昨日は兵庫芸術文化センターに
ズービン メータ指揮 バイエルン放送交響楽団演奏会を聴きに行った。
当初、マリス ヤンソンスさんが指揮の予定だったけれど
健康上の理由で来日不可能ということになり
指揮がズービンメータさんに変わった。
それに伴って演奏曲目が
マーラーの交響曲第7番から
モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ジュピター
マーラー 交響曲第1番 ニ長調 巨人
に変更になった。
ホールに到着すると楽屋の方から
マーラー巨人の第三楽章の冒頭の部分をコントラバスの奏者が
練習する音が聞こえた来た。
なんかドライな音だなと思った。
指揮台の客席から見て左側にスロープが作ってあり
指揮台の上にも腰掛けが用意されていた。
メータさんも足の具合がよくないのかなと思った。
最初に演奏されたのはモーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K.551
ジュピター
メータさんは男性に付き添われて杖をついて登場した。
オーケストラは客席から見て左から
ファーストバイオリン、チェロ、ビオラ、セカンドバイオリンの
対向配置。
第一楽章
演奏が始まったとき深くなめらかな音、と思った。
抑えぎみに演奏が進むけれど
深い世界が醸し出されていて素晴らしいと思う。
提示部を反復したけれど
二回目に提示部が演奏されたとき
そこには一回目にはない勢いがあって
演奏が進むにつれて演奏のスピリットが高まっていく
様子がわかって興味深かった。
第二楽章
チェロ、コントラバスの低音がふくよかに出ている。
静かに音楽が展開する。
演奏は独特の沈んだ世界を醸し出している。
こういう雰囲気の演奏って聴いたことないなと思う。
なんか向こうの世界の音楽を聴いているようにも思えた。
第三楽章
メヌエットのメロディラインが抑えぎみに出てくるけれど
それで物足りないとは思わない。
とても深い世界が演奏にはあるように思える。
第一楽章とこの楽章は後半になると
音楽がナチュラルに盛り上がっていったように思える。
第四楽章
遅めのテンポで抑えぎみに演奏が進むけれど
一つ一つの音を奏者がとても丁寧に
奏でていることが伝わってくる。
抑えぎみではあるもののリズムが
しっかりと刻まれているのもすごいなと思う。
なんかちょっと言葉では表せない
味わいが出ていた。
全曲を通じてこれだけ抑えぎみに演奏が進んで
それでいて深い味わいを醸し出すことが
ちょっと考えられないことのように僕には思えた。
普通だったらモーツァルトを抑えぎみにやったら
ただ単に勢いがないだけの演奏になってしまいがちなので、、、。
よほどオーケストラと指揮者が
音楽に熟練しているのだろうなと思った。
とても素晴らしい演奏だと思った。
感動して興奮状態になるというよりも
なんかしみじみと心に染み入るような演奏だった。
今までにこういうタイプの演奏を聴いたことないなと思った。
20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
マーラーの交響曲第1番 ニ長調 巨人
第一楽章
キーンという感じで音が出てくる。
混沌とした世界が広がる。
マーラーの曲の作り方が混沌としているのだと思うけれど
冒頭でここまで混沌とした世界を表した演奏って
ちょっと聴いたことないなと思う。
やがてこの楽章の主要な歌曲風のテーマが出てくる。
とても慎重にゆっくりとそのメロディが奏でられる。
ちょっとこれはかなり美しいなと思った。
第一楽章全体を通して
演奏の幅が広くそのなかに歌曲風のメロディが
次々と出てくるという展開だった。
どのメロディもとても美しく奏でられていて
夢をみているような気持ちになった。
木管楽器郡の音は本当に鳥がさえずっているように聴こえた。
こんな演奏はめったに聴けないなと思った。
第二楽章 花の章
第一楽章に続いて花の章も演奏された。
これを聴くのは生演奏、録音を通して
僕は初めてだったのでよい体験になった。
第三楽章
