「マタタビ潔子の猫魂」朱野帰子(メディアファクトリー)
なかなか面白かった。
(でも、ネット上の煽った紹介文を読んで、過激な面白さを期待してはいけない)
それなりに楽しめる、といった感じ。
第4回ダ・ヴィンチ文学大賞受賞作。
なお、表紙の絵は、東村アキコさん。
【ネット上の紹介】
おれは猫魂。
日本古来の憑き物だ。
主君である潔子28歳は無口で地味な派遣OLだが、
襲い来る憑き物たちに彼女の怒りが爆発する時、おれの猫魂パワーが発動される!
地味OL28歳が黒ずくめの美女に変身!
痛快・妖魔退散エンタメ!猫魂降ろしていじわる退治!
第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。
PS
「お稲荷さんが通る」(叶泉)クラスの面白さは保証する。
先日、ナカガイ・高槻店に行ってきた。
(訪問3回目、ジムが変われば気分も変わる)
ボルダーサーキットをトライした。
■黄色テープ。
①~⑰・・・今のところ17本まで出来ている(6番が難しい)
■白テープ(黒文字)
①~⑮・・・現時点で15本ある。黄色に比べて、格段に難しい。(6番が難しい)
■青テープ
①~⑮・・・現時点で15本ある。さらに難しく、何本かはV4あり、と感じた。
以上、47本トライ。
前回は、黄色テープ、白テープ(黒文字)と登って、青テープに到着した時には、へろへろ状態。
半分近く登れず、口惜しい思いをした。
今回は、青テープすべて登る事が出来て喜んでいる。
なお、青テープで難しいのは、以下のとおり。
③、④、⑦、⑩・・・どれも難しいが、特に③番が難しい。
さらに、後半になると、疲労が蓄積する為か、⑪から⑮、どれも難しく感じた。
もし、軽くウォームアップして、白テープをトライせず、いきなり青テープをトライしたら、もう少し楽に登れるかもしれない。
(でも、それだと練習にならない)
今後、課題数が増えて、各20課題、合計60課題になったら、どうだろう?
さらに、へろへろになるでしょうね。
(身体は対応できるのだろうか?)
(このところ、戦国モノを読んでいる影響)
ここ大山崎のあたりは、秀吉と明智光秀、天下分け目の決戦舞台である。
眺望もよく、見下ろすと桂川、宇治川、木津川が合流しているのが分かる。
登る前に、歴史資料館に立ち寄り、歴史のおさらい。
下山後は、アサヒビール美術館とサントリー蒸留所を訪問し、楽しむ。
アサヒビール美術館では、ワインケーキを食べ、ワインを飲んだ。
サントリー蒸留所では、ウィスキーの試飲をした。
前回のハイキングは五月山で、動物園を訪ねたので、ファミリー向けハイキングの感を呈したが、今回は大人のハイキングであった。
阪急大山崎駅駅→大山崎町歴史資料館→山崎聖天→天王山→宝寺→
アサヒビール大山崎山荘美術館→サントリー蒸留所→阪急大山崎駅駅
歩行2時間20分 距離5.8km
資料データ:「行楽の山歩き」(東京地図出版)より
新館にはモネの「睡蓮」が展示されている。
庭園もゆったり楽しめる。
館内にはオープンカフェもあり、ワインやビールが飲める。
山崎蒸溜所大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
1時間毎に工場見学のツアーが催行され、ウィスキーが試飲できる。
なお、ネット上の優待券を提示するとオリジナルグッズがもらえる。
私も『山崎』ロゴ入りグラスをいただいた。
【本日の会計報告】
大山崎町歴史資料館・・・200円
アサヒビール大山崎山荘美術館・・・700円
オープンカフェ・ワインケーキ&ワインシードル・・・750円
サントリー蒸留所見学・・・無料
土産・山崎ロゴテイスティンググラス・・・580円
土産・樽材コースター・・・525円
「シャーリー」森薫(エンターブレイン)
長らく絶版であったが、最近再版された。
喜んでいる。
「エマ」が面白かったので購入した。
森薫さんの初期作品集。
英国舞台にメイドが主人公・・・もろオタクの内容だけど。
初期作品集とは言え、現在の森薫さんを充分予感させる内容。
取り寄せてよかった、と思っている。
「茶々と秀吉」秋山香乃(文芸社)
前回読んだ、「茶々と信長」の続編。
茶々が秀吉の側室となり、子をなし、秀吉が亡くなるまでを描いている。
於茶々の境遇を的確に表現している文章があるので、以下転載する。
(P245)
わずか十代のうちに二度の落城を経験し、両親も養父も兄もことごとく秀吉の手に掛けられ、だのにその仇の庇護で生き、抱かれ、その男の子を身ごもって産み落とし―。かの姫はどこかで気持ちを切り替えてすべての運命を受け入れ、歩いてきたのに違いないのだ。
さらにP300も、当時の時代を表現して興味深い。
当時のしきたりから言っても女は大年増と言われる三十前後になれば、自ら床下がりを申し出て、侍女を代わりに差し出すものだ。
これは男に都合のよい風習のように思えるが、母体保護の目的もあったように思う。
出産での死亡率は、現在と比べてはるかに高かったはず。
さて、私が最も興味があるのは人間関係。
秀吉と茶々の関係は、しっくりいってたのか?
