原題:『RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、 そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』
監督:堤幸彦
脚本:櫻井武晴
撮影:小林純一
出演:向井理/木村文乃/佐藤二朗/市原隼人/黒谷友香/財前直見/岡本信人/木村多江
2016年/日本
「コメディアンヌ」を見いだす名探偵としての映画監督について
ラストのエンドクレジットの出方で分かるように本作はテレビの2時間のサスペンスドラマのパロディであるのだが、横溝正史の推理小説に登場する私立探偵の金田一耕助を想起させる主人公の朝永蘭丸は、金田一というよりも櫻井武晴が脚本を手掛けている『名探偵コナン』の主人公である江戸川 コナンに近いと思う理由は、性格を入れ替えれば蘭丸を支える甕棺墓光と宮沢寛治は、『コナン』における毛利蘭と毛利小五郎に当てはまるからである。
そのような視点で観賞するならば本作は良く出来ていると思うのだが、『ケイゾク』や『TRICK』など堤幸彦監督の独特の笑いが観客を選別してしまうであろう。それにしても甕棺墓光を演じた木村文乃の演技の弾けっぷりは素晴らしく、中谷美紀や仲間由紀恵同様に「コメディアンヌ」を開花させる堤監督の手腕には脱帽するしかない。