青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

脇役が 手を取り合って 登る道

2020年06月07日 09時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(80‰を望む@大平台~出山信号場間)

大平台駅東口踏切(下)から、畑山隧道方面を望む定番のアングル。既に日差しと気温は初夏のそれで、瑞々しい深森に登山線のレールが続いています。森の中に植わっている紫陽花の株、よく目を凝らして見ると、咲いているのもちらほらありますね。出山の信号場から巌山・鐘山・常磐山・畑山と四連続の隧道を潜りながら連続勾配を上がって来て、大平台への最後のラストスパートがこの上り坂。塔ノ沢~出山(信)~大平台間は断続的に最急勾配の80パーミルが続くという非常に苦しい区間。胸突き八丁と言ったところです。

警備のガードマン氏と二人で雑談しながら試運転を待っていたのですが、ガードマン氏、個人的にもカメラやっているそうで、待ち時間も楽しくお話させていただきました(もちろんお互いに適度に距離を取って、双方マスクを着用しております)。山の向こうから車輪の軋む音が聞こえて来て、さっき降りて行ったマルハチマルキューが坂を上がって戻って来ました。去年のGWにいきなり緑に塗り替えられた109号、マニアには「東急の3450っぽい」なんて言われたりしていますが、確かに尾灯や前面窓のサッシにそんな雰囲気もありますね(笑)。相当な上り坂を登っているのですが、カメラもかなり下に振ってシャッターを切っているので、なかなかその勾配の印象を伝えるのが難しい・・・

ちらほらと咲き始めの紫陽花を入れ込んで、引き付けた構図でもう一度。こっちの方が「山登ってる」感じは伝わるような気がしますかね。軽く傾いたマルキューの後ろから、ちらりと現行色のマルハチが見えるのがいい感じです。サンナナ編成の廃車によって、ヨンロクの2連と増結用の単車であるハチ・キューが残されたのでありますが、本来ならサポート役の増結用の単車同士のコンビが手を取り合って主役を張っている姿も、旧車群たちの最後の活躍の1ページになるのでしょう。

ちなみにシテンも始まりましたし、これからの紫陽花の見頃の時期の大平台界隈は、撮り鉄が密集しそうなのは気になるところ。撮る場所が狭くて少ないから尚更なのですが・・・くれぐれも撮影に行かれる方は体調管理やマスクの装着は常識として、そもそも混雑を避けて行ける人は平日に行くとか、ひとつっところのポイントに集まらずに分散したり時間でアングルを譲り合ったりなど、今まで以上の配慮が必要なのがアフターコロナの撮り鉄ではないでしょうか。

コメント
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