MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ミュージアム』

2017-01-08 00:56:10 | goo映画レビュー

原題:『ミュージアム』
監督:大友啓史
脚本:大友啓史/高橋泉/藤井清美
撮影:山本英夫
出演:小栗旬/尾野真千子/野村周平/丸山智己/田畑智子/市川実日子/伊武雅刀/妻夫木聡
2016年/日本

「こそばゆさ」がもたらす猟奇殺人について

 寧ろ「日本のジャック・リーチャー」は本作の主人公の沢村久志なのかもしれない。ここでも主人公は犯人に娘ではないが息子の沢村将太と妻の沢村遥を誘拐されており、けっこうストーリーは被るものである。
 『土竜の唄 香港狂騒曲』(三池崇史監督 2016年)のようなユーモアは一切排除された代わりに最後まで緊張感が途切れないホラー要素を大胆に取り込んだ良質のサスペンス映画になっていると思う。『セブン』(デヴィッド・フィンチャー監督 1995年)のような思い切ったラストにならなかったのは二番煎じを恐れてというよりも、あまりの救いの無さによる観賞の後味の悪さを避けたためであろうが、ラストでも描かれているように皮膚の痒みだけでも十分にぞくぞくとはするのである。
 犯人の車を追い詰めようとその車のナンバー「59-63(ご苦労さん)」を笑わずに無線で伝える沢村久志が凄い。


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