茶々には、他に好きな男性はいなかったのか?
そして、不倫しなかったか?
秀吉を愛していたのか?
どこまで計算が働き、利害、思惑が絡み合ったのか?
さらに、私がもっと興味あるのは、浅野三姉妹の関係。
姉妹の仲はよかったのか?
於茶々と於江は仲良かった、と私は思う。
では、於初と於茶々はどうか?
於江と於初はどうか?
著者の秋山香乃さんは、割とあっさり書かれている。
三姉妹は仲が良かった、と。
(少しもの足りない)
もし、向田邦子さんが書かれたら、時代劇版「阿修羅のごとく」でしょうね。
さらに、桐野夏生さんならどうだろう?
もっと、激しい内容になる予感がする。
なんせ、あの姉妹どろどろ「グロテスク」を著されている方だから。
(うん、読んでみたい、桐野夏生版「於茶々」!)
さて、この巻では、秀吉が没するところで終了する。
次巻では、於茶々孤立無援状態。
周りの利害思惑が入り乱れ、いったいどうなるのか?
於江や於初は、どこまで助けようとするのか?
あるいは、ほっておくのか?
悲劇のエンディングまっしぐら。
【ネット上の紹介】
秀吉自慢の大阪城へ輿入れした於茶々、そのとき十七歳。
秀吉は五十になろうとしていた。
小谷落城で父・浅井長政の死、北之庄落城で母・於市の死を見てきた於茶々は、
その実行者秀吉の妾になることをどう納得したのだろう。
伯父・信長には殺意を抱いた於茶々だが、果して秀吉には──。
史上名高い悪女とされてきた於茶々(淀殿)の視点から豊臣秀吉を描いた、
画期的な長編時代小説。
大好評茶々と戦国武将シリーズ、ファン待望の第2弾!
次回は、いよいよ家康と於茶々の勝負。
桐野夏生さんの傑作「グロテスク」
「アラベスク」山岸凉子(メディアファクトリー)
「アラベスク」完全版が出版された。
(今回出版は第一部2冊で、第二部2冊は5月出版予定)
非常に喜んでいる。
今まで、数え切れないほどのマンガを読んできたが、
読み返し回数のもっとも多いのがこの「アラベスク」。
(読みすぎて、背の糊が割れてばらけてしまった)
新しいのが出たら買いなおそう、と思っていたところ。
さて、「アラベスク」は第一部と第二部に別れている。
第一部:1971年(昭和46年)「りぼん」10月号~1973(昭和48年)4月号まで連載。
第二部:1974年(昭和49年)「花とゆめ」6月創刊号~1975年(昭和50年)22号。
(著者、弱冠21歳~24歳くらいで、この内容を描かれている!)
