【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「龍王山をめぐる信仰と人々」

2015年11月30日 21時17分41秒 | お出かけ

「龍王山をめぐる信仰と人々」ポスター 
文化財資料館にいってきた。
テーマ展「龍王山をめぐる信仰と人々‐山岳寺院の軌跡‐」が開催されている。
竜王山には時々登るので、興味深いテーマ展だ。 

【クイズ】・・・これに答えると『竜王山・どんぐりストラップ』がもらえる。
Q1:忍頂寺をつくったお坊さんの名前は?
Q2:宝池寺(ほうちじ)に伝わっている骨は何の骨?
Q3:織田信長の朱印状の印鑑には何と書いてあるか?
Q4:戦国時代に、茨木の山間部をおさめた人は誰?
Q5:熊野十二所権現立像のなかで、一体だけ他とちがった様子のものは、左から何番目?
Q6:大門寺は何番目の札所か?

【答え】
1,三澄(さんちょう)
2,竜の骨
3,天下布武(てんかふぶ)
4,高山右近
5,2番目
6,五十番(江戸時代中頃に摂津国八十八箇所霊場が設定された)

【以下、ネット上の説明】 
 淀川の北に広がる三島平野を奥に進むと、なだらかな丘陵地帯を経て、山々が連なる北摂山地に至ります。なかでも、標高510mの竜王山は流麗な山容を誇っており、この竜王山を中心に山への信仰が古代以来続いています。また、信仰とともに、仏教美術や文化を今に伝えています。
 今回の展示では、竜王山と関連が深い、忍頂寺および大門寺などの山岳寺院をとりあげます。初公開となる織田信長朱印状(「天下布武」印)や関連する仏像などを展示することで、竜王山をめぐる信仰と人々にスポットをあてます。
文化財資料館 
【参考】
駐車場は文化財資料館の裏にあり、3台ほど駐められる。

【リンク】
文化財資料館


もんじゅ漂流

2015年11月27日 21時24分22秒 | 読書(現代事情)

『もんじゅ漂流20年』2015年11月21日朝日新聞記事
高村薫さんのコメント。

走り出したら止まらない。
なぜか。
日本の官僚機構には事業を評価し責任を取るシステムがないからです。

事故から4年以上たつのに汚染水の処理すらできていない。そんな現実が私たちに突きつけているのは、原子力という技術は人間の手に余るということです。

技術と人間の身体感覚の関係でここまでならなんとかなる、という限界を超えてしまった怖さがあります。


「わたしが外人だったころ」鶴見俊輔/文 佐々木マキ/絵

2015年11月26日 21時25分14秒 | 読書(エッセイ&コラム)

たくさんのふしぎ傑作集<br> わたしが外人だったころ 
「わたしが外人だったころ」鶴見俊輔/文 佐々木マキ/絵

鶴見俊輔さんが学生の時に太平洋戦争が始まる。
当時、ハーバード大学に留学中。

P10
ある夕方、わたしが下宿していた屋根うら部屋に、3人の刑事が入ってきて、わたしを警察本部へつれてゆきました。
(正確には連邦警察FBI本部、である)

鶴見俊輔さんは、獄中で卒業論文を書き上げる。
そして、交換船で日本に帰る決心をする。

P21
 わたしは、アメリカの政府に命令されて、交換船にのったのではありません。
「日本とのあいだに交換船が出るが、それに乗りますか?のりませんか?」
 と、ひとり、ひとり、役人の前によびだされて、たずねられたのです。
 日本が戦争に負ける時、負ける国にいたいという思いが、つよくわたしの心の中にうごきました。

P38
 わたしは、アメリカにいた時、外人でした。戦争中の日本にもどると、日本人を外人と感じて毎日すごしました。それでは、日本人のなかで外人として生きていたことになります。今は、わたしは外人ではないのか。

【ネット上の紹介】
戦時中アメリカで過ごした日々を振り返り、「きみも、わたしも。ほんとは外人じゃないか?」と問いかける。


「シンデレラの告白」櫻部由美子

2015年11月24日 23時14分19秒 | 読書(小説/日本)

シンデレラの告白 
「シンデレラの告白」櫻部由美子

各地で魔女裁判が行われた15世紀末、社交界ではシンデレラを名乗る美女が話題となり、
時を同じくして貴族たちの不審死が相次ぐ……。
このような紹介文を読むと、それだけでわくわくして読みたくなる。

