映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

グレイト・ニュー・ワンダフル

2024年01月09日 | 映画(か行)

「あの日」が残した爪痕

* * * * * * * * * * * *

あの同時多発テロから一年後のニューヨークを舞台に、
そこで暮らす人々の五つの物語を交互に描きます。

 

★あの日、崩壊したビルの7階にいた会社員。
たまたま無事な場所にいたため助かったのですが、多くの同僚も失っています。
どうやら心に変調を来し、カウンセリングに通っている様子・・・。

★気難しい10歳の息子に手を焼く中年夫婦。
なんとか普通の生活を続けようと奮闘中。

★ケーキ業界トップを目指す野心的女パティシエ。
一つの大きなプレゼンを目前にしています。

★親友であり、隣人であり、また仕事の同僚でもあるインド出身の二人のSP。
インドから訪問中の将軍の護衛にあたります。

★古雑誌のコラージュが趣味の老主婦と、その夫。
二人に会話らしきものもなく、妻は夫への不満を抱え込んでいるようだけれど・・・。

 

あの日の出来事に直接関わったかどうかに関わらず、
誰もが心に傷を負い葛藤を抱え込んでいます。

平穏な日々は簡単に崩れ落ちてしまう。
多くの人が命を失い、自分が生き残ったことの意味。
口には出さずとも、胸の奥で誰もが問いかけ続けたのではないでしょうか・・・。

それでも、なんとか折り合いをつけてわたし達は生きていく他ありません。
2005年。
まだまだ人々の心の傷が生々しかった頃の作品ですね。

これらの人々に特別の関係はなくて、それぞれ別途の物語なのですが、
一度だけエレベーターに乗り合わせるシーンがあって、ナイスでした。

 

<Amazon prime videoにて>

「グレイト・ニュー・ワンダフル」

2005年/アメリカ/83分

監督:ダニー・レイナー

出演:マギー・ギレンホール、オリンピア・デュカキス、ジム・カーフィガン、ジュディ・グリア、トム・マッカーシー

 

心の傷度★★★★☆

満足度★★★☆☆



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