青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

鉄路の要衝、昔もそしてこれからも。

2024年03月09日 11時00分00秒 | JR

(開業を待つ@敦賀駅コンコース)

敦賀駅コンコースには、開業を待つ北陸新幹線の延伸区間の路線図が大きく掲示されている。今回延伸となるのは金沢~敦賀間のおよそ130km。今までは、特急サンダーバードで最速1時間10分程度だった同区間が、50分程度と約20分短縮されます。敦賀から東京までがシームレスに繋がることで、特に福井県の嶺北地域に与える影響度は非常に大きいものになりそうです。2月以降、北陸新幹線の延伸を伝えるテレビコマーシャルなどもかなり多くなってきましたよね。内容はまあ、延伸される地域の観光のアピールみたいな「どっかで見たな」系のものなのですが、BGMに使われているスカパラの「愛の讃歌」がよい。このブログを書いている時点で開業まであと一週間、開業後の敦賀は、どのように変わるのでしょうか。

北陸新幹線の敦賀開業に伴い、在来線の線路の山側に建設された北陸新幹線ホーム。東京とはシームレスに繋がる代わりに、今まで大阪~金沢間はサンダーバードで一本だったんですけど、敦賀での乗り換えが発生するために「京阪神~北陸間の分断」が起こることになります。これが、東北新幹線の八戸開業みたいな暫定的なものだったら良いのでしょうけど、実際敦賀~大阪間の開業の具体的なメドは立っていない状況ですから、相当に長期間敦賀での乗り換えは固定されてしまうのでしょうね。JR西日本も、それを承知&覚悟の上で北陸新幹線の敦賀駅の真下に特急ホームを新設し、名古屋・大阪から到着するサンダバ&しらさぎをそのまま引き込んで、垂直移動だけで乗り換えさせようという構造になっているようです。完全建屋内の耐雪構造なのでその全貌は見えなかったのですが、在来線からの乗換口が妙に狭いから「あれ?」って思っちゃったんだよな。ほとんど新幹線新駅側で乗客の流動が行われるのなら、ここを通るのは敦賀で降りる客か新設される「ハピラインふくい」の乗客だけということになるので、確かにそんな大きな乗り換え口は必要ないですもんねえ。

大きく弓なりにカーブした敦賀駅の北陸線ホーム。名古屋からの特急しらさぎが、金沢からの特急サンダーバードが、およそ30分に一本程度の間隔でひっきりなしにやって来る。サンダーバードには僅かに敦賀すら通過してしまう超速タイプの列車もあるようだけれども、殆どの列車は長い編成をカーブに預けるようにして駅に停車する。かつては売店も駅弁売りもあったんだろうなあと思わせる長い長いホームには、洗面にでも使われていたのだろうか、水道の蛇口の跡なども残っている。遠く蒸気機関車の時代、長い長い柳ヶ瀬越えや山中越えで、車内に入り込んだ煤煙やススなどで汚れた手や顔を洗い流していたのだろうな、なんて遠い日の妄想も頭をよぎる。つるぎきたぐに日本海、白鳥雷鳥しらさぎ加越、立山くずりゅう大社にわかさ。寝台特急から特急急行あまたの名列車が行き交ったホームも、あと一週間で長大幹線としての旅客輸送の使命は終わり、地元の人々の日々の暮らしに軸を移した地域鉄道にその役目を譲ります。

嶺南の中心都市・敦賀市は人口約6万3千人。その中心の敦賀駅。古くから南の塩津からの深坂越え、北の山中越えを控える北陸道の要衝でもありました。北陸本線の起点である米原と同様、人口の割には鉄道に従事する人の多い、鉄道の街・・・ですよね。これからは、関西と北陸の結節点としての役割が今まで以上に求められる街になりそうですし、ただ通過されるだけじゃなくて、乗り換え需要を上手に取り込んで、敦賀で途中下車してもらえる街になれれば街の発展のためにもいいんですけどね。折角なので、そんな敦賀の街の魅力を味わいつつ散策してみることにします。


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