昔話になるが、私は「りぼん」連載当時を少し覚えている。
例えば、「りぼん」読者お便りコーナーで、集英社りぼん編集部を訪ねた読者が、「アラベスク」の生原稿を見て、あまりの美しさに感激した、と書いていたのを思い出す。
また、「アラベスク」の核心とも言えるのが第二部。
「花とゆめ」創刊号とともに連載開始。
(当時、白泉社なんて聞かない名だったけど、集英社の子会社らしい、と噂を聞いた)
さすがに、雑誌購入は躊躇うものがあり、単行本の段階で購入して読んだ。
第二部は4冊あるが、1冊出るごとに、次の単行本が出るまでに、何度も読み返した。
(現在「テレプシコーラ」は「ダ・ヴィンチ」連載なので助かる。もし、連載が「Cookie」とかだったら買いにくい)
ところで、今回の復刻完全版であるが、当時のカラーページが再現されている。
それだけで嬉しい。
山岸凉子ファンは、即買い、でしょう。
PS
おまけとして、「花とゆめ」での連載経過を記す。
「アラベスク」第二部
↓
「メタモルフォシス伝」
↓
「妖精王」
↓
「日出処の天子」
なお、「メタモルフォシス伝」で、謎の転校生の名前が、蘇我である。
すでに、「日出処の天子」のネタを暖めていたのであろう。
それにしても、「妖精王」の後に「日出処の天子」が連載されたのには驚いた。
当時、飛鳥時代を舞台に聖徳太子を描くなんて、常識を激しく逸脱するから。
よく、編集部がOKしたなぁ。
当時の編集者を褒めてあげたい。
連休如何おすごしでしたか?
私は、毎日読書。
でも、同じ姿勢で固まっているのは身体によくない。
ハイキングに行ってきた。
今回は、五月山。
阪急池田駅から、20分ほど歩くと案内所がある。
案内所→秀望台→五月台→ひょうたん島→さつき橋→池田城跡→池田駅
歩行1時間45分、距離4.5km
資料データは先日購入した「行楽の山歩き」(東京地図出版)より。
どうして、ここを選んだかというと、案内所の横に五月山動物園(無料)があるから。
資料によると、ここにウォンバットがいる、とある。
うん、確かにいた。
ただ、木の穴にかくれて出てこない。
その代わり、ワラビーとエミューが愛想を振りまいてくれた。
ウォンバットはかつてオーストラリアに登りに行った際、アプローチ名がウォンバット通り。
ウォンバットが棲息しているのであろう。
でも、その時は見ることが出来ず、カンガルーさえ出会えなかった。
その時の、無念を少しはらすことが出来た。
いずれ、再訪してウォンバットやカモノハシにも会いたい。
オーストラリア東南部タスマニア島などの低木林や藪地に棲む。樹皮や樹葉、主に草を食べる。ふつう単独行動をするが、夜間、餌を食べに30頭以上もの団体行動をすることがある。前方に開口した育児嚢で子を育てる。子は袋の外で生活するまでに8~9ヶ月程かかる。 |
オーストラリア南東部及びタスマニア島などの丘陵地に棲む。夜行性傾向が強く、昼間は長さ3~9メートルの巣穴に潜んでいる事が多く、草や根・茎を食べる。コアラの近縁種で、後方に開口したした育児嚢を持ち、子はその中で6ヶ月くらいまで過ごす。 |
オーストラリアの多雨林や草原に広く棲む。メスは濃緑色の卵を7~20個産卵すると巣を離れ、オスが抱卵や育雛など、18ヶ月にも及ぶ子育てを行うという習性を持つ。 |
「行楽の山歩き」(東京地図出版)
幕末・新撰組を得意とする著者だけど、戦国ものも書かれている。
それが、お茶々をヒロインとする3部作。
この後、「茶々と秀吉」「茶々と家康」と続く。
さて、物語は於市が浅井長政に嫁ぐところから始まる。
この時、於市22歳。
この当時としては、年増と呼ばれる齢。
(もっと若くして輿入れした、と思っていた)
こういう、思い違いを正されるのも楽しみ。
歴史小説は歴史を変える訳にいかない。
故に、骨子とストーリーは決まっている。
それでも読むのは、知識の確認と演出を楽しみたいから。
浅井長政に輿入れした於市は、ご存じのように娘を産む。
於茶々、於初、於江、の三姉妹。
浅井長政は、長女に初と名前をつけたかったようだ。
でも、信長が茶々と申し入れてきた。
そこで、次女の時に初と改めて名付けた、と。
これも、私が疑問に思っていたこと。
次女なのに、どうして『初』なのか、と。
これで、納得。
さて、最初に書いたように、この「茶々と信長」では、於市の輿入れから始まる。
その後、輿入れ先の浅井長政を信長の命で秀吉が攻め落城。
その時、於茶々六歳、於初五歳、於江一歳。
さらに、柴田勝家への於市の再嫁。
再度、輿入れ先の柴田勝家を秀吉が攻め落城。
これが、最初の落城から10年後のこと。
さて、これからどうなるのか?!
