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「毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ」上野千鶴子/信田さよ子/北原みのり

2014年02月25日 22時03分39秒 | 読書(犯罪)

「毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ」上野千鶴子/信田さよ子/北原みのり

3人の毒婦による毒舌トークだから、「毒婦たち」・・・と言う訳ではない。
木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香・・・と言った、『毒婦』をテーマに鼎談するから、このタイトルとなっただけ。
いたってシンプル。
しかし、内容は濃い。

P10
北原 佳苗は1974年生まれで、逮捕時は34歳ですから、援助交際の走りの世代なんですよ。

P19
上野 (前略)昔は女には素人と玄人がいたのよ。信じられないよね、「玄人の女」って何なんだよ(笑)。そして、援交世代がその玄人と素人のボーダーラインを溶かしたから、佳苗は「溶けた後」の世代ということになる(後略)

P25
信田 私が1番面白かったのは、佳苗と付き合った男性は小さかったっていう話。・・・・・・あ、身長がですよ!
上野 はいはい(笑)。
北原 わかってますよ。もう、下ネタはやめてください(笑)。

P27
信田 こう言っちゃなんですけど、彼女が美人でなかったから、男たちは上から目線になれたし、つまり無防備になれた。美しい人がいいっていうのは、世の中がつくった神話ですからね。

P28
信田 男はギャップに弱いですからね。とっても頭がいい女なのに、馬鹿みたいなふりをするとか、とってもブスなのに高姿勢であるとかね。
上野 童顔に巨乳とかね。

P84
北原 角田って、連合赤軍の事件と重なりませんか。

P194
トラウマを受けることで生まれる影響は、大ざっぱだが自分を責めて自傷的になるか、他者への攻撃に向かうかに、二分される。

PS1
かつて、木嶋佳苗の事件が起こったときに2冊ノンフィクションが出た。

①佐野眞一氏の「海から来た女 木嶋佳苗悪魔祓いの百日裁判 」
②北原みのりさんの「毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記 」

・・・2冊とも気になったが、機を逸して、未読となっている。
佐野眞一氏は高名なノンフィクション作家だが、この作品に関しては評判が悪いので、
この機会に、北原みのり作品の方を読んでみよう、と思う。

PS2
3人は普段から親しくて、よく話をするのだろうか?
ほぼ同じ考えを根底として共有する、女子会の雰囲気。
だから、異なる考えの男性が参加したら、どうなるのだろう?
そんな勇気のある方はいない・・・か?

PS3
信田さよ子さんが昭和21年生まれ、
上野千鶴子さんが昭和23年生まれ、
二人とも、その道の大家、である。
北原みのりさんは昭和45年生まれなので20歳以上年下、となる。
それにもかかわらず、引けを取らないと言うか、遜色がないのは立派。

【おまけ】
信田さよ子さんと上野千鶴子さん、仲が良い、と分かった。
それだけでも、今回の読書は「収穫あり」、である。

【参考リンク】1
「毒婦。」木嶋佳苗トークその3.
「毒婦。」木嶋佳苗トークその2.二股したこと、ありますか?
「毒婦。」木嶋佳苗のこと。その1

【参考リンク】2
上野千鶴子研究室 | WAN:Women's Action Network

【参考リンク】3
原宿カウンセリングセンター
信田さよ子ブログ

【鼎談・メンバー】
上野 千鶴子 (ウエノ チズコ)  
1948年、富山県生まれ。社会学者、立命館大学特別招聘教授、東京大学名誉教授。認定NPO法人WAN(ウィメンズアクションネットワーク)理事長。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア
信田 さよ子 (ノブタ サヨコ)  
1946年、岐阜県生まれ。臨床心理士、原宿カウンセリングセンター所長。アルコール依存症、摂食障害、DV、子ども虐待などを専門とするほか、母娘問題の第一人者
北原 みのり (キタハラ ミノリ)  
1970年、神奈川県生まれ。コラムニスト、女性のためのセックストーイショップ「ラブピースクラブ」代表。時事問題から普遍的テーマまでをジェンター視点で考察した寄稿・連載多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

【ネット上の紹介】
「東電OL」、木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香…etc彼女たちはなぜ殺し、殺されたのか?女たちが語る“女の殺人事件”。

【目次】
第1部 東電OLと木嶋佳苗のあいだ(彼女の事件に惹かれた理由;木嶋佳苗と「東電OL」の共通点;女目線で事件を語る ほか);第2部 女はケアで男を殺す(支配する女―角田美代子;角田のサティアン;脅しの社会 ほか);第3部 性と女たち(彼女たちは傷ついていたか;性的な居場所;リベンジのその先 ほか)
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