ゆっくりとやや余力をもってリズムが刻まれる感じで
演奏が進む。
中間部ではマーラーの音楽特有のうねるような音も動きも
よく表現されていた。
第四楽章
コントラバスが独特の音色でメロディを奏でる。
ここを楽屋で練習しておられたのかと思い出した。
ゆったりと音楽が進んでいく。
楽章の後半で東洋風のメロディが出てきて
そこから特に演奏が美しく展開したように思った。
第五楽章
この楽章の冒頭はブラスのファンファーレの耳をつんざくような
音を予想して聴いてしまうけれど
実際に出てきた音は意外とマイルドだった。
マイルドで物足りないということではなく
それなりに大きい音を出してそれがマイルドに聴こえるところが
奥ゆかしいというか素晴らしいと思った。
この楽章は歌曲風の美しいメロディも出てくるけれど
急に第一楽章を回想したり
コーダかと思うとまた音楽が弛緩して続きがあったりと
僕はこの曲のこの楽章を聴いていると
しばしばちょっと退屈してしまう。
昨日も例外ではなかった。
演奏がどうこうと言うよりマーラーの曲の作りが
そうなっているのだと思う。
しかし、全体を通してみればマイルドな味わいのなかに
様々な美しい要素が表現されたいたなと思う。
さすがにコーダになるとブラスは大きく鳴ったけれど
ブラスにあわせて鳴らされるシンバルは
慎重に抑えぎみに鳴らされていた。
あの最後のシンバルの演奏の仕方が昨日の演奏全体を
象徴しているようにも思えた。
ちょっと聴いたことのないタイプの演奏で
かなり満足できた。
演奏が終わったあと会場からブラボーの声が飛んだ。
通常ブラボーの声は特定の方が出すという感じに
なる場合が多いけれど
昨日はかなり大勢の方がいっせいにブラボーと
叫んだ感じだった。
それが昨日のお客さんの満足度を表していたように思う。
オーケストラのメンバーが引っ込んだあとに
メータさんは車イスにのってステージに出てこられて
拍手に答えられた。
ヤンソンスさんからメータさんに
指揮が変わったときどうしようかと思ったけれど
昨日はコンサートに行って本当によかったと思った。
ズービン メータ指揮 バイエルン放送交響楽団演奏会を聴きに行った。
当初、マリス ヤンソンスさんが指揮の予定だったけれど
健康上の理由で来日不可能ということになり
指揮がズービンメータさんに変わった。
それに伴って演奏曲目が
マーラーの交響曲第7番から
モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ジュピター
マーラー 交響曲第1番 ニ長調 巨人
に変更になった。
ホールに到着すると楽屋の方から
マーラー巨人の第三楽章の冒頭の部分をコントラバスの奏者が
練習する音が聞こえた来た。
なんかドライな音だなと思った。
指揮台の客席から見て左側にスロープが作ってあり
指揮台の上にも腰掛けが用意されていた。
メータさんも足の具合がよくないのかなと思った。
最初に演奏されたのはモーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K.551
ジュピター
メータさんは男性に付き添われて杖をついて登場した。
オーケストラは客席から見て左から
ファーストバイオリン、チェロ、ビオラ、セカンドバイオリンの
対向配置。
第一楽章
演奏が始まったとき深くなめらかな音、と思った。
抑えぎみに演奏が進むけれど
深い世界が醸し出されていて素晴らしいと思う。
提示部を反復したけれど
二回目に提示部が演奏されたとき
そこには一回目にはない勢いがあって
演奏が進むにつれて演奏のスピリットが高まっていく
様子がわかって興味深かった。
第二楽章
チェロ、コントラバスの低音がふくよかに出ている。
静かに音楽が展開する。
演奏は独特の沈んだ世界を醸し出している。
こういう雰囲気の演奏って聴いたことないなと思う。
なんか向こうの世界の音楽を聴いているようにも思えた。
第三楽章
メヌエットのメロディラインが抑えぎみに出てくるけれど
それで物足りないとは思わない。
とても深い世界が演奏にはあるように思える。
第一楽章とこの楽章は後半になると
