MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『スパイダーマン:スパイダーバース』

2019-05-16 12:56:40 | goo映画レビュー

原題:『Spider-Man: Into the Spider-Verse』
監督:ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン
脚本:フィル・ロード/ロドニー・ロスマン
出演:シャメイク・ムーア/ジェイク・ジョンソン/ヘイリー・スタインフェルド/マハーシャラ・アリ
2018年/アメリカ

モダンアートとしてのスパイダーマンについて

 本作を観てつくづく思うのはストーリー以上に作画の斬新さである。例えば、『アリータ: バトル・エンジェル』(ロバート・ロドリゲス監督 2019年)が実写にアニメーションを近づけようという試みだったとするならば、本作はリアルを限りなくアニメーションに近づけようという試みにさえ見える。
 さらにメインのスパイダーマンの他に異次元から「ピーター・パーカー(ピーターB)」「スパイダーグウェン」「スパイダーマン・ノワール」「ペニー・パーカー」「スパイダー・ハム」が現れるのだが、それぞれのキャラクターの描写が違うのである。ラストにおいては当初(1967年)の頃のスパイダーマンが2人現れ、指を指すなと言い争っているシーンを挿入してスパイダーマンのタッチの「進化」を見せ、タッチが違うキャラクターたちがメインのスパイダーマンの世界の中で縦横無尽に躍動する光景を見た時、これでは『未来のミライ』(細田守監督 2018年)が賞レースで適うはずもなく、何故このような作品が日本で生まれなかったのだろうと内心忸怩たる思いを抱いた。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花田優一の絵の実力

2019-05-16 00:58:29 | 美術

 テレビ朝日で4月14日に放送された『松之丞カレンの反省だ!』という番組に靴職人の花田優一がゲストとして出演していた。花田優一のことを詳しくは知らないのだが、神田松之丞に「滝沢カレンの顔」というお題で絵を描くように言われた花田は、靴を制作よりも絵の方が先だったと言っており、どうやら絵の方が得意らしかったのであるが、花田は「絵に描き方などない」と啖呵を切り、画面に映った限りでは筆を使わずに指を使って描いており、どのような作品に仕上がるのか楽しみに見ていたら、上のような仕上がりなのである。
 まず人間の顔には見えない(オレンジ色で目と鼻を、赤で唇?)し、唯一理解できるのは右上に描かれている黒いカラスなのであるが、人間の頭(?)の上にカラスを描く神経が理解に苦しむ。絵の下手な人間が下手であることを悟られないように誤魔化すセンスの微塵も感じられない「抽象絵画」のお手本のようなものだとは思う。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする