青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

美麗的風景、超国境

2018年06月12日 17時00分00秒 | 只見線

(水際に浮かぶ@会津中川~会津川口間)

只見川に突き出た大志の集落を後に、灌木と水辺の間を緩やかにカーブしていく428D。もう会津川口は指呼の間。そういえば、いつの間にかこのアングルの国道沿いに展望台が出来て、とても撮影がしやすくなっていました。R252はドライブルートとしても非常に素晴らしい道で、何回もドライブしているけど飽きる事はないですね。今回は六十里越を通らなかったんだけど、今度来るときは久々に新潟側から入ってみようかな。


午後の薄日にゆっくりと時が流れる会津川口の駅。この水辺の駅は、列車の駅と言うよりも何となく船着き場と言うか…只見川を周遊しているヒトやモノたちの集積する港のような、そんな雰囲気を感じます。この日は平日だったんでそこそこ人の流れがありましたが、駅に来る人よりは併設された農協でお金を出し入れしている人が圧倒的に多かったのはご愛敬。まあヒト、モノが集まればカネとなるのは経済の流れとしては自明の理である。


会津川口の駅は金山町の観光案内所も兼ねていて、只見線の立派なパンフレットが置かれていた。置かれていた、のだが、日本語版がなくて中国語版と英語版…?聞けば、最近はジャパンツーリズムの一つとして、日本の原風景のような奥会津の景色と、風光明媚な只見線の沿線風景はインバウンド需要が急上昇しているそうだ。


沼沢湖を抜けて、返しの430Dを宮下ダムの旧道から。さっきは天狗岩のスノーシェッドから覗き込んでいた辺りです。森の嵐気と、只見グリーンと言えばいいのか、神秘的な色を湛える水面。連続するロックシェッドを抜けて来るこの感じ、いかにも幽谷の趣があります。


天狗岩では降っていた驟雨も上がり、午後の遅い日差しが三島谷に差し込んで来た。短編成のキハが眩しいほどの緑に囲まれて、宮下ダムの湖面も輝きます。四季折々に美しい景観を見せる只見線の車窓風景ですが、海外勢でも特に中国・台湾・香港からの観光客に人気となっているようです。中華圏のツィッターで只見線の雪景色が紹介されたものが拡散されたらしく、特にネイチャー系に関心のある向きがフツーに一眼担ぎーの、スノーシュー履きーので真冬の一橋俯瞰に臨んだりするようになったそうな。日本勢顔負けやん(笑)。

川口の駅に置いてあった中国版のパンフレットには、「誠激悠加入只見線之旅、邂逅未曾發學的風景」とあります。「只見線の旅に行くと見た事もないような風景に会えますよ」みたいな意味なのかな。外国人に大人気の日光、そして会津西街道から戊辰戦争白虎隊の歴史の街会津若松、そしてもういっちょ足を伸ばして只見線沿線まで、どこまでインバウンド需要を引っ張り込めるか。AIZUマウントエクスプレスが会津川口辺りまで乗り入れれば面白いかもしれないね。昔の名鉄北アルプスの立山直通みたいに。
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