【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

2009読書ベスト

2010年02月27日 18時37分35秒 | 読書(ベスト)

昨年2009年読書ベストを書く、と言いながら、2月末になってしまった。
遅くなってスマン。
これ以上遅延すると、具合悪いので、簡単に書いておく。

まず、小説部門。
もろ私の趣味で「RDG」が1位。
まもなく第三弾も出るようで、楽しみ。
「武士道」シリーズもよかった。(これで最終刊なの?)
「テンペスト」は2008年出版だけど、読んだのが昨年なので入れた。
「RDG レッドデータガール」(2)荻原規子(角川書店)
「武士道エイティーン」誉田哲也(文藝春秋)
「床屋さんへちょっと」山本幸久(集英社)
「テンペスト」(上・下)池上永一(角川書店)
「悪いことはしていない」永井するみ(毎日新聞社)
「あぽやん」新野剛志(文藝春秋)
「セレモニー黒真珠」宮木あや子(メディアファクトリー)
「黒百合」多島斗志之(東京創元社)
「オリンピックの身代金」奥田英朗(角川書店)
「神去なあなあ日常」三浦しをん(徳間書店)
「あなたにもできる悪いこと」平安寿子(講談社)
 
 

ライトノヴェルでは、ダントツ松田志乃ぶさん。
今野緒雪さんの「私の巣」もよかった。
一般の小説と変わらない、と思う。
(ただし、ロサギガンティアとかスール、ってセリフを除けば)
「恋する後宮」松田志乃ぶ(集英社)
「姫盗賊と黄金の七人」(前編)松田志乃ぶ(集英社)
「姫盗賊と黄金の七人」(後編)松田志乃ぶ(集英社)
「ふたりの東宮妃」松田志乃ぶ(集英社)
「私の巣」今野緒雪(集英社)

海外小説はあまり読まなかったので、省略。
ノンフィクション&エッセイでは、石井光太作品がどれも良かった。
(特に、「神の捨てた裸体」は、すごい)
瀬川正仁作品もよかった。
ぜひ、読んでみて。
「神の棄てた裸体」石井光太(新潮社)
「物乞う仏陀」石井光太(文春文庫)
「老いて男はアジアをめざす」瀬川正仁(バジリコ)
「若者たち」瀬川正仁(バジリコ)
「あの戦争から遠く離れて」城戸久枝(情報センター出版局)
「怖い絵」(3)中野京子(朝日出版社)
「絶対貧困」石井光太(光文社)
「白旗の少女」比嘉富子(講談社)
「米原万里の愛の法則」米原万里(集英社新書)
「ルポ貧困大国アメリカ」堤未果(岩波新書)

さて、問題はマンガ部門。
あまりにいろいろありすぎて、選びにくい。
迷う、迷う。
無理に選んで、下記のとおり。
(「海街」(2)は、2008年秋、出版と同時に読んだので、入れてない)
「テレプシコーラ・第二部」(2)(3)山岸凉子(メディアファクトリー)
「この世界の片隅に」(上・中・下)こうの史代(双葉社)
「リアル」(9)井上雄彦(集英社)
「チャンネルはそのまま!」(1)佐々木倫子(小学館)
「3月のライオン」(3)羽海野チカ(白泉社)
「女の子の食卓」(5)志村志保子(集英社)
「ニッポン昔話」(上・下)花輪和一(小学館)
「千年の夢 文人たちの愛と死」(上・下)齋藤なずな(小学館)
「乙嫁語り」(1)森薫
「彼らの犯罪」樹村みのり(朝日新聞社)
「エマ」(全10冊)森薫
「そこをなんとか」(2)(3)麻生みこと(白泉社)
「きのう何食べた?」(3)よしながふみ(講談社)
「野田ともうします。」柘植文(講談社)
「町でうわさの天狗の子」(3)(4)岩本ナオ(小学館)
「鈴木先生」(7)武富健治(双葉社)
「石の花」(全5巻)坂口尚(講談社)
「ウランバナ」勝田文(集英社)
「ちくたくぼんぼん」勝田文(集英社)



「あ・うん」向田邦子

2010年02月27日 17時30分05秒 | 読書(小説/日本)

「あ・うん」向田邦子(文春文庫)

うまい!
向田邦子さんは昭和4年生まれだけど、全然旧さを感じない。
生き生きとした登場人物、繊細な心理描写。
昭和初期の世相を背景に、家族と友情を描いている。
仙吉は堅物、門倉は遊び好き、対照的な2人の設定。
門倉は仙吉の妻・たみに思いを寄せている。
他にも印象深い登場人物は・・・
仙吉の父で元山師・初太郎。
仙吉とたみの娘・さと子(18歳)。
門倉の妻・君子。
門倉の2号・禮子。

ところで、タイトルの「あ・うん」だけど門倉と仙吉を表現している。
小説で次のように紹介している。
初太郎が、ぽつんと言った。
「狛犬だな」
 神社の鳥居のところにいる同じ格好をした石造りの犬だと言った。同じように見えるが、口の形が違う。一頭は阿であり、一頭は吽である。
 そういえば「こまいぬさん、あ。こまいぬさん、うん」というのを聞いたことがあった。不意にさと子は、教育勅語の一節を思い出した。
「夫婦相和シ」
「朋友相信ジ」


こんな感じで、門倉と仙吉の友情とお互いの家族が太平洋戦争間近な世相を背景に描かれる。
私が「うまい」、と思った箇所はP111。
2号の禮子が子どもを産んだことで、君子が仙吉の家にやってくるシーン。
(以下、ネタバレなので未読の方は注意)

「今まで別れようって何度も思ったわ。こんな暮らしは夫婦じゃない。でも、あたし、主人に未練があって、惜しくて人にやれないの。今も地獄だと思うけど、別れたらもっと地獄だろう。たしかにこんな暮らしは夫婦じゃないけど、世の中にはずい分不思議な夫婦もいる。友達が自分の女房に惚れているのを知っていながら、仲よくつき合って」
「奥さん」
たみが言いかけたのと、仙吉がのんびりした調子で、茶の間へ呼びかけたのと一緒だった。
「おい、りんごあったんじゃないか」
「りんごもりんごよ」
 言ってから、君子が吹き出した。


う~ん、とうなってしまう。
それにしても、絶妙なうまさだ。


「こどもエイティーズ」柘植文

2010年02月27日 16時40分30秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「こどもエイティーズ」柘植文(ぶんか社)

柘植文さんの最新刊。
エッセイ風コミック。
80年代の世相と共に描かれる。
だからタイトルが「こどもエイティーズ」、となっている。
タイプとして「ちびまる子ちゃん」風だけど、
著者の個性がより強く、オチもついて、自虐風、となっているのが特徴。
過去の作品では、「野田ともうします」「柘植文のつつウラウラまんきツアー」がある。
「野田ともうします」は、私もオススメ。
主人公・野田さんは、まじめな大学生、彼女の学生生活が淡々と描かれる。
じっくり笑いがこみ上げる作品。
「つつウラウラまんきツアー」は、著者体験レポート。
こちらも笑えて、旅行も楽しめる仕組みになっている。
いくつか私も行きたい場所をチェックした。
以下の場所である。
①牧場へ行こう、栃木県・那須・千本松牧場
②大島一周とリス村
③洞窟探検、神奈川・田谷の洞窟
④東京下町路線バスの旅
⑤バカンス行っちゃう!?横浜鶴見沖縄ストリート
⑥花見だ花見、伊豆河津
⑦富士の樹海でケイビング
・・・どう?


「ひまわりっ」(13)東村アキコ

2010年02月27日 11時07分07秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「ひまわりっ」(13)東村アキコ(講談社)

これが最終刊。
最初、直ぐ終わるのかな、と思っていたけど13巻まで続いた。
途中で、新キャラ・ウィング関さんも登場。
(ウィング=羽、即ち、関+羽=関羽、三国志同人のカリスマ)
憎まれ役・節子もよく頑張った。
最終刊では「ポーの一族」のパロディもあり、萩尾先生も「登場」する!
いったい、リアルなのかシュールなのか、よく解らない作品だけどエネルギーを感じる。
聞くところによると、すごく「ネーム」が早く、筆入れも一気、とか。
他にもたくさん連載を持っておられるが、私が一番好きなのは「きせかえユカちゃん」。
なかなか新しい単行本が出ない。
待っているのに。
ところで、ギャク、ナンセンスが多い、東村アキコ作品だけど、
シリアスものも上手い。
「ゑびす銀座天国」なんてロードムービーみたい。


「ダブル」永井するみ

2010年02月26日 12時36分00秒 | 読書(小説/日本)

「ダブル」永井するみ(双葉文庫)

文庫本になったので、読み返してみた。
実は、私が最初に読んだ永井するみ作品。
「おもしろい!」、と感じて、その後、現在に至っている。
そんな訳で、永井するみファンになるきっかけになった作品。
読み直して感じたけど、やはりおもしろい。
妊婦の乃々香と雑誌記者の多恵。
交わるはずのない二人がクロスし物語が動き出す。

ところで、他にも時々読み返す短編がある。
「天使などいない」に収録されている「マリーゴールド」と「別れてほしい」。
(この2つは、特に面白い)
最近、長編が多い永井するみさんだけど、短編集もレベル高い。
また、書いてくれないかな。

あとがきの代わりに、インタビューが掲載されているので、気になる箇所をピックアップする。

お互いのちょっとした行き違いとか、価値観の違いから齟齬が生じて、
その軋轢から悲劇が起きてしまうという小説を良く書いています。
それは、人間のちょっとした悪意とか、誰でももっているエゴイズムに興味をもっているからだと思うんです。
最近は事件の派手さと言う面では現実のほうが小説を凌駕しているので、
私はむしろ人の心理が起こす事件を書いていきたいと思っています。


今後の予定については・・・
連作短編集と3月に新刊が出るそう。
また、刑事物にも初挑戦する予定、とのこと。
うん、楽しみ。
PS
このインタビューより、web本の雑誌のインタビューの方がいい。
(インタビューする方に好感が持てる)
→作家の読書道:
第67回 : 永井 するみさん

【おまけ】
2007年6月9日(土曜)に書いた私のコメントを再録しておく。

「ダブル」永井するみ(双葉社)
以前から名前は知っていた。
永井するみ、と言う作家を。
でも、これほどのレベルとは思わなかった。
本格ミステリーで面白いのは、宮部みゆきさんと、桐野夏生さんくらい、と。
これから永井するみさんは要チェック、だ。
おもな登場人物は2人。
雑誌記者の多恵。
妊婦の乃々香。
同じ20代後半、異なる道を歩んでいる。
2人が交わり、親しくなって、対立する。
ホテルでの対決シーンは圧巻。
迫力満点。
多恵の自宅での「あのシーン」も怖かった。
最後のページを読んだ後、タイトルの深い意味が見えてくる。
・・・それにしても乃々香のキャラは怖い。
これはオススメ。


「日本人の知らない日本語2」蛇蔵&海野凪子

2010年02月25日 11時38分59秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「日本人の知らない日本語2」蛇蔵&海野凪子(メディアファクトリー)


日本語再発見コミックエッセイ、第二弾。
日本語の知識がいっぱい。
とても、勉強になる。
それが、「笑い」という形で提供される。
例えば・・・
「先生、タラコって何ですか?」、と生徒
「鱈という魚の子(卵)のことです」、と先生
「メンタイコのメンタイは何ですか」、と生徒
「ミンタイならロシア語で鱈ですよ」、と生徒のひとりが助け船
「じゃあナマコの親はナマ?」、と生徒

こんな感じで展開していく。(なかなかおもしろいでしょう)
忌み言葉の章も興味深い。
葦(悪し)

ヨシ(良し)

サル(去る)

エテ公(得る)

シネマ(死ね)

キネマ

また、中国では“8”がイイ数字とされている。
8がそろったナンバープレートはオークションで何百万もするそう。(車より高い?)
「発財(大儲け)」と「8」が同じ音だから。
そう言えば、4が並んだtel番号の名刺を受け取ろうとしない中国人の話を聞いた事がある。(確か、杉田敏さんのラジオで)
縁起物について、ふくろうがヨーロッパで知恵の象徴と言うのは知ってたけど、
日本で、ふくろう=「不苦労」、縁起物ってのは知らなかった。

なお、おまけとして、昨年、このパート1についてコメントした時の文章も再録しておく。

「日本人の知らない日本語」蛇蔵&海野凪子(メディアファクトリー  
勉強になった。
例えば、「シカト」。
元は任侠用語。
花札の鹿の絵(十点)がそっぽを向いているから。「鹿十」→「シカト」
*漢字の読み方では・・・
風信子→ヒヤシンス
石竜子→トカゲ
馴鹿→トナカイ
*漢字の使い方では・・・
「こんにちは」と「こんにちわ」
「会費を徴収する」と「会費を徴集する」
「危ない」と「危い」
(↑上記、いずれも最初が正しい・・・急に聞かれると「あれ?」と思ってしまう)
*さらにマニアックな質問では・・・
「さしつかえなければ」と「おそれいりますが」の使い分け


「裸でも生きる」山口絵理子

2010年02月24日 12時22分41秒 | 読書(ノンフィクション)

「裸でも生きる」山口絵理子(講談社)

普段、ビジネス関連の本は読まない。
でも、どうして読む気になったかと言うと、ネット『著者略歴』があまりにすごいから。
(以下、ネット上の紹介)
1981年埼玉県生まれ。
慶應義塾大学総合政策学部卒業、
バングラデシュBRAC大学院開発学部修士課程修了。
小学校時代イジメにあい、その反動で中学で非行に走る。
その後、強くなりたいと高校の「男子柔道部」に自ら飛び込み、
女子柔道で日本のトップクラスに。
偏差値40から受験勉強3ヵ月で慶應大学に合格。
大学のインターン時代、ワシントン国際機関で途上国援助の矛盾を感じ、
アジア最貧国「バングラデシュ」に渡り日本人初の大学院生になる。
必要なのは施しではなく先進国との対等な経済活動という理念で23歳で起業を決意。
ジュート(麻)を使った高品質バッグを現地で生産し輸入販売する「株式会社マザーハウス」を設立。
あらゆる苦難を乗り越えビジネスを軌道に乗せた彼女の生き方やