映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

メンフィス・ベル

2018年09月18日 | 映画(ま行)

「運」と、「生きようとする意志」と。

 

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1943年、二次大戦下イギリスの米軍基地。
米空軍における伝説の名機メンフィス・ベルに乗り組んだ10人の若者が、
力を合わせ、任務を完了するまでのドラマです。

空の要塞と言われるB-17機で、24回出撃し無傷という強運を持つメンフィス・ベル号が、
いよいよ最後の飛行に出ようとしています。
これが無事終われば乗員の10名は英雄として故郷に帰ることができます。
しかし、任務はドイツ本土ブレーメン、飛行機工場の爆撃。
ドイツにとっても要所なので、激しい攻撃が予想されます。
どんちゃん騒ぎのパーティの翌朝、次々に離陸し目的地へ出発するB-17機編隊。
ストーリーはこのあとずっと飛行機内部の様子を描きます。

戦闘機の内部は男性ならきっとかなりの興味を持つところだと思いますが、
私はさほどでもない・・・。
でもいかにも居住性を排除して、機能重視、無骨で狭苦しいですね。
そこに機長、副操縦士、射撃手や航空士、
各々の役割を持った者たちでチームが編成されています。
そこへまず敵機が襲いかかり、そこを生き延びても、目的地では高射砲が雨あられ・・・。
(下から来るものなので例えがふさわしくないか?)
そんななか、地上では煙幕がはられていて地形を目視することができません。
多少ずれても仕方ないけど爆撃しようと言う者もいるのですが、
近くには民家や学校があるから・・・と、
確認するまでは爆弾を落とさないというシーンがあったのは良かった。
(でも日本への空襲は無差別だったですよね・・・。)


ともあれ、あのような場で生き残るのはまさに「運」がすべてのような気がします。
でも、人々の絶対に生きようとする意志で、難局を乗り越えていくところがまたいい。
冒頭、着陸時に車輪が片方しか降りず、機が爆発してしまうというシーンを見せておいて、
最後の最後に、このメンフィス・ベルが着陸しようとしてやはり車輪が片方しか降りない、
というシーンを持ってくる。
なるほど、うまい作りだなあ・・・と唸ってしまいました。
目を離せない作品でした。

メンフィス・ベル [DVD]
マシュー・モディン,エリック・ストルツ,テイト・ドノバン,D.B.スウィーニー,ビリー・ゼーン
ワーナー・ホーム・ビデオ



<WOWOW視聴にて>
「メンフィス・ベル」
1990年/アメリカ/107分
監督:マイケル・ケイトン・ジョーンズ
出演:マシュー・モディーン、エリック・ストルツ、テイト・ドノバン、D・B・ウィーニー、ビリー・ゼイン
勇気・友情度★★★★☆
スリル度★★★★☆
満足度★★★★☆



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