(もちろん、三姉妹の運命は分かっているけど)
次は、いよいよ核心に入っていく。
(ちなみに、私は於江ファン)
【ネット上の紹介】
戦国の世にあって一人合理的な精神を持ちながら、中世特有の残虐性から逃れることのできなかった天才的武将・織田信長。
その信長の懐の内で生きていくしかなかった於茶々。
彼女は、父・浅井長政を伯父である信長に討たれるという運命を受け入れざるを得なかった。
しかし、於茶々は幼くして信長に明確な殺意を抱く。
「信長は妾(わらわ)が殺す」と……。
新選組を中心とする幕末物の傑作を数多く発表し、読者の熱い支持を得た著者が戦国時代に初めて材を採り、情感豊かに描く長編歴史小説。
「ワイルドソウル」垣根涼介(新潮文庫)
おもしろい、一気読み!
上下2巻、1300枚超が短く感じられた。
ブラジルでの移住シーンから始まり、その過酷な現実が詳細に語られる。
これにより、その後の復讐劇が生きてくる。
さらに、後半は犯人、警視庁、公安、TV局、マフィアと思惑が絡み合い、展開が読めない。
その上、犯人・ケイとTVキャスター・貴子との恋愛まで重なる。
そして見事な着地、読後感の良さ。
この作品の優れてる点は、生き生きした魅力的な犯人像。
特に、陽気な犯人・ケイのキャラクター好感度は高い。
女性に弱いケイ、タカビーな貴子との掛け合いは紋切り型だけど、
これが劇画やマンガ世代にかえって受ける。(私にも受けた)
大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、史上初3賞受賞作品。
自信を持ってオススメする。
PS1
以前「ジョーカー・ゲーム」を通勤読書に勧めたけど、これはダメ。
途中で泣けるから。
自宅では、百面相で読んでも気にする必要がない。
でも、公の場所では、誰に表情を見られるか分からない。
ニヤニヤするような内容、涙腺のゆるむ物語は避けたい。
そう言う意味で、ずっと硬い表情で読める「ジョーカー・ゲーム」は通勤読書に最適。
でも、「ワイルドソウル」の導入部は涙腺にダメージを受けるので不適、と思われる。
PS2
この作品は文庫本化されているが、2種類ある。
新潮文庫版と幻冬舎文庫版、である。
私は新潮文庫で読んだが、表紙は幻冬舎文庫の方が良い。
【ネット上の紹介】
一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。
しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。
戦後最大級の愚政“棄民政策”。
その四十数年後、三人の男が東京にいた。
衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。
呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。
外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息詰まる頭脳戦。
ケイに翻弄され、葛藤する貴子だったが、やがては事件に毅然と対峙していく。
未曾有の犯罪計画の末に、彼らがそれぞれ手にしたものとは―?