本作品は「当たり」、である。
すごく面白かった。
中世ヨーロッパの世界がいきいきと表現されている。
それだけでも、読んで良かった、と思える。

寡婦となったティナ夫人、その2人の娘たち。
彼女たちが、田舎を出て、大都市ルテシアに出てくるところから物語が始まる。
そこに、「シンデレラ」と名乗る謎の美女・・・彼女は本当にシンデレラなのか?
おとぎ話が好きな方は、読んでみて。
継母、ガラスの靴、カボチャの馬車、といった必須アイテム、と言うか、オマージュがちりばめられている。

今回、新たな才能の誕生に立ち会った気分。
早くも、次作を待っている。

【推測】
ルテシア=パリ、と思う。
なぜなら、ラテン語でLutecia=フランス、だから。
じゃあ、なぜ「サンドリヨン(Cendrillon)」としないのか?
おそらく、一般的な知名度の問題でしょう。

【参考】
中沢新一氏によると、『シンデレラは人類的な神話である』、と。
講談社選書メチエ<br> 人類最古の哲学―カイエ・ソバージュ〈1〉 

【蛇足】
登場人物たちを、もう少しキャラ立ちさせても良かった、ように思う。
少し、ストーリー中心に回しすぎたような・・・。
著者が、荻原規子さんのように、魅力的な作品を多数著せる作家として成長してほしい。

【ネット上の紹介】
教皇の勅書に従い、各地で魔女裁判が行われた15世紀末。寡婦となったティナ夫人は、住み慣れたハイデンの荘園を出て大都市ルテシアへと向かう。「ハイデンの鬼姉妹」とあだ名されるほどの醜女ながら、誰よりも強く優しい心の持ち主である二人の娘たちとともに――。ルテシアでは、彼女を妻に迎えたいという謎めいた商人と、病に伏す幼い娘が夫人の到着を心待ちにしていた。そのころ、社交界ではシンデレラを名乗る美女が話題となり、時を同じくして貴族たちの不審死が相次ぐ……。女の幸せが器量に大きく左右された時代。本当の幸せと美しさを問う、ファンタジックミステリー。


ポンポン山

2015年11月23日 20時59分30秒 | 登山&アウトドア(関西)

ポンポン山に登ってきた。

山頂では誰も居なかった

少し紅葉していた

登山口の柿

【蛇足】
山頂では誰も居なかった・・・嬉しくなって、珍しく山頂で食事を摂ることにした。
すると、トレイルランニングの人たちがやってきて、一気に賑やかに。
私は、(関わり合いになりたくないので)荷物をパッキングして立ち去ることにする。
慌てたせいで、パンを落として泥だらけに。
拾っていると、追い打ちをかけるように、「写真を撮ってもらえませんか」、と。
(気分はサイテー)
食事なんて摂るんじゃなかった。


「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛

2015年11月22日 20時20分12秒 | 読書(宗教)

朝日文庫<br> 梅原猛、日本仏教をゆく 
「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛

梅原猛さんによる、日本仏教者列伝。
・・・その知識と思索に圧倒される。

P27
 弥生人が平地を占領して国をつくったとしたならば、土着の縄文人はどこへ逃げるか。それは当然山である。若き柳田国男が『遠野物語』で描いた、里人を驚嘆せしめる山人の文化はこのような山に逃げた縄文人の文化とみてよい。葛城山は『古事記』にあるように、大和に侵入した神武天皇の軍隊に対する粘り強い抵抗者の住む山であった。それが土蜘蛛とよばれ、胴体に対して手足が長い人間を指すといわれるが、自然人類学者の埴原和郎氏によると、縄文人は弥生人と比べて胴体が短く、手足が長かった古モンゴロイドに属する人間であるという。

P109
私は、法然が哲学者であったのに対して、親鸞は詩人であったと思う。

P175
イエスなくしてパウロはないが、パウロなくして今日のキリスト教はなかった。新約聖書にしても、そのもっとも重要な部分は四つのイエス伝と多くのパウロの手紙である。
 親鸞は東国で布教したが、その弟子はせいぜい数百にすぎなかった。しかし蓮如が死んだとき、浄土真宗の信者は数万、数十万に及んだ。(中略)
親鸞をイエス=キリストにたとえれば、蓮如はパウロにあたる。

P177
蓮如は85歳まで生きた
蓮如は5人の妻との間に27人の子をもうけたが、妻はいずれも前妻の死後に妻となったものであるといわれる。彼の死後、多くの子供たちも争いを起こすことなく、協力して真宗教団の発展を助けた。(絶倫もすごいが、相続争いのような事が起きなかったのも驚く・・・穏和な女性を選んで、子供の教育もしっかりした、ということか?絶倫と組織拡大能力の相関関係は?)

