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「一橋桐子(76)の犯罪日記」原田ひ香

2021年04月13日 08時41分22秒 | 読書(犯罪)


「一橋桐子(76)の犯罪日記」原田ひ香

老親を見送った桐子は、76歳になっていた。
わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしている。
このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。
そこで、刑務所に入って孤独死を逃れようと悪戦苦闘する日々が始まる。
どんな犯罪が人に迷惑をかけず、長く刑務所暮らしができるだろうか?

結婚詐欺のターゲット
P191
「まず、騙せそうな男・・・・・・ターゲットをどんな場所で探すのか、というところから始まったの。やっぱり病院とか美術館、博物館、歌舞伎、ワインの研究会なんかがいいんですって・・・・・・お金があって孤独な人が多いから。子どもたちとは別居で、奥さんに先立たれて1人暮らしな人。そういう老人と仲良くなって、少しずつお金を引き出す」(全財産の10%から20%を引き出すのが目安らしい・・・その程度なら、男もプライドがあって、警察沙汰にしないから。表に出る数字は氷山の一角、と言える)

【感想】
思った以上におもしろかった。
読後感も良い。
その理由は、ヒロインの好感度の高さにある、と思う。
いつのまにか、応援しながら読んでいた。
(今まで読んだ中で、最高齢のヒロインだ)


【おまけ】
原田ひ香作品では、過去に次のような作品を読んだ。
「東京ロンダリング」「彼女の家計簿」がおすすめ。




【ネット上の紹介】
万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人。どれが一番長く刑務所に入れるの?老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚もせず、76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。唯一の家族であり親友だったのに…。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。絶望を抱えながら過ごしていたある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ!光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。

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