今年、『サンダーバード』のリメイク版である『サンダーバード ARE GO』が製作され、日本でもNHKで放送が始まり、同時に旧作も放映されていたので久しぶりに観たのであるが、こんな単純な話だったのかと唖然とした。例えば、「宇宙放送局の危機(Ricochet)」という話では、何と大型の無人ロケットを男女2人のスタッフで打ち上げているのである。あるいは「ジェット“モグラ号”の活躍(Pit of Peril)」にしても穴に落ちて遭難した500トンもある軍の装甲車をバージルとゴードンの2人の兄弟で引き揚げようとしているのである。ストーリーも単純でただ現場に行って救助の様子が描かれているだけで、それでも子供の頃は楽しく観ていたのである。
ところで新作の『サンダーバード ARE GO』はどうかというと、マリオネットの代わりにコンピュータグラフィックスの使用によって人物の動きが格段に良くなったのだが、マリオネットのぎこちなさが人間味を出していたのであり、コンピュータグラフィックスによりトレーシー兄弟たちはスーパーマン顔負けの超人のような行動力を発揮してしまっている。
因みにタイトルの「Thunderbirds Are Go!」の「Go」は動詞ではなく形容詞で「(ロケット打ち上げなどのシステムが)用意ができて、準備万端」という意味である。子供の頃、日本語のテーマ曲を「サンバ~ダ~ド~」と歌って笑われたことがあったが、多少英語が分かる今はさすがにそのような間違いはしなくなった。