【ネット上の紹介】
日本人はなぜ仏教に惹かれるのか?聖徳太子、空海、親鸞、日蓮から西行、千利休、一休、良寛、宮沢賢治まで。42人の仏教者に日本人の心の歴史を探った、著者ならではの力作。週刊朝日百科「仏教を歩く」好評連載の単行本化。
1 仏教の伝来
2 神と仏の融合
3 仏教の革命
4 仏教と芸術
5 禅の展開
6 近代の仏教者


嵐山・いわたやま

2015年11月21日 21時58分05秒 | 登山&アウトドア(関西)

嵐山に行ってきた。
『いわたやま』に登るためである。

せっかく来たので、渡月橋くらい渡っておこうと思ったが、人が多いのでやめた

いわたやま=モンキーパーク、である

平成28年は申年・・・早くも来年の気分を味わった!

それにしても、気持ちよさそう

山頂で動物を見ていると、心がなごむ

私の親戚が、昔ここで、屋形船の船頭さんをしていたらしい(農閑期の現金収入か?)
母親が子供の時に自転車で遊びに行ったら、無料で乗せてもらった、と。

向こうに見える巨大チョコレートは、明治製菓の看板・・・阪急富田と高槻の間にある

【参考リンク】
モンキーパークいわたやま


「freefan72」JFAつづき

2015年11月20日 23時14分44秒 | 読書(山関係)

JFAの「freefan72号」つづき

もうひとつ、興味深い特集があった。
「クライマーのための岩場で使える英会話集」
海外に登りに出かける方には便利、かと思う。

P25
We're also gonna warm up with this route.
I'll clean your quickdraws.
(俺らもアップするからヌンチャクの回収はするよ)

海外に行くなら、“ヌンチャク”はquickdraw、これくらい知っておく必要がある。
回収する=clean、これは受験英語レベルでは、思いつかない。
私なら、 take them away, removeくらいしか考え付かない。
同じルートを現地の方と一緒にトライする時があれば、自分のヌンチャクだと回収してもらう必要がある。(あるいは、逆に回収してあげる時もあるかも)
でも、突然外人に“clean”とか言われたら、思わずホールドを掃除するかもね。

P26
How many bolts are there?
(ボルトは何本ですか?)
There are 12 bolts on the way, and the anchor is a ring.
(中韓ボルトが12本で、終了点は結び替えだよ)
終了点=anchor、これも覚えておきたい。
たまに、外人にボルト数を聞かれるときがあるかも。
I will belay you.
(ビレイするよ)
I'm flaking out a rope. The knot checked! Do you have me?
(ロープ良し!結び目良し!確保はいいですか?)
確保=have、この単語も(私は)出てこない
I've got you.(ビレイ準備良し!)
Climbing!(では登りまーす)
Climb on!(オーケー)

P28
Let me crip on to the next bolt. I took a self belay.Give me some slack.
(ちょっと上の支点にロープかけます。セルフビレイはとりました。ロープをください)
All right, slack.(オーライ)
Mike, I will try the whole sequence of this crux once more. Then let me down all the way. I will try for the Redpoint after taking a rest.(マイク、核心のムーブが終わるまでつなげてみます。その後いったん降りてRPトライします)
海外には日本人どうしで行くから、現地の人にビレイしてもらったり、逆に、現地の人をビレイすることは、めったにない。
でも、何かの拍子に、ありうるかもしれない。「テンション」=“take”、「ゆるめる」=slack、は基本用語。
外人ペアのトライを見ていると、核心部(crux)で“take”と言っている。

P22を見ると、次のように書かれている。
企画:JFA理事一同 挿絵:柘植求
構成:平野直子(千葉フリークライミング協会)
監修:川口優作・榎戸雄一

さらに、スペイン編、フランス編、ドイツ編、イタリア編、と続けほしい。
でも、難しいでしょうね。
海外に行って最初に覚えるのが、フォールしたときの地元の方が発する罵倒放送禁止用語。
実践で役立つのは、スーパーのレジの方が言う「数字」を聞き取る「耳」。


「freefan72」JFA

2015年11月19日 21時37分28秒 | 読書(山関係)

最新号表紙
「freefan72」JFA

先週送られてきたfreefan最新号。
今回の目玉は熊野にある『神須ノ鼻』。
とても立派な岩である。
このような岩がまだ残っていたのか、と驚いた。

記事を読むと、道旗さんが見つけて、仲間達と開拓したようだ。
若者に負けず頑張っているようで、感心した。
(でも、怪我には気をつけてね)

【目次】

  • JFA協賛会員のご紹介
  • [特集]Brand New Area Guide
    三重県・熊野市 神須ノ鼻
    トラッドクライミング天国 
     [文と写真:大藪皓平 構成:井上大助
     写真:道旗秀人、小澤高範、相川創、小峰直城]
  • [語学]クライマーのための岩場で使える英会話集 
     [企画:JFA理事会 構成:平野直子(CFA)
     監修:川口優作、榎戸雄一 挿絵:柘植 求]
  • [連載] MADE IN JAPAN
    「pamo」 柴田朋紀 
    [聞き手・写真:藤枝隆介]
  • [ローカルレポート] 2015年4月~2015年9月

    [構成:宮脇岳雄、北岡和義、井上大助、小川郁代]

    • 各地のリボルト報告
      函館(北海道)、三崎海岸(秋田/山形)、有笠山(群馬)、小川山(長野)、椿岩(三重)
      小豆島(香川)、 八面山(大分)、日向神(福岡)、四阿屋(佐賀)野岳(長崎)
    • 各地の清掃イベント報告
      大倉ボルダー(宮城)、御手洗(奈良)、こうもり谷(兵庫)、備中(岡山)、下帝釈峡(広島)
    • 岩手花巻 のぞき石公開イベント
    • 小川山クライムオン2015報告
    • 香落渓遭難対策訓練レポート
  • [連載]ローカル強強クライマー列伝5 -特別追悼編-
      白水 高宏 [文:本 武史、竹内真史 写真提供:中冨珠己 ほか]

「おひとりさまの老後」上野千鶴子

2015年11月18日 22時18分28秒 | 読書(介護/終活)


「おひとりさまの老後」上野千鶴子

気になるテーマ。
何年か後の切実な問題、である。

P40
データをみると、結婚の好きなひとはこりずに結婚を何度もくりかえし、結婚しないひとはずーっと結婚しない、という傾向があるからだ。

P65
 往年のケア付き有料老人ホームは、結局、中流以上の階層のひとびとの世間体のよい“姥捨て山”の役割を果たしたと思う。

P106
友人をつくるには努力もいるし、メンテナンスもいる。

P109
ときどき集まっては食事をともにするが、自分の自慢話ばかりするひとや、他人の過去を詮索するひと、説教癖のあるひとなどは、その場ではにこにこ合わせているものの、次回からさりげなくはずされている。(自慢、詮索、説教・・・この3つは要注意、私も気をつけたい)

P120-122
元気のいい男ならそいつの自慢話を、元気のない男ならそいつのグチを聞かされるはめになる。(う~ん、愚痴もダメだ!いよいよ話すことがなくなってきたぞ!)

P135
アウトドアの楽しみの理由のひとつは、わたしを受けいれてくれる大自然があること。もっと正確にいえば、人間を受けいれるでも受けいれないでもなく、ただ自然がそこにある、という圧倒的な事実に接することだ。

P137
人間が「こわれもの」であることをわかるようになったのが、年齢の効果だろうか。「こわれもの」だから「こわれもの」のように扱わなければならないと思うようになったのだ。それも、ずいぶんたくさんこわしたあとのことだ。

P181
両親を看とってつくづく思ったのは、人間のような大型動物はゆっくり死ぬということ。

P206
丁寧語は、相手との距離を置く技法である。丁寧語を使いつづけるかぎり、「わたしはあなたとの距離を詰めるつもりはありませんよ」というメッセージが伝わる。これを社会学の用語で「儀礼的距離化」という。ラッシュアワーの満員電車でカラダを密着させた相手とは目をそらすとか、ホントはまるみえなのに見てみないふりをする結界とかは、この儀礼的距離化の例である。

P245
ひとりでいることのつらさと、ひとりでいさせてもらえないつらさとは、どちらがつらいか。ストレスもトラブルも人間関係からくる。ひとりでいることが基本なら、心は平安でいられる。

