の知らせ。

2023年08月18日 17時00分00秒 | 北条鉄道

(小私鉄の終着駅@北条町駅)

北条鉄道の終着駅・北条町の駅を傍らの踏切から遠望してみる。旅客の着発線が1面1線あるほかは、安全側線代わりの留置線が一本と、ホーム裏に修繕作業用のピットが1線あるのみの非常に小ぢんまりした設えである。留置線とピットで同じ形のNDCが3両寛いでいますが、その他に1年前にJR秋田支社より導入した国鉄型のキハ40が1両在籍しています。このキハ40の導入効果で、鉄道ファンには俄然注目度の高まった同鉄道。どうやら週末はキハ40の終日運用になるケースが多いようなので、私もそこら辺の走行シーンを含めて乗り撮りしたいな・・・なんて希望もあってやって来たところだったのですが、この日は朝の3往復で上がりという運用になっていて、どうやらもうすぐ粟生からやって来るキハ40が到着即入庫→車交でNDCのフラワ2000になっちゃうという全くツキのない運用。一応スマホで調べたらちゃんとHPに書いてあったのだけど、すいません。そこまで見てませんでした(笑)。

しょうがないのでこの日の最後のキハ40の運行を写真に収めるべく沿線へ。北条鉄道、レンタサイクルの貸し出し&サイクルトレインの運行をしているので、窓口の係員氏に自転車を貸してほしい旨を申し出ると、「すいません、今日イベントで貸し出しやってないんですわ」というつれない返事。これもよく見るとHPに書いてあったので全く文句は言えないのであった。事前準備と情報が空っぽでどうしようもないのだが、ひとまず暑い中をあまり歩きたくもなく、北条町の駅から近い四種踏切でパチリ。猫の目のように変わる雲の流れで直前まで日が差していたのだが、列車が来るときは日差しが遮られてしまった・・・いつもなら憤慨するところなのだが、なんとなく流れからそんな気がしていた。何をやってもダメなときはダメ、という見本のような一枚。四種踏切を囲む、真っ赤なカンナの花だけが夏らしさを添えてくれました。

北条町の駅の待合室に飾ってあったキハ40系の導入記念ヘッドマーク。ちょうどこの頃、キハ40の故郷であった東北は秋田を豪雨が襲っており、市内も冠水で大変な被害を受けたニュースが流れていました。なまはげのヘッドマークに故郷を案じる北条鉄道のキハ40、現状では秋田車両センターにいた頃の五能線カラーでそのまま走っていますが、個人的には播州のローカル色豊かな田園地帯を走る加古川線系統の路線は、キハ30とか35が走っていた古き良き時代の雰囲気に合わせて、いわゆる朱色の首都圏色(タラコ)にペッタリ塗ったほうが合うと思うんよね。そんでもって、少しディーゼルの排煙で煤けて来たくらいの頃合いがちょうどよく似合うのではないかと。そもそも加古川線系統、播磨臨海工業地帯で働く労働者たちを運ぶために、キハ30とか35みたいなロングシートの近郊型気動車のイメージが強かったのですが、キハ40とか47の稼働実績ってあったんだっけ??

折角来たのだしここまで来てキハ40が走らんから帰る、という選択肢もないので、気を取り直して窓口にて一日フリー切符を購入。ホームにはキハ40に代わって、側線に置かれていたNDCが出て来た。「スズムシ列車」のHMを付けているのだが、どんな列車や!と突っ込んでみたところで、網棚の上の昆虫箱にスズムシが入っているというマジでそのまんまのコンセプト。スズムシ、DCのエンジン音に負けずと鳴いてくれるのだろうか。ちなみにホームに続々子連れのファミリー層が集まって来たのは、このスズムシ列車の続行で出されるイベント列車「カブトムシ列車」に参加するためらしい。どんな列車や!と突っ込んでみたところで、やはり車内に大量の昆虫箱に入れたカブトムシと戯れるというそのまんまのコンセプトの企画。小学生のお子様まで、フリー切符&カブトムシ一匹お持ち帰りで1,500円。結構伝統のイベントらしく、今回で23回目の運行だとか。

いずれにしろ北条鉄道、虫好きが過ぎる。


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