史上初の三賞受賞を果たし、各紙誌の絶賛を浴びた不朽の名作。
この作家には次の人気作品もある。
いずれ、私も読む予定。
「阿修羅のごとく」向田邦子(文春文庫)
向田邦子ドラマ。
2種類のバージョンがある。
新潮文庫版は、シナリオ形式。
文春文庫版は、小説形式、ノベライズされている。
向田邦子さん自身が小説化されていないのが、残念。
(タイトルの裏に、『放送台本を中野玲子氏が小説化』と、書かれている)
どちらで読むかは好みでしょう。
シナリオ形式だからといって、読みにくいわけではない。
(小説形式は、誰がこのセリフを言ってるのか、分かりづらい箇所もある)
シナリオ形式だと、セリフの上に「誰それ」、と書かれていて分かりやすい。
ところで、この作品TVで見た記憶がある。
八千草薫さんが次女を演じていたのだけ覚えている。
ストーリーはすっかり忘れていた。
今回、読んでもほとんど思い出さず、初見のような感じ。
その方が楽しく読めて良かったけど。
前半より、後半の方がおもしろい。
4人姉妹、それぞれの性格が分かってくるし、大きな事件も起こったりする。
左から、風吹ジュンさん、加藤治子さん、いしだあゆみさん、いちばん右端が八千草薫さん。
(1979年1月にNHK総合「土曜ドラマ 向田邦子シリーズ」で3話放送。続編をパート2として1980年1月~2月に4話放送)
【雑学ネタ】
漫画家・松本零士さんの美女キャラクターは、八千草薫さんがモチーフになっている、と聞く。
【ネット上の紹介】
年老いた父に愛人がいた!四人の娘は対策に大わらわ。
だが、彼女たちもそれぞれ問題を抱えていた。
未亡人の長女は不倫中、
次女は夫の浮気を疑い、
三女は独身の寂しさに心がすさみ、
四女はボクサーの卵と同棲、
そして母は…
肉親の愛憎を描き、家族のあり方を追求してきた著者の到達点ともいうべき力作。
「ジョーカー・ゲーム」柳広司(角川書店)
久しぶりに、硬派な作品を読んだ。
女性はほとんど登場せず。
スパイ小説・・・横浜、上海、ロンドンが舞台。
軍内部の勢力争い、他国との諜報戦。
思想的なものは、あえて排除して、スタイリッシュなスパイ小説となっている。
そこが、人気の秘訣かも。
私も、楽しく読むことが出来た。
ところで、「スパイ小説」、って海外では人気ジャンル。
すぐれた作品が数多く出版されている。
日本でも、熱狂的なスパイ小説ファンがいる様子。
もしかしたら、そんな方にはもの足りないかもれない。
でも、私のような一般読者には、充分面白く感じられた。
「このミス」でも高得点獲得で2位だし。
普段、このようなジャンルを読まない方でも、楽しく読める内容、と思う。
通勤読書にオススメする。
PS
インタビューを読んでいると、この著者、よしながふみさんを読んでおられる。
意外というか、納得というか。
【参考・インタビュー】
http://blog.television.co.jp/entertainment/entnews/2009/09/20090917_06.html
【ネット上の紹介】
結城中佐の発案で陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。
「スパイとは“見えない存在”であること」「殺人及び自死は最悪の選択肢」。
これが、結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。
軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。
だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」―
結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく。
東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。
2009年 第62回 日本推理作家協会賞受賞
2009年 第30回 吉川英治文学新人賞受賞
この著者は、異色というか、マニアックなミステリを書かれてますね。
残念ながら、私は未読。いずれ読んでみたい、と思っている。
よしなが作品を代表する3作品。どれも秀逸。
私は、こちらの2作も好き。
さて、ブログ型式に変更して1ヶ月。
いかがでしょうか?
怒ってませんか?
