青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

さよならリンゴ&屋代線の旅 その4

2012年03月21日 14時25分56秒 | 日常

(ナガデンのエキナカ@長野電鉄長野駅)

「気軽に買えて、とってもお得!」…そんなキャッチフレーズが付いた「ながでん駅なか商店」。ペンギンの向こうを張ったナガデンのエキナカ戦略は、こんな感じで改札前に地元の商品その他が並べられて物販をすると言う非常にシンプルなもの(笑)。レジはありませんが、出札口に持って行って駅員に渡すとお会計してくれます(袋付き)。長野らしくアップルジュースの瓶詰め、戸隠そばとそばつゆ、漬物…それと長野県北部はキノコ系多いっす。特に中野市はエリンギ生産が盛んらしい。パスタなんかに刻んで入れるとシコシコして美味しいよね。あと丸善食品工業㈱のなめたけ瓶詰めとか五目釜めしの素とか(本社が屋代駅の近くにあるらしい)、その他結構色々あります。電車の待ち時間にしげしげと眺めてたら、改札から出て来たおばちゃんが「今日ネギないの?」とか駅員に話しかけてたりして…浸透してるんだなと(笑)。せっかくなんで何か買ってみようとチョイスしたのが「りんごが主人の万能だれ」と言う商品(500円)。第18回信州の味コンクール入賞作品。リンゴベースの焼肉のタレって感じなのだが、豚肉を漬けて焼いたらご飯のおかずにぴったりのテリヤキ&BBQソース的な味でヨメさんにも評判の味でした。


2日目の朝は、須坂の車庫から聞こえて来るクジラのホイッスルで起こされる。駅の真裏ですからね。須坂駅にアクセスが良いって事のみがウリの老舗(笑)ビジホ、とりあえず暖房切って寝たらエライ寒いので、朝風呂がてらひとっ走り山田温泉まで。松川の渓谷はまだ真冬の景色であります。共同浴場「大湯」で尋常じゃない温度の朝風呂。46℃くらいあんじゃねーのか?それでも朝風呂をやっつけに来た地元民はへーきのへーざ。あんたら皮膚おかしいよ!

  

体真っ赤っかにして風呂から上がり、コンビニで食料調達してビジホに戻る。身支度を整えて須坂駅に向かうと、今日も朝もはよから季節外れのリンゴ狩りの面々が(笑)。今日の挨拶代わりの一枚は、後ろの車庫で眠るゆけむりを配してみました。昭和39年生まれの年寄りは、後輩より早起きなんです。ホームにはリンゴの先頭ボックス狙いの親子連れ、子供が「リンゴ!リンゴ!」とはしゃぐ姿をお母さんがデジカメで一枚。子供にも大人にも、奥さんにもマニアにも。お前さん、みんなに愛されて幸せもんだねえ…

日曜日の朝の須坂始発の上り列車は、各車両7~8人程度の乗車で閑散としたもの。家族連れを含めて8割方マニア(笑)ですが、若干の定期利用のお客も含めて須坂を発車。暖かい座席に座って朝の日差しに当たっていると眠くなるな。あ、そういや自分の持ってるD90って動画機能あるんだよね。ほっとんど使った事ないし、映像鉄&音鉄の趣味もないけど、せっかくお別れ乗車してるんだからいっちょやってみっか!


村山駅から柳原駅まで約3分間ですがいかがなもんざんしょ(笑)。
この区間、村山橋を渡りますんでね、結構モーター唸らせて行ってくれると踏んでのチョイスです。動画の方は素人ですんでその何たるかはまるで分かっておりませんが、一応ホイッスル音も入ってるし、三菱電機謹製のリンゴのモーターがクァ~ンと言うカン高い音を上げて村山橋を爆走している様子はご理解いただけるかとwそれにしても止め際のブレーキの軋み音はすごいな。もう検切れ間近で相当ブレーキ踏面も車輪もヘタってるご様子。昨日屋代で見た時車輪がかなり薄くなってたんでね。

