MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『スキャンダル』(2019年)

2020-02-26 00:51:57 | goo映画レビュー

原題:『Bombshell』
監督:ジェイ・ローチ
脚本:チャールズ・ランドルフ
撮影:バリー・アクロイド
出演:シャーリーズ・セロン/ニコール・キッドマン/マーゴット・ロビー/ジョン・リスゴー
2019年/アメリカ

日本では見られない「権謀術数」について

 本作はフォックス・ニュース・チャンネルのキャスターだったグレッチェン・カールソンがFOXニュースのCEОのロジャー・エイルズをセクハラで訴えた顛末が描かれている。
 グレッチェンともう一人のキャスターであるメーガン・ケリーは実在する人物で、それぞれニコール・キッドマンとシャーリーズ・セロンが演じているが、若手で自らエイルズに自分を売り込んで番組を持てることになったカイラ・ポシュピシルは架空の人物である。要するにキャスターの仕事に就くためには誰もがエイルズの「毒牙」にかからなければならないのである。東大教授の藤原帰一が2020年2月23日付毎日新聞の「映画愛」においてポシュピシルを演じたマーゴット・ロビーが「ウソっぽい」と書いていたが、そのような視点こそ「男性目線」だとは思う。
 メーガン・ケリーがアリサイン・キャメロタ(Alisyn Camerota)に会いに行った際に、キャメロタが「魚は頭から腐る(A fish rots from the head down.)」と語っており、これは12日の衆院予算委員会で辻元清美代議士が安倍首相に言い放った一言で、辻元は試写会などで『スキャンダル』を観ていたのだと思ったのだが、辻元は「タイは頭から腐るという言葉、ご存じですか」と首相に訊ねており、引用が正確ではないから観ていないのかもしれない。
 しかし女性活躍推進を最重要施策の一つとしている安倍首相が『スキャンダル』を観ている感じもなく、観ていれば辻元の引用の間違いを指摘するような野次を飛ばし知性の欠片でも見せられたはずだからで、結果的に、今の日本の国会は「児童会」の域を出ないのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/politics/dailyshincho-608965


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『グッドライアー 偽りのゲー... | トップ | 『チャーリーズ・エンジェル... »
最新の画像もっと見る

goo映画レビュー」カテゴリの最新記事