「クライミング情報が全然無い」、とか。
「読書のことばかりじゃないか」、とか。
こればかりは仕方ない。
読書ネタは、無尽蔵だけど、
クライミング・ネタは無理に絞り出してるので。
まことに申し訳ない。
過去、何度も閉鎖しよう、と思ったけど、何とか続けている。
なぜかというと、時たま『寄稿文』をいただくから。
そんな時、「HPを運営していてよかった」、と感じる。
(私自身も、たま~に「お出かけ」してレポートを発表しますし)
そんな訳で、皆さんもお出かけしたら、レポートよろしく。
珍しい場所や、印象深いルートを登った時とか、特に歓迎。
さて、2/21に、肩が痛い、激痛で困った、と書いたが、約2週間で治った。
特に、積極的な治療はせず、クライミングを休んでいただけ。
(ハイキングは少ししたけど)
なんとか、治ったので喜んでいる。
さて、今日はナカガイジム・高槻店に行ってきた。
今回は、訪問2回目。
身体の調子を見るため、前回同様、ボルダーサーキットをトライした。
ただし、本数が増えていたので、前回より疲れた。
結果、以下のとおり。
■黄色テープ。
①~⑰・・・7本増えていた。(6番が難しく感じられた)
■白テープ(黒文字)
①~⑮・・・5本増えていた。黄色に比べて、格段に難しい。(6番が難しい)
■青テープ
①~⑮・・・5本増えていた。さらに難しい。
黄色テープ、白テープで疲れてしまって、さっぱりダメ。半分近くが宿題となった。
最後は、指が痛くなって、トライする気力もなくなる。
以上、こんな感じ。
比較のため、前回訪問、1月24日の記録を読み返した。
その時の、私の【覚書】を下記に再録する。
先日、新しくオープンしたナカガイジム・高槻店に行ってきた。
トライした内容は・・・
黄テープ10本
白テープ10本
青テープ10本
以上、30本登った。
約2ヶ月前のことだけど、なかなか元気ですね。
青テープも10本すべて登っているし。
全部で30本登っている。
ちなみに今回の成績。
黄テープ・・・17本
白テープ・・・15本
青テープ・・・8本
以上、合計40本。
・・・本数は前回より増えてるけど、青テープの本数は減少している。
全体に、前回より難しく感じたし、スタミナも無い。
(ちょっと、ヘコんでいる)
「維持」さへ難しい、今日この頃。
頑張りたい。(ファイト!)
「失恋延長戦」山本幸久(祥伝社)
先日、山本幸久さんの新刊を読んだばかりだけど、早くも次の新刊が出版された。
さっそく読んでみた。
今までにない内容。
主人公は真由子、16歳から21歳までの成長を描いている。
他の作家で言えば、「永遠の出口」(森絵都)、「グラデーション」(永井するみ)に相当する作品。
佐藤多佳子さんだったら、「黄色い目の魚」か?
でも、「永遠の出口」、とかだったら、自伝的な作品、と言ってもいいだろうけど、この作品、山本幸久さんだから。
ここまで思春期の女の子の心理を描写していいの、って思った。
(見事すぎる)
最初に書いたけど、今までにない雰囲気。
もうほとんど、「夜の朝顔」「檸檬のころ」、ですよ。
まったくもって、豊島ミホさんの世界。
もし、表紙の著者名を豊島ミホとしたら、信じたかも。
もう、お見事、としか言いようがない。
PS
最後の章は、ほとんど「反則」でしょう。
もう、涙、涙。
上記作品、どれも名作、ハズレなし。
まさか、山本幸久さんが豊島ミホさんに変異するとは思わなかった。
青春小説の白眉。
私は、豊島ミホ作品の中で、これが一番好き。
「『怖い絵』で人間を読む」中野京子(日本放送出版協会)
皆さん、『NHK知る楽』観てますか?
これは、その放送のテキスト。
番組は時間に制限があるので、一部しか取り上げていない。
(その代わり、大画面で画像が映し出されて迫力だけど)
こちらのテキストを読むと、さらに楽しめる。
さらにもの足りない方は、単行本「怖い絵」(1)~(3)や、
「危険な世界史」「ハプスブルク家12の物語」を読むとよいでしょう。
以下、私が興味深く感じたことを書いてみる。
第五章「見たこともない風景」・・・風景画の誕生について書かれている。
西洋絵画で純粋に「風景」が主題となるのは、かなり時代が下がってからのことです。中世の半ばすぎまで、人々にとって圧倒的にリアリティがあったのは、神や悪魔の存在でした。しかも当時の教会は、自然を、やがては消滅する物質と見做し、永遠不滅の神に対置させます。そのため人々は、風景を愛でることと肉の快楽に耽ることを似た行為のように思い、罪悪感すら持たされました。
中世後期になり、自然もまた神の創造物であるとの認識が生まれて、やっと目の前の風景が再発見されます。次第に絵の中に精密な風景が登場してきますが、とはいえそれはあくまでも背景としての自然でした。本当の意味で風景が主役になるのはルネサンス以降、さらに絵画の一分野として市民権を得るのは、もっと後の十六世紀後半になってからです。
(中略)
しかしどちらにせよ、十七世紀のアカデミーは「風景画」に冷淡でした。
ジャンルのヒエラルキーの頂点には、神話や宗教を含む「歴史画」が不動のものとしてあり、「風景画」は「静物画」や「風俗画」とともに劣った存在と見做されたのです。
以上、長い引用でしたが、どう感じました。
私はクライマーだけど、元・山ヤなので、山のことを考えた。
どうして、日本人は山に神が住むと考え、西洋人は悪魔が住むと考えたのか?