【ネット上の紹介】
結婚していようがいまいが、世界一長生きの日本女性は、最後は「おひとりさま」になる(確率が高い)。 そこで、元気なうちに、セーフティネットを準備し、予備知識を得ておこう、というのが、この本の狙いだ。著者である東大教授の上野千鶴子さんも、おひとりさまの一人。「どうすれば安心して老いと付き合っていけるか、そして心おきなく死ねるか」を問いながら、その心構えや覚悟、今の社会に必要な情報やハイテクの現代ならではの便利なツールまで、幅広く先達や専門家の意見なども交えて紹介。住まいやお金、どんな介護や医療を受けて、最期は誰に何を遺し、どう終わるか。 社会学者の視点で、「老い」のさまざまな問題点も浮き彫りにしながら、自身の問題としても考察する。 上野教授、久々の書き下ろしである。

【目次】
第1章 ようこそ、シングルライフへ
第2章 どこでどう暮らすか
第3章 だれとどうつきあうか
第4章 おカネはどうするか
第5章 どんな介護を受けるか
第6章 どんなふうに「終わる」か 


「安全BOOK4」JFA

2015年11月17日 21時35分16秒 | 読書(山関係)

安全BOOK4 表紙

“安全ブック4”(2015年11月発行)

様々な事故例が掲載されている。
避けられる事故もあれば、不可避な事故もある。
読んでいて、「これって事故?」、ってな例もある。
少なからずある。

普通にムーブを起こしていて、怪我をしたり、故障したり。
それでも支払われている。
日常にない動作をするからであろう。
アプローチで転んで怪我をしている。
クライミングで疲労困憊して、足下がおろそかになるのであろう。
保険が適用されるなら、ありがたいことだ。

クライミング界全体も高齢化の波が押し寄せている。
私も若くない。
気をつけて、慎重に行動したい。

【覚書】
11月12日、郵便局から来年H28年度分JFA会費¥3000円を支払った。
本日11月17日、会員証が届いた。
素早い対応である、感心した。

【目次】

  • クライミングを楽しむすべての方へ
  • クライミングは危険をともなうスポーツです
  • オウンリスク=自己責任の原則
  • 事故例(2015年版)
    過去のクライミング事故例から学ぶ
  • ロープクライミング前の簡単なギアチェック
  • 8の字結びの基本
  • アプローチ困難な岩場へのアクセス方法
  • 岩場での終了点の使い方
  • ボルダリング
    「安全」+「スポット」+「ルール、マナー」
  • 全国アクセス問題エリア一覧
    2015
  • トイレを携帯してみよう
  • アクセス問題
    自分たちのフィールドを守るために
  • 国立公園について学ぼう
  • JFA入会&更新のお願い
  • JFA会員特典協力店一覧
  • がんばれのぼる君/編集後記
  • JFA団体保険のご案内

「コリアン世界の旅」野村進

2015年11月16日 22時33分45秒 | 読書(韓国)


「コリアン世界の旅」野村進

大宅壮一ノンフィクション賞・講談社ノンフィクション賞ダブル受賞作品。
ずっと気になっていた作品。
今さら、と言われるかもしれないが、読んでよかった。
レベルが高く、面白かった。
次の3章からなる。

1 コリアンとは誰か
2 コリアン世界の旅
3 コリアン 終わりと始まり

第2章が特に面白い。
アメリカ、ベトナム、韓国での取材。
私は以前から、ロサンゼルス暴動で、なぜ韓国人商店街がターゲットになったのか?、と言う疑問を持っていた。
100%ではないが、回答を得られた。

1992ロサンゼルス暴動について、チェ・ソンホ氏の証言
P187
「ロドニー・キング事件の評決があったのが、1992年4月29日の2時半頃だったよね。そのニュースを、俺、知らなかったんだよ。そしたら、向かいの黒人のおじいちゃんが、『なんか大変なことになりそうだから、早く店を閉めたほうがいいよ』って言いにきてくれたんだ。(後略)」

ミドルマン・マイノリティとしてのコリアン
P192
 移民としては後発組でも、教育程度や経済水準が高い彼らは、必然的に白人と黒人・ヒスパニックとのあいだに組み込まれることになった。
(中略)
ヨーロッパのユダヤ人や東南アジアの華人、東アフリカのインド人などが、しばしばこの範疇に属し、支配層と従属層との橋渡しや緩衝役を果たす反面、攻撃対象やスケープゴートにされやすい不安定な存在であることも指摘されてきた。

「謀略説」も根強くある
P197
いわく、ユダヤ資本の大手チェーン・ストアが、韓国人商店から顧客を奪い返すために仕組んだのだ。いわく、火付け役となって暴れた黒人ギャングたちは、白人からカネをもらっていた。

