青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

雪の武甲を仰ぐ。

2023年03月04日 08時00分00秒 | 秩父鉄道

(雪晴れの秩父へ@R299滝の枕付近)

冬の時期に一回くらいは両パンのデキが走る秩父方面に行くというのは、自分のテツ活動的にルーティーンになっている訳ですが、何となく忙しさにかまけてまだ今シーズンは両パンデキを拝んでいない事に気が付いた。折しも南岸低気圧が通過し、秩父方面にはそれなりのまとまった雪が降ったという情報を聞きつけた翌朝。時間を頂き圏央道の人となる。飯能あたりから路面はアイスバーンと積雪のコンボで、スタッドレス履いててもズルズル滑って肝を冷やす場面もしばしば。R299から正丸トンネルを抜けると雪は一層深くなり、芦ヶ久保の滝の枕の辺りではクリスマスツリーだった。目算で20cmくらいは降ったのではないかな。

横瀬の街から眺める、雪を被った武甲山が青空に映えてあまりにも美しいので、これは撮らなきゃ勿体ないでしょ!ということでハンドルを回して生川の築堤へ。私は秩父には縁もゆかりもない人間ですけど、この武甲山という山がとても好きだ。まさに秩父のシンボル。石灰石の採掘のためにベンチカットされたピラミッド型の異形の山容は、その身を削り、街の産業と国の発展に尽くしてきた気高さみたいなものを感じてしまうよね。やって来た西武秩父行きの8連。西武4000系×雪景色×武甲山。最高の冬の秩父。

雪晴れの秩父の街。雪が降った翌朝だというのに日差しは暖かく、屋根の雪も路地裏の雪もどんどんと溶けて行く。ひょっとしたら三輪(鉱山)の出荷があるか・・・と期待していたのだが、流石に前日からの雪で貨車が影森まで戻っておらず、どうやらこの日は原谷スタート。そうなると少し時間があるので、「道の駅ちちぶ」にクルマを放り込んで秩父駅の地場産業センターで買い物。切れていたヤマブの味噌やしゃくし菜漬けなどを購入。豚肉の味噌漬けはヤマブの味噌に限ります。

雪の原谷。この日の鉱石列車、積載の一番列車はデキ105が担当。クリームっぽい色をした三輪の石灰石に対して、色が白みがかっているのが群馬の叶山鉱山の石灰石。そういや去年の秋に高崎線の新町駅から叶山鉱山の麓を通って上野村まで行ったんだっけ。あの時期辺りからやたらと関東山地の東側(ようは八高線・秩父線・西武秩父線)をウロウロする事が増えたような気がする。奥多摩・奥武蔵・秩父から西上州にかけての雰囲気は自分にピタッと来るのかな。文化、風土、街、鉄道、食、温泉。全てのモノが平均レベル以上に揃っていて、それぞれに魅力がある。

この日の秩父線沿線、雪×デキを写真に収めようってんで結構な数のギャラリーが集まっていました。特にこのデキ105が充当された7204レは大人気・・・デッキに操車さんを從えて、本線への出発準備に入るその雄姿を、雪の武甲山をバックに。ぶどう色のボディが雪晴れの日差しの照り返しに輝いて、一層美しく見えました。

 


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