星守る犬
2011年/日本
独身の勧め
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
いつもの‘犬’の映画だと思って見ていたが、ナメていた。作品冒頭の、主人公の奥津京介の祖父が、ひまわり畑を見せるために寝たきりの祖母の寝室の壁を壊すシーンからして『イキガミ』(2008年)を撮った瀧本智行監督らしく荒く、その後の人物描写も酷い部分が多々見受けられる。例えば、おとうさんが、助けた男の子に裏切られて、財布に入っていた現金を持ち逃げされた話を聞いた川村有希が「おじさんのようなお父さんが欲しい」と言った後に、「その男の子と友達になれそう」と言う。確かに自分の父親に虐待されているという境遇が似ているとはいえ、やはりどのように考えてもおとうさんの有り金を持ち逃げした男の子に有希が好意を持つことは考えにくい(もちろん役柄であっても川島海荷には知的であって欲しい)。ハッピーがバーベキューをしている見知らぬ家族に走り寄って行った際に、野犬と間違われて薪を投げられて頭に怪我を負うのであるが、このシーンの伏線となる、飼い主のおとうさんの家族とバーベキューをしたシーンにおいて、ハッピーは家族に走り寄って行ってなかったために、有効な伏線になりえていない。
私は撮影の際にはハッピーは大変だったと感じるが、物語においては西田敏行が演じたおとうさんに同情してしまう。おとうさんは出しゃばらない人で、妻や娘に対して好きなようにさせていたにも関わらず、リストラされた後はまるでゴミ扱いで、離婚されてしまう。そしていつの間にか妻と娘は仲良く暮らしている。
この作品を通して言えることは女性が非常に‘強く’て、男性が‘優しい’ということである。主人公の奥津京介が人付き合いが苦手で、読書好きの独身であることを勘案するならば、この作品の暗黙のメッセージは幸せになりたいのであるならば、男性は独身を貫くべきであり、結婚するくらいならば犬を飼えということである。‘婚活’が叫ばれる昨今、この‘反時代的’なメッセージを私は高く評価したいと思う。
広島市長、被爆者に「感謝を忘れてる人がいる」(読売新聞) - goo ニュース
広島市の松井一実市長が16日に被爆体験記を執筆した被爆者の男性と市役所で面会
した際に男性が「爆心地から4キロ離れたところで『被爆者』というのは後ろめたいものが
あった」と語ったのに対し、「一番ひどいのは原爆で死んだ人。残った人は死んだ人に
比べたら助かっとる、ということをまず言わんのですね」などと応えたことに対して、広島県
「黒い雨」原爆被害者団体連絡協議会の高野正明会長に「国の専門家会議が援護区域
見直しを進めている中で水を差す発言」と抗議されたことで、17日夜、被爆者団体との
懇談会で「(発言が)間違いだと言われるのは納得がいかない」と話しながらも、「被爆者
援護が国民の『分かち合い』で成り立っていることへの感謝を忘れてはならない、との趣旨
で話した。誤解を与えたことにはおわびしたい」と釈明してしまった。個人の道徳の問題を
一般論として語ることは必然的に誤解が生じることは常識として理解しておくべきであろう。
具体的に誰が“平和”を利用して言論の自由を阻害しているのかを語るべきなのである。