なぜアメリカに移民したのか?
P189-190
 朝鮮戦争――、この日本では忘れられかけている戦争が朝鮮半島の人々にもたらした惨禍は、日本の敗戦直後の比ではなかった。家族も財産も生きる場所も失い、民族全体が難民化したと言っても過言ではない。アメリカは戦争の一方の当事者だったのだが、韓国人の目には食料や物資を惜しみなく与えてくれる“救世主”と映った。かつての支配者・日本とは、天と地ほども違うではないか、と。『美国(あめりか)幻想』がこのとき醸成され、韓国国民のあいだに広がっていく。

1992ロサンゼルス暴動以外でも、興味深い話が盛りだくさん。
済州島出身の韓国人の話
P311
 「朝鮮の地域差別は、日本人にはちょっとわからないと思うくらいひどいんですよ。『陸地』でも慶尚道の人間は全羅道の人間を差別するけれど、それは『人間として』差別するんでね。慶尚道の人間も全羅道の人間も、済州島の人間を人間扱いしなかった。牛や豚の同類として差別したんです。済州島ではむかし人糞をえさにして豚を飼っていたから、僕らは『くそブタ』と呼ばれていたんですよ」

現在、日本にいるコリアンたちは、強制的に連れてこられたのか?
P321
 次の二点を明記しておきたい。強制連行された朝鮮人のほとんどは、戦後まもなく日本政府の計画送還で帰国していること。在日一世の大半は、戦前から日本に住みつづけているか、戦後、密航で来たかのどちらかであるということ。

高史明の言葉
P373
旧ユーゴスラビアの民族紛争などを見ても、民族の熱い絆そのものが、導火線の役割を果たすようになってしまったというのである。
「血のつながりだけで人間の連帯を説いても、現代の世界に出口は見えないわけですよ。逆に、血のつながりが人間の存在そのものを脅かしかねないようになってきているのが、いま人類が直面している重い課題だと思います」

我々・・・というか私は、あまりに隣国について知識がなさ過ぎた。
大変勉強になった。
私が今まで読んだノンフィクション作品の中でも、屈指の面白さ、と思う。

【ネット上の作品】
日本に住む韓国・朝鮮系の人々が、なぜ日本人の目に「見えない」存在になってしまったのか。この謎に果敢に挑む著者の旅は、日本、アメリカ、ベトナム、韓国に広がり、再び日本に戻る。私たちのすぐ隣にある「コリアン世界」を真摯に描いた、大宅壮一ノンフィクション賞・講談社ノンフィクション賞ダブル受賞作品。
[目次]
1 コリアンとは誰か(“帰化”―歌手にしきのあきらの場合
焼肉はどこからきたか
日本人が知らない「民族教育」 ほか)
2 コリアン世界の旅(世界で最も危険な街に生きる在米コリアン
サイゴンに帰ってきた韓国兵たち
韓国人ボクサー父と子の拳 ほか)
3 コリアン 終わりと始まり(金日成は生きている
大震災のあとで―神戸市長田区の人々
Jリーグのコリアンたち ほか)  


「超・反知性主義入門」小田嶋隆

2015年11月12日 22時00分51秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「超・反知性主義入門」小田嶋隆

シリーズ5作目。
小田嶋隆さんの新刊書籍。
様々な事象・事件を、独自の視点で分かりやすく解析。

クジラ問題について
P76
他国の食文化を「野蛮」と考えてしまえる人間は、文化の相対性を理解していないと言う意味で、文化的に成熟していないと考えねばならない。国際社会の中での多数派、主流派として振る舞うことに慣れ切っている人々の中には、自分たちの独善(あるいは文化的不寛容)に無自覚な人々が一定数含まれているのだと思う。

仕事を戦争に喩えるビジネスマンは多い。利益獲得に邁進する企業戦士だ。
P185
その方が結果は出やすいはずだ。が、そういう働き方をしている兵士の幸福はどうなるのだろうか。
 課長島耕作は、会長にまで出世したが、仕事と不倫と派閥争いに邁進した結果、家庭は滅茶苦茶になっている。島耕作本人がそれで良いというのならそれで仕方のない話ではある。とはいえ、そういう耕作が、他人に説教するのはスジが違う。

