さいきん涼しくなったので、休日の移動にはもっぱら昨年買ったMTBばっかり使っている。健康のためには悪くないだろう。それから、かつてなら季節を問わず泊り込みでツーリングだったんだけど、妻にチビを押し付けっぱなしなわけにもいかず、この頃バイクは乗る機会自体が減っている。かくして早くも冬眠状態だ。
乗らない間にメンンテナンスでもやるかということで、アイドリングが微妙に不安定なVTR250人骨号のキャブレターをOHしてみることにした。
最近このウェブログをグーグル検索等で訪れVTRのメンテ記事を参照してくれる方も多いので、今回は色気を出して経過を丁寧に写真撮影してみた。同好の士の一助になれば幸いである。
ということで、初回はガソリンタンクを撤去するところまで。
メンテナンスに手を出し始めたころは、ガソリンタンクを外すという行為は結構感動モノだったものです。なるたけ丁寧に書きます。
なお自分のVTRは03型であって、全てこれに準じて記載します。
初期型(W型)は00年排ガス規制適用前のため、03型とは異なりタンクの下が相当スッキリしていて作業ももっとラクだと思います。これに対して2型(Y型)は、03型とおよそ同一だと思います。
それからジェットの番手等は置いておき、キャブレターそのものの構造は歴代VTで大体同じ、というか96%くらいは同じです。とりわけ自分はVTRの前にVT250FEに乗っていたこともあり、VTRではなくてVT250FEのキャブをいじりたい人にとってもお役に立てる(かもしれない)という期待をこめながら記述することにいたします。です。はい。
※ ※
まずはタンク下部のホース類を抜きます。
タンク裏側にはガソリンコックがあります。「ON」「RES」とか切り替えるアレです。
はじめに、このコックから伸びているホースが2本あるので抜きに掛かります。それぞれ「燃料ホース」および「負圧ホース」です。
ただし2本とも、コック部分で直接抜くのではなく、コックよりちょっと先にあるホース分岐のジョイント部分で引き抜くことになります。
「燃料ホース」は読んで字のごとくガソリンタンク内にあるガソリンを燃料系統へ送るためのもの。作業時のコックのレバーの位置は「ON」のままでも「OFF」でも「RES」でもどこを向いていても構いません。抜いた時に少量のガソリンが漏れてきますが、ホースの中にたまったガソリンだけなのですぐに止まります(数週間エンジンかけてなければ既に揮発してて何も出てきません)。
万一漏れが止まらない場合は「OFF」にすれば止まりますが、コック内部が故障している証拠です(ダイヤフラムというゴム部品を交換すれば大抵直ります)。
ガソリンホースはここの分岐部分で抜いてください。

ガソリンホースのジョイント
その拡大がこちら。

ガソリンホースのジョイント拡大
このマル印の所で抜きます。
クリップがついているので、これを細めのプライヤー(ラジオペンチ)で左側へずらしてください。

ホースの抜き方
写真に写ってる黒い棒はマイナスドライバーです。クリップは既にずらしてあります。
ホースはただ引っ張るだけでは抜けません。引っ張るのに併せて、マイナスドライバーの先端部分をヘラ代わりにホースの先端へねじ込み、ホース断面に水平に重ねて、抜く方向へ向けてググッと押してください。写真の赤線がホース断面の延長で、赤矢印の方にヘラの力を加えます。これで抜けます。
固着していて抜け難い時に無理して引っ張るとホースが破ける場合もありますが、奥の手としてここへCRCを吹くとスルリと抜くことが出来ます。ただしCRCはゴムを侵すので、このことを念頭に付着後早々と拭き取るのがベターでしょう。
なお自分は今まで何も考えずにCRCを吹きまくり、全く拭き取りもしませんでしたが、燃料ホースに用いられている耐油ゴムはそのまま数年を経てもビクともしない様子です。
続いて「負圧ホース」。ガソリンコックの開閉を自動で行うためのもの。このホースは抜いても何も出てきませんのでご安心を。抜けたら、試しにコックのバルブを「ON」か「RES」の状態にして負圧ホースを口でくわえて吸ってみてください。吸ってる間だけ「燃料ホース」からガソリンが流れ始めます。仕組みは「オートコック」で検索してください。