(ブロッケンの例を考えると分かりやすい。日本人は阿弥陀如来が姿を現したと考え、西洋人は妖怪あるいは怪物と考えた)
また、どうして西洋登山史の始まりは遅かったのか?
(ヨーロッパ・アルプスの最高峰モン・ブランが初登頂されたのは1786年、マッターホルンの初登頂は1865年)
こういった疑問に答えてくれる文章、と私は考える。
でも、モーセは十戒をシナイ山で神から授かっている。
(このあたりの矛盾、どなたか教えて)
また、紀元前218年、ハンニバル将軍は兵と象を率いてアルプス・ピレネー山脈を越えている、ってのも興味深い。
私の山知識レベルは低い・・・山関連の読書も必要ですね。
(気が向いたら、ぼちぼち読んでみようか)
さて、山の話はここまで。
次に、私が「おっ」、と思ったのは、アンヌ・ドートリッシュがハプスブルク家出身、と知ったこと。
恥ずかしながら、私はアンヌ王妃は純粋なスペイン人、と思っていた。
(これで、「三銃士」ファン、と言えるだろうか?)
私のイメージでは、アンヌ王妃、黒髪だった。
違っていたんですね。
(ネットで調べたら、Anne d'Autriche=オーストリアのアンヌと言う意味だった)
最後に、興味深かったことをもうひとつ。
TV画面を見ていて、プラド美術館で「ラス・メニーナス」の前に人だかりがしているシーン。
「ラス・メニーナス」は門外不出、とのこと。
(そうなのか!)
もし、スペインに行くことがあれば、バルセロナじゃなく、マドリッド経由にして、プラド美術館を訪問しようかな、と思った。
以上、とりとめもない覚書でスマン。
「日本人だけが知らない日本人のうわさ」石井光太(光文社新書)
石井光太さん、最新刊。
(この方の作品、すべて読んでいる・・・と言っても4冊だけだけど)
今回は、少し軽いめ。
世界で流布する日本と日本人の噂を集めてある。
また、同時にデータも併録されていて、これも楽しめる趣向になっている。
例えば、タイ人売春婦やフィリピン人売春婦の間では、日本人はサディストが多い、って噂。
彼女たちの間では、日本人が大きな鞄を持っていたら、要注意、と言われている。
ムチや蝋燭や首輪を詰め込んでいるから、と。
(いったい、どうしてそんな噂が広まってしまったのか?)
同時に、次のようなデータも併録されていている。
【年間のセックス頻度】
1位 フランス 137回
2位 ギリシャ 133回
3位 ハンガリー 131回
アメリカ15位、イタリア19位、ドイツ30位、
ちなみに、日本 41位 46回。(世界平均103回)
日本人、って淡泊なんだろうか?
しかし、次の統計データがある。
【セックスパートナーが多い国】
1位 中国 19.3人
2位 ブラジル 15.2人
3位 日本 12.7人
(意外と、日本は上位だ)
【強姦事件発生率】(10万人中)
日本 1.78件
韓国 12.98件
アメリカ 78.08件
南アフリカ 123.85件
(ワールドカップに行かれる方、ご注意!)
第三章「反日感情」も興味深い。
私も海外に時たま出かけるので、言動に注意したい。
日章旗を焼くくらいで収まらず、暴動に発展するケースもある。
海外に行く際は、時事ニュースに注意を払い、その国の文化も調べる必要有り。
さて、新書1冊、興味深い噂が満載。
笑えるネタもあれば、笑って済まされないものもある。
たかが噂、されど噂、である。
↑石井光太さんの作品群、どれも内容が濃い。