マロリー卿の発言について
P241
「そこに山があるからだ」
 は、やはり、依然として、魅力的な回答だ。なんとなれば、山に登ることは、山に登る以外の目的を持っていないという意味で、そのほかの、人間が取り組むあらゆる作業に比べて、最も純粋な意味で、無意味だからだ。
(中略)
「おい、人生はたった一度だぞ」
 日常の中にいる人間は、なかなかここまで突き詰めたことは考えない。山に登ることの福音はおそらくここにある。山に登っている間、山道を歩く人間は、半ば強制的に自問自答の中に置かれる。無論、二日や三日自問自答を繰り返したところで、答えが見つかるわけではない。しかしながら、答えの見つからない問いを自らに向かって発し続けることによって得られる何かが、その先の人生を打開するケースが無いとは言えないのだ。
 いや、打開しない場合もたっぷりあるとは思う。
(それでも、無駄ではない、と。クライミングの場合は、自問自答するヒマも無く、登っている間、頭が真空状態になる・・・登山の中の登山、エッセンスであり、スピリッツである、と思っている)

巻末の森本あんり氏との対談も面白い
P285-286
フランス革命が終わったときね、「理性の宗教」というのが始まるんですよ。これは本当に面白いテーマでね。革命後に、旧体制と密着していたカトリック教会をぶっつぶせとか言って、フランス全土が反教会的になるわけ。だけど、人間は宗教をやめろといっても、そう簡単にやめられない。(主導者の)ロベスピエールも無神論は大嫌いだし、一般民衆もぜんぜん反宗教じゃないんだよ。(この後のトークも興味深い・・・実際読んでみて)

【関連図書】



【ネット上の紹介】
他人の足を引っ張って、何事かを為した気になる人々が、世の中を席巻しつつある…。安倍政権の政策から教育改革、甲子園、ニッポン万歳コンテンツにリニアまで、最近のニュースやネットの流行を題材に、日本流の「反知性主義」をあぶり出してきた「日経ビジネスオンライン」好評連載中のコラムが、大幅な加筆編集を加えて本になりました。さらに『反知性主義 アメリカを動かす熱病の正体』の著者、森本あんり・国際基督教大学副学長との、「日本の『宗教』と『反知性主義』」をテーマにした2万字対談も新たに収録。リンチまがいの炎上騒動、他人の行動を「自己責任」と切り捨てる態度、「本当のことなんだから仕方ない」という開き直り。どれにも腹が立つけれど、どう怒ればいいのか分からない。日本に漂う変な空気に辟易としている方に、こうした人々の行動原理が、最近のニュースの実例付きで、すぱっと分かります。エッセイ集として、日本の「反知性主義」の超・入門本として、お楽しみ下さい。 


「認知症介護びっくり日記」高口光子

2015年11月10日 23時19分02秒 | 読書(介護/終活)


「認知症介護びっくり日記」高口光子

著者は、その道の有名人、介護のカリスマ。
私も以前、TVで話しているのを聞いて感銘を受けた。
もともと理学療法士だったが、介護職へ転身。
話される内容は、臨床心理士か哲学者、である。
介護を極めると、人生も深まるのか!

P22
介護職員のおっぱいをさわるジイさんの話。
このジイさん、右のおっぱいばかり掴もうとする。
「本当に、あのおジイさんおかしいよね。私もこの前やられたんだけど、いつも右のオッパイばっかりなんだよね。なんで右ばっかりなんだろう。だから私、この間、『左のオッパイはどうしてくれるのよ』って言っちゃった」
さすがベテラン介護職員だ、レスポンスが違う。

夜間、トイレ誘導に成功したバアちゃんの話。
ずっとおむつをしていたけど、おむつ外しに挑戦したのだ。
P81
「ちょっと見てみい」
「なに?おバアちゃん」
 バアちゃんはポータブルトイレを指します。ポータブルトイレのバケツの中には、とぐろを巻いたウンコがありました。
(中略)
「いやあ、たいしたもんだ。久しぶりだね、こんな大きなウンコ見たの。すっきりするねえ。あんたも、このバアちゃんのウンコを見て嬉しいかね」
「はい、嬉しいです」
「人はね、あんまり他人のウンコなんか、見たくないんだよね。あんた、施設長のウンコみたい?」
「いいえ、嫌ですよ」
 その人のウンコを見て嬉しいということは、その人が生きていてくれて嬉しいということです。

P97
現場には言葉が必要です。自分たちはどこにいるのか、どこに向かおうとしているのかということを短いセンテンスで表現しなければならない場面があります。

P111
 認知症のお年寄りは、あるはずのない物を探すことがあります。
 年をとると連れ合いを亡くしたり、仕事を失ったり、貯金が減っていく。今まで人生を通じて培ったものが、一つひとつ失われていき、それが漠然とした不安を招きます。ない物探しの背景には、そんな喪失感や不安感が潜んでいるのです。

P112
 ここで大事なのは、おジイさんやおバアさんに、失ったものがあるかもしれないけれど、本当に大切なものは何も失われていないのだと伝えることです。年をとるということは、多くのものを得て、そして失うということでもあります。あなたはいまも生きているし、あなたのことを大切に思っている人がここにいる。そのいちばん大切なことは何も失われていないということを、探し物を一緒に探すという行為を通して伝えます。

P182に名物バアちゃん・ケサノさんの話が語られる。
このバアちゃん、踊りが大好き、踊るバアちゃん、である。

お風呂に入ろうと脱衣場に来ても、踊るのに忙しくて服を脱ごうとしない。トイレでもしっかり座って、ふんばらなきゃいけないのに踊っている。
 そのたびに職員が「踊らないで、お願いだから踊らないでよ」と頼んでも、いっこうに踊りをやめようとしない。とにかく施設ではけっこう手のかかるバアちゃんでした。

あるとき、介護職員が、「私ね、思いっきり踊らせてあげたい」、と。
熊本県天草諸島南部の牛深のハイヤ祭りで、ハイヤ踊りが3日間にわたって踊り続けらるという。
それだったら「思い切って鹿児島に行ってみたらどかな」
「何で鹿児島なの?」
「ケサノさんのふる里は鹿児島なんだよ」

こうして、ケサノさんのふる里訪問計画が動き出す。
この帰郷シーンは感動、である。
親戚や近所の人たちが集まって宴会になる。
すると、バアちゃんが例によって踊り出す。
「ケサノババア、その踊り、覚えちょったかな」
そして、皆がいっせいに踊り出す!

この踊りにはなんと、歌があったのです。お米が苗として植えられ、稲穂となって刈り取られる。そんなお米の一生を歌った歌にあわせて秋祭りに踊るのですが、この地域では永吉家のひとしか踊ることができない大切な踊りでした。

【参考リンク】
こんにちは。高口光子です。 | 講談社 - おとなスタイル

eかいごナビ | 高口 光子特集ページ

【ネット上の紹介】
カリスマ介護アドバイザーのホンネ全開。教科書には書かれていない認知症介護の基本のき。
認知症介護が断然ラクになるとっておき話! そもそも認知症について、あなたはどれだけ分かっているのですか? 認知症介護は本当に大変?“介護界のしゃべるカリスマ”による現場からの貴重なメッセージ!
【目次】
1 未知との遭遇―疾風編(「うちに帰ろうよ、ジイちゃん」
「こんなのラーメンじゃない」 ほか)
2 七転び八起き―ルーキー編(「私、お給料いりません」
「生きていて何があるんや?」 ほか)
3 家族の葛藤―解決編(「しょうがない」で結論に至る家族会議
「問題行動」には理由がある ほか)
4 介護の質―抱腹編(今日は避難訓練の日?
保健所も真っ青、鳥のエサ介助 ほか)
5 故郷に錦を飾る―感動編(すべての罪を引き受けてくれたバアちゃん
家来を連れてお国入り? ほか)
【著者紹介】
横浜市生まれ。九州の玄関、門司港で育つ。1982年、高知医療学院を卒業後、理学療法士としてスタート。福岡の老人病院に勤めたが、お年寄りの現実に愕然とする。1995年、ヘッドハンティングされて「特養ホーム・シルバー日吉」へ。理学療法士から介護職への転身が話題となる。いま本人が本音を書き込む介護ブログが人気。『不幸くらべ』で「第1回生き生き大賞」受賞。1998年ケアマネジャー、2000年介護福祉士資格取得。現在、介護老人保健施設「鶴舞乃城」看・介護部長。介護アドバイザーとして全国で講演活動も続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


「みんな彗星を見ていた」について

2015年11月09日 21時09分33秒 | 読書(ノンフィクション)

2015年11月8日朝日新聞の記事を転載しておく。
星野博美さんの「みんな彗星を見ていた」について、
三浦しをんさんが、推薦して誉めている記事である。

時空と距離を超えて、四百年前の人々と現代に生きる人々の心が結びつく瞬間が、著者の情熱によって到来するのだ。私は強く胸打たれ、もうもう涙で文字が曇って、しゃくりあげながらページをめくるありさまだった。』

『「信じる』とはなんなのか、もう一度深く考えるために、ぜひ本書をおすすめしたい。』


【参考リンク】
「みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記」星野博美

キリシタン遺物史料館