負圧ホース
このマルの分岐のところで抜いてください。抜き方は燃料ホースと同じです。
さてもう1本、ガソリンコックとは別にタンクに直接刺さっているホースがあります。これは給油時に溢れたガソリンや、タンクキャップから侵入した雨水等を放出するためのドレンホースです。タンクキャップを外すと見える穴がここに繋がっています。
タンクを外す時はこのホースも抜いても良いのですが、ぼくはこのドレンホースはタンクから外さずにそのまま引き抜くことが多いです。

ガソリンコックのドレンホース
分かり難いですけどこのホースです。
下端部はスイングアーム付近にてクーラントのオーバーフロウホースと一緒にクランプされて車両外へ放出するしくみです。

スイングアーム付近から引っ張り出します
こうしておくとタンク取り外し時に抵抗がありません。
ホース類の処理が済んだら、固定ボルトを取り外します。3本のボルトを普通に外すだけです。

タンク前

タンク後
これも初心者の方のために書きますと、写真の「タンク前」みたいなところに車載工具等のスパナは入りません。バイクのメンテを行うならソケットレンチを購入しましょう。最初は安物で十分です。ぼくも1999年に2000円で買ったソケットレンチセットを今年まで使っていました。今でもその中から便利なピースだけ引き続き使ってます。

タンク撤去後
あとはどかすだけ。ガソリンが満タンだと非常に重いです。自分は灯油ポンプ(100円)を1本ガソリン専用に用意していて、これで事前にガソリンをクルマに移し替えてから作業しています。また、取り外したタンクを地面に置くと前方にかなり傾きます。出来れば、傾いたまま置いてもタンクキャップまでガソリンが来ない程度まで中身を減らしておくのがベタ~でしょう。万一キャップからガソリンが漏れると火事のおそれがあります。あるいは、傾かないように台でも使って固定できればOKです。
ガソリンは火気厳禁です。当たり前のことではありますが、ホントガソリンは怖いですよ!脱線しますが、庭に生えたキノコを処分しようと思ってガソリンをヤクルト1杯分ばかりかけて燃やしたことがあります。とんでもない勢いで火がついてビビりました。
さてタンクが外せました。もし初めてのあなたがここまで来れたなら、これからは自分で「エアクリーナーの交換」や「冷却水の交換」ができます。それから「プラグ交換」もタンクがはずせた方が確実です。
タンクの取り付けは、ガソリンコックからぶら下がったままのホースを通す場所が少々面倒です。
現在タンクとエアクリとキャブを室内保管しているので、取り付けるときに追加で説明いたします。
今日はココまで。
乗らない間にメンンテナンスでもやるかということで、アイドリングが微妙に不安定なVTR250人骨号のキャブレターをOHしてみることにした。
最近このウェブログをグーグル検索等で訪れVTRのメンテ記事を参照してくれる方も多いので、今回は色気を出して経過を丁寧に写真撮影してみた。同好の士の一助になれば幸いである。
ということで、初回はガソリンタンクを撤去するところまで。
メンテナンスに手を出し始めたころは、ガソリンタンクを外すという行為は結構感動モノだったものです。なるたけ丁寧に書きます。
なお自分のVTRは03型であって、全てこれに準じて記載します。
初期型(W型)は00年排ガス規制適用前のため、03型とは異なりタンクの下が相当スッキリしていて作業ももっとラクだと思います。これに対して2型(Y型)は、03型とおよそ同一だと思います。
それからジェットの番手等は置いておき、キャブレターそのものの構造は歴代VTで大体同じ、というか96%くらいは同じです。とりわけ自分はVTRの前にVT250FEに乗っていたこともあり、VTRではなくてVT250FEのキャブをいじりたい人にとってもお役に立てる(かもしれない)という期待をこめながら記述することにいたします。です。はい。
※ ※
まずはタンク下部のホース類を抜きます。
タンク裏側にはガソリンコックがあります。「ON」「RES」とか切り替えるアレです。
はじめに、このコックから伸びているホースが2本あるので抜きに掛かります。それぞれ「燃料ホース」および「負圧ホース」です。
ただし2本とも、コック部分で直接抜くのではなく、コックよりちょっと先にあるホース分岐のジョイント部分で引き抜くことになります。
「燃料ホース」は読んで字のごとくガソリンタンク内にあるガソリンを燃料系統へ送るためのもの。作業時のコックのレバーの位置は「ON」のままでも「OFF」でも「RES」でもどこを向いていても構いません。抜いた時に少量のガソリンが漏れてきますが、ホースの中にたまったガソリンだけなのですぐに止まります(数週間エンジンかけてなければ既に揮発してて何も出てきません)。
万一漏れが止まらない場合は「OFF」にすれば止まりますが、コック内部が故障している証拠です(ダイヤフラムというゴム部品を交換すれば大抵直ります)。
ガソリンホースはここの分岐部分で抜いてください。

