映画と本の『たんぽぽ館』

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金の国 水の国

2024年02月28日 | 映画(か行)

互いの国の命運を背負う、嫁と婿

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2017年「この漫画がスゴイ!」第一位となった同名コミックのアニメ映画化。

 

商業国家で、水以外は何でも手に入る金の国。
豊かな水と緑に恵まれているが、貧しい水の国。
隣国同士ですが、長年いがみ合い戦争を繰り返しています。
そのためある時、互いに嫁と婿を贈り合うという友好策が取り決められ、
続けられていましたが・・・。

さてそんな中、金の国のおっとり王女サーラと、水の国のお調子もの建築士ナランバヤルが
不思議な縁で出会い、偽りの夫婦を演じなければならなくなります。 
けれど二人は気づかぬうちに互いに惹かれ合う・・・。

この度サーラの元に贈られた婿は犬で、
ナランバヤルの元に贈られた嫁が猫だったのです!
双方の王はよほど相手国が好きではないらしい・・・。

サーラもナランバヤルも聡明なので、このことで騒ぎ立てればきっと戦争になってしまうと思い、
秘密にするのです。
でも周囲の人々に知られてしまうのも危険。
国境付近で出会った二人は、互いに贈られてきた嫁と婿のふりをすることにしたわけですね。

始めからこの二人が政略結婚させられるという設定でないところが、
なんともナイスなのです。
犬と猫が贈られてきたというところも、意表を突いていてつい笑ってしまいました。
つまりはやはり、原作がいいのです。
「この漫画がスゴイ!」1位も納得です。

そして物語は、この二人のラブストーリーだけではなく、
金の国の王家内のいざこざや、
両国の和解への道を図ろうとするストーリーもしっかり描かれていて
実に見応えのあるものになっているのです。

サーラの姉・レオポルディーネはただ意地悪な長女かと思えば、
しっかりと国の将来を憂う聡明な女性だし、
その愛人もイケメンだけが取り柄の役者かと思えば、
これもまた知的なレオポルディーネの援助者。
その元で働く工作員らしき人々もまた魅力たっぷり。

なんとも見所満載、楽しめる作品でした。
オススメです。

<Amazon prime videoにて>

「金の国 水の国」

2023年/日本/117分

監督:渡邉こと乃

原作:岩本ナオ

脚本:坪田文

出演(声):賀来賢人、浜辺美波、神谷浩史、沢城みゆき、戸田恵子

 

戦争を考える度★★★★☆

ロマンス度★★★★☆

満足度★★★★★



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