本郷駅でリンゴ編成から下車し、返しを捕まえに鐘鋳川の踏切へ。一瞬美和神社の鳥居抜きとかやってみようかなあと思ってたんだけど、もし道路に車でも通っちゃったら後悔してもし切れませんぜって事で初志貫徹。ってかこの一文読んで長野市民じゃなかったら何言ってるか全然分かりませんなw三脚担いで現地に向かうと先客は一人。ここは長野市街地の地下線から上がって来る姿をきれいに収められる撮影地なんですが、意外と人気ないのね。その理由を先客氏に伺うと「ここ被るからじゃないですか」との由。聞けば現行の朝のリンゴダイヤでは、ここは上りの普電と被りの確率が非常に高いらしい…とは言えリンゴの返しを10分後に控えて今更どーにもならないし、構図は作って構えてはみたが緊張しますなあ(笑)。


通過時刻が迫る。後ろの本郷駅には上りのデント8500が停車している。踏切は鳴る。開口部に目を凝らしてもリンゴの姿はまだ見えない。上りデント本郷出る。まだ来ない。デント迫る。まだ来ない。デント踏切に近づく。開口部が明るくなる。リンゴ来た!デント踏切通過。地下線の登り坂で交換する。リンゴの姿が消える。こりゃヤベエと詰めていた構図をおもむろに広角へ振り直して、ポケットキャッチのような形で何とかリンゴを受け止めた。何て素敵なスリリンゴアワー@鐘鋳川冬の陣。どうやら我々より一個前の踏切にいたお二人さんは被られてしまった模様…ご愁傷様です。


善光寺下駅。長野、市役所前、権堂、善光寺下と長野市街地の地下区間には4つの駅があります。都市計画に基づいて地下化された主要部と複線区間、朝の通勤ラッシュにOSカー。地方鉄道ながら近代化されたスペック、地方鉄道のガリバー的存在が子供の頃の長野電鉄のイメージでした。しかし、いざ駅に立ってみれば地下化から30年経った雰囲気と、日本の構造的問題である地方都市の車社会化と鉄道の疲弊はそこはかとなく感じられます。人のいない天井の高い地下ホームは薄暗さとともに、開削工法らしい柱の立て方といい昔の都営浅草線の駅(宝町とか蔵前とか)を思い出すなあ。

 

今日はリンゴは朝の一往復のみ。用事も済んだので今度は長野駅から山ノ内線方面へ521レで。道中は柔らかく温かいシートにもたれてうつらうつら。信州中野で山ノ内線に乗り換えると、意外と地元民が乗っているのに驚き。中野松川の駅で降りた女子高生の二人連れ。山ノ内線の中でも印象の薄い中野松川の駅ですが、よく見ればなかなか雰囲気いいなあ。


夜間瀬の鉄橋を過ぎると、長野電鉄の車窓風景の白眉とも言える高社山が見えて来る。クジラの車窓から@上条駅手前って感じですか(笑)。上条駅で電車を降り、高社山の麓をのんびりロケハンしながら夜間瀬駅方面へ下って行ったのだが、雪に阻まれてなかなか線路に接近できず構えたのは夜間瀬駅の先の町浦踏切。上条で降りた意味ナッシング。


昨日とは打って変わって春を思わせるような山ノ内界隈。上条から三脚担いで歩いてきたらちょっと汗ばむほどだ。三脚を構えて農道の淵に腰掛けて列車を待つ。仰ぎ見る高社山、青い空と午前の日差しがリンゴ畑の雪に跳ね返って眩しい中を、ゆったりと連接車体をくねらせて上って来る5Aゆけむり。本家は引退するけれど、まだまだ元気なHiSE。長電レッドが雪に映えてピカピカの一枚になりました。

  

夜間瀬駅前の謎の食堂(笑)でなかなか美味しい醤油ラーメン大盛りを平らげ、返しのクジラで信州中野→須坂にて車を回収。今度は9Aゆけむりを村山橋メモリアルパークから。道路・鉄道の併用橋として大正15年に架橋され、長い間長野市と須坂市の住民の足となって来た村山橋。現在架橋されているのは平成20年頃に架け替えられた新村山橋ですが、旧村山橋のトラスや親柱を橋の須坂側に集め、その功績を語り継ぐ広場が昨年末に完成しました。そして、長野電鉄の一級撮影地になりました(笑)。だって駐車場もあってスペースも広くて足場もカンペキだし言う事ないっすよw遊びに来てた近所の若奥さん&子供が「ゆけむりまだあ?」って言ってるから、もうすぐですよと教えてあげました。

この話はもうちょっとだけ続くんじゃ。
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