ガソリンホースのジョイント
その拡大がこちら。

ガソリンホースのジョイント拡大
このマル印の所で抜きます。
クリップがついているので、これを細めのプライヤー(ラジオペンチ)で左側へずらしてください。

ホースの抜き方
写真に写ってる黒い棒はマイナスドライバーです。クリップは既にずらしてあります。
ホースはただ引っ張るだけでは抜けません。引っ張るのに併せて、マイナスドライバーの先端部分をヘラ代わりにホースの先端へねじ込み、ホース断面に水平に重ねて、抜く方向へ向けてググッと押してください。写真の赤線がホース断面の延長で、赤矢印の方にヘラの力を加えます。これで抜けます。
固着していて抜け難い時に無理して引っ張るとホースが破ける場合もありますが、奥の手としてここへCRCを吹くとスルリと抜くことが出来ます。ただしCRCはゴムを侵すので、このことを念頭に付着後早々と拭き取るのがベターでしょう。
なお自分は今まで何も考えずにCRCを吹きまくり、全く拭き取りもしませんでしたが、燃料ホースに用いられている耐油ゴムはそのまま数年を経てもビクともしない様子です。
続いて「負圧ホース」。ガソリンコックの開閉を自動で行うためのもの。このホースは抜いても何も出てきませんのでご安心を。抜けたら、試しにコックのバルブを「ON」か「RES」の状態にして負圧ホースを口でくわえて吸ってみてください。吸ってる間だけ「燃料ホース」からガソリンが流れ始めます。仕組みは「オートコック」で検索してください。

負圧ホース
このマルの分岐のところで抜いてください。抜き方は燃料ホースと同じです。
さてもう1本、ガソリンコックとは別にタンクに直接刺さっているホースがあります。これは給油時に溢れたガソリンや、タンクキャップから侵入した雨水等を放出するためのドレンホースです。タンクキャップを外すと見える穴がここに繋がっています。
タンクを外す時はこのホースも抜いても良いのですが、ぼくはこのドレンホースはタンクから外さずにそのまま引き抜くことが多いです。

ガソリンコックのドレンホース
分かり難いですけどこのホースです。
下端部はスイングアーム付近にてクーラントのオーバーフロウホースと一緒にクランプされて車両外へ放出するしくみです。

スイングアーム付近から引っ張り出します
こうしておくとタンク取り外し時に抵抗がありません。
ホース類の処理が済んだら、固定ボルトを取り外します。3本のボルトを普通に外すだけです。

タンク前

タンク後
これも初心者の方のために書きますと、写真の「タンク前」みたいなところに車載工具等のスパナは入りません。バイクのメンテを行うならソケットレンチを購入しましょう。最初は安物で十分です。ぼくも1999年に2000円で買ったソケットレンチセットを今年まで使っていました。今でもその中から便利なピースだけ引き続き使ってます。

タンク撤去後
あとはどかすだけ。ガソリンが満タンだと非常に重いです。自分は灯油ポンプ(100円)を1本ガソリン専用に用意していて、これで事前にガソリンをクルマに移し替えてから作業しています。また、取り外したタンクを地面に置くと前方にかなり傾きます。出来れば、傾いたまま置いてもタンクキャップまでガソリンが来ない程度まで中身を減らしておくのがベタ~でしょう。万一キャップからガソリンが漏れると火事のおそれがあります。あるいは、傾かないように台でも使って固定できればOKです。
ガソリンは火気厳禁です。当たり前のことではありますが、ホントガソリンは怖いですよ!脱線しますが、庭に生えたキノコを処分しようと思ってガソリンをヤクルト1杯分ばかりかけて燃やしたことがあります。とんでもない勢いで火がついてビビりました。
さてタンクが外せました。もし初めてのあなたがここまで来れたなら、これからは自分で「エアクリーナーの交換」や「冷却水の交換」ができます。それから「プラグ交換」もタンクがはずせた方が確実です。
タンクの取り付けは、ガソリンコックからぶら下がったままのホースを通す場所が少々面倒です。
現在タンクとエアクリとキャブを室内保管しているので、取り付けるときに追加で説明いたします。
今日はココまで。
初心者にはとても勉強になります。
タンクって、最初の壁なんですよね。