青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

81年目の夏

2017年07月27日 07時30分00秒 | 大井川鐵道

(ジェームス返しin中徳橋@田野口~下泉間)

中徳橋でかわね路号を見送った後、「お腹が空いた」と言う事で駿河徳山のミニストップでお昼ご飯。なかなか大井川沿線で良さげな食事処を知らない私、だいたいここか下泉のサークルKあたりで買って食ってる感じもある。子供のペースに合わせてのんびり食べてたりトイレ済ませたりしていたらあっという間に返しのジェームスが千頭を発車する時間。狙っていた正島のストレートは先客あって子連れで突入する雰囲気でもなく、結局ロケハンも大して出来ず…しょうがないのでもう一回中徳橋で捕まえる事にしました。


このジェームスに扮するC5644号機は昭和11年製。北海道で活躍していましたが、太平洋戦争のさなか南方戦線の戦時輸送支援のためタイに送られる事になります。大半の僚機が砲弾に倒れる中、戦火を免れて奇跡的に生き残り、戦後もタイ国鉄で活躍。昭和54年にタイより帰還し大井川で活躍する事となりましたが、何年か前はタイ国鉄仕様のカラーリングを身に纏って走っていた事もありましたね。もう10年くらい前になりますが、千頭で撮影したC56のひとコマ。まだ転車台がないので返しはバック運転の時代でしたが、赤色のカウキャッチャーがカッコ良かった。


このC56はドラフト音に特徴がありまして、走らせると仔馬のギャロップと呼ばれる「タッタカタッタカタッタカタッタカ…」という軽快でリズミカルな音を奏でます。客車7両牽引でも補機付き&返しは下り坂ですから軽快ですね。時代に翻弄され、様々な歴史を見て来た生き証人でもあるC5644号機の81年目の夏。客車の窓から聞こえて来そうな子供たちの笑い声を乗せ、今日も川根路を走ります。
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