原題:『Fantastic Beasts and Where to Find Them』
監督:デヴィッド・イェーツ
脚本:J・K・ローリング
撮影:フィリップ・ルースロ
出演:エディ・レッドメイン/キャサリン・ウォーターストン/ダン・フォグラー/アリソン・スドル
2016年/イギリス・アメリカ
魔法使いの「見分け方」について
主人公のニュート・スキャマンダーをエディ・レッドメインに演じさせた時点で既に成功が約束されたようなものである。若いのか老いているのかだけでなく(因みに当時33歳)、『リリーのすべて』(トム・フーパー監督 2015年)の好演により性別も超越してしまったレッドメインほど正に「魔法使い」として適役な役者は見当たらないと思うからである。(だからまだ未見ではあるが、レッドメインの向こうを張ったように見える荻上直子監督の『彼らが本気で編むときは、』の主人公のリンコを演じた生田斗真の佇まいがスベっていなければいいなと祈るのみである)。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(ギャレス・エドワーズ監督 2016年)や『スター・トレック BEYOND』(ジャスティン・リン監督 2016年)が「崩壊の美学」を描いたとするならば、魔法使いたちが破壊してしまった「ノー・マジ(人間)」の世界を元に戻す過程を描く本作は「修復の美学」が描かれている。
しかしパーシバル・グレイブズが、モデスティ・ベアボーンが「オブスキュラス」だと信じ込み、彼女の兄のクリーデンス・ベアボーンが魔法使いであることを見抜けなかったことだけはどうも納得しかねる。