出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

編集とDTPの同時進行

2007年01月17日 | 制作業務
ただいまDTP中。ここんとこ読み物が続いたので楽だったが、ビジュアル系はまったくもって面倒くさい。私の言うビジュアル系とは、見出しの段階が多くて囲みとか表とかいろいろある版面のこと。なんというか「マニュアル型」とでも呼ぶんだろうか。

11月中旬に出した新刊が調子よくて、昨年は何もできなかったので、気は焦る。が、1月の発刊を逃しちゃったので「もういつでもいい」という本で、著者のお言葉に甘えて「のんびり」、いや、じっくり取り組んでいる。

著者から「大意を損なわない限り、添削、編集お任せ」と言われている。打ち合わせの段階で、見開きの収まりについての理解を確認したので、原稿をもらったときそう言ってくれた。

そのときに一通り目を通して大きな注文はなかったので、またまたお言葉に甘えて「添削、編集」しながらDTPをしている。今回は「私自身も絶対1冊ほしい(原稿読むだけじゃ満足しない)!」という本なので、細部にも熱が入る。

内容でなく文章でいうと、私は学校で習う国語の文章みたいなのが好きだ。個性とか語りかけとか丁寧とか勢いとかいうことではなくて、そういうものを持ちながら、文法的には絶対正しいという文章。

で、原稿をいじりたいのは山々でも、著者によってはよしとするときもある。が、著者(ライター)に注文するより、文章をちょっといじらせてもらうほうが楽だ。

なのに、なかなか進まない。もちろん作業的に面倒なのもあるし添削しながらだからなんだが、プロだったらもう少し早いのではなかろうか。

実際、読みやすさや美しさを考えて外注しようかとも思った。全部じゃコスト的に大変なので、見開きのフォーマットデザインだけ、センスのいい人に頼めないか。けど、そんな発注の仕方ってあるのか知らないし、仮にイレギュラーだとしてそういうことを頼めるデザイナーは忙しそうだったので諦めた。

それに、他人に頼んで「なんとなく」気に入らなかったら、それはそれで悩む。自分のブリーフィングが下手なせいとして諦める(または追加コストを払う)か、「なんとなく」を無視することにして進めちゃうか。

自分でしたら、そういう悩みはない。「ま、このへんでいいんじゃないの」=「不満要素はない」ことになる。どのみち、自分でしたほうが小回りが利く(著者とのやり取りで細かい変更があってもOKだ)。

というわけで、毎日毎日マックと格闘している。

実は、「年末間際に来た日販帳合の書店からの注文を、日販(王子)に持ってくのがかったるくって直納したら喜んでもらえた」ということを学んで、今度から「搬入ルートにある書店さんに直納がてら挨拶」なんてことも考えていた。が、それもままならない。今は、さっさと帰ってDTPをするべき(そういう時期)だから、しょうがない。

2 コメント

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Unknown (けいじ)
2007-01-23 09:57:42
>全部じゃコスト的に大変なので、見開きのフォーマットデザインだけ、センスのいい人に頼めないか

昔はデザインはデザイナーがいて、手書きでデザインして、版下を写植オペレーターが作る、それをフィニッシュデザイナー(と言ってもオペレーターですが)が張り込むという作業でした。

デザインフォーマットだけフリーのデザイナーに頼むというやり方はあります。全ページ分の作業が無いので料金も安く済みます。通常のページ単価より高い金額を掲示すればやってくれるデザイナーは多いはずです。
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けいじさん (タミオ)
2007-01-24 10:44:15
やっぱりありますか、そういう頼み方。今度検討してみよう。

実は、諦めた理由として「頼む先がみつからん」の他に、「ちょっとでもいじったら怒られそう」とか「カバーなんかも同じ路線にしたら怒られそう」とか、いろいろ不安がありました。いや、前もって打ち合わせておけばいいんでしょうけど、どうも面倒くさくてやめてしまいました。
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