音楽がナチュラルに盛り上がっていったように思える。
第四楽章
遅めのテンポで抑えぎみに演奏が進むけれど
一つ一つの音を奏者がとても丁寧に
奏でていることが伝わってくる。
抑えぎみではあるもののリズムが
しっかりと刻まれているのもすごいなと思う。
なんかちょっと言葉では表せない
味わいが出ていた。
全曲を通じてこれだけ抑えぎみに演奏が進んで
それでいて深い味わいを醸し出すことが
ちょっと考えられないことのように僕には思えた。
普通だったらモーツァルトを抑えぎみにやったら
ただ単に勢いがないだけの演奏になってしまいがちなので、、、。
よほどオーケストラと指揮者が
音楽に熟練しているのだろうなと思った。
とても素晴らしい演奏だと思った。
感動して興奮状態になるというよりも
なんかしみじみと心に染み入るような演奏だった。
今までにこういうタイプの演奏を聴いたことないなと思った。
20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
マーラーの交響曲第1番 ニ長調 巨人
第一楽章
キーンという感じで音が出てくる。
混沌とした世界が広がる。
マーラーの曲の作り方が混沌としているのだと思うけれど
冒頭でここまで混沌とした世界を表した演奏って
ちょっと聴いたことないなと思う。
やがてこの楽章の主要な歌曲風のテーマが出てくる。
とても慎重にゆっくりとそのメロディが奏でられる。
ちょっとこれはかなり美しいなと思った。
第一楽章全体を通して
演奏の幅が広くそのなかに歌曲風のメロディが
次々と出てくるという展開だった。
どのメロディもとても美しく奏でられていて
夢をみているような気持ちになった。
木管楽器郡の音は本当に鳥がさえずっているように聴こえた。
こんな演奏はめったに聴けないなと思った。
第二楽章 花の章
第一楽章に続いて花の章も演奏された。
これを聴くのは生演奏、録音を通して
僕は初めてだったのでよい体験になった。
第三楽章
ゆっくりとやや余力をもってリズムが刻まれる感じで
演奏が進む。
中間部ではマーラーの音楽特有のうねるような音も動きも
よく表現されていた。
第四楽章
コントラバスが独特の音色でメロディを奏でる。
ここを楽屋で練習しておられたのかと思い出した。
ゆったりと音楽が進んでいく。
楽章の後半で東洋風のメロディが出てきて
そこから特に演奏が美しく展開したように思った。
第五楽章
この楽章の冒頭はブラスのファンファーレの耳をつんざくような
音を予想して聴いてしまうけれど
実際に出てきた音は意外とマイルドだった。
マイルドで物足りないということではなく
それなりに大きい音を出してそれがマイルドに聴こえるところが
奥ゆかしいというか素晴らしいと思った。
この楽章は歌曲風の美しいメロディも出てくるけれど
急に第一楽章を回想したり
コーダかと思うとまた音楽が弛緩して続きがあったりと
僕はこの曲のこの楽章を聴いていると
しばしばちょっと退屈してしまう。
昨日も例外ではなかった。
演奏がどうこうと言うよりマーラーの曲の作りが
そうなっているのだと思う。
しかし、全体を通してみればマイルドな味わいのなかに
様々な美しい要素が表現されたいたなと思う。
さすがにコーダになるとブラスは大きく鳴ったけれど
ブラスにあわせて鳴らされるシンバルは
慎重に抑えぎみに鳴らされていた。
あの最後のシンバルの演奏の仕方が昨日の演奏全体を
象徴しているようにも思えた。
ちょっと聴いたことのないタイプの演奏で
かなり満足できた。
演奏が終わったあと会場からブラボーの声が飛んだ。
通常ブラボーの声は特定の方が出すという感じに
なる場合が多いけれど
昨日はかなり大勢の方がいっせいにブラボーと
叫んだ感じだった。
それが昨日のお客さんの満足度を表していたように思う。
オーケストラのメンバーが引っ込んだあとに
メータさんは車イスにのってステージに出てこられて
拍手に答えられた。
ヤンソンスさんからメータさんに
指揮が変わったときどうしようかと思ったけれど
昨日はコンサートに行って本当によかったと思った。