MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『自虐の詩』

2017-01-10 00:45:18 | goo映画レビュー

原題:『自虐の詩』
監督:堤幸彦
脚本:関えり香/里中静流
撮影:唐沢悟
出演:中谷美紀/阿部寛/カルーセル麻紀/遠藤憲一/西田敏行/名取裕子/竜雷太
2007年/日本

最も大切な「ご縁」の不在について

 原作の性格から言うならば本作は「感動もの」の作品であるはずなのだが、どうも作品前半に繰り返される主人公の森田幸江の夫である葉山イサオの執拗な「ちゃぶ台返し」が理解できない。それは「ちゃぶ台返し」のネタがスベっているというよりも、上京したものの娼婦に身をやつしている幸江と結婚するために属していた組の組長に盃を返して左手の小指まで詰めたのに、何故イサオが働きもせずに酒とギャンブルに溺れてしまっているのか詳細な描写がないからである。
 幸江の実の母親が娘を捨てた原因もはっきりせず、要するに夫と母親の幸江に対する想いが曖昧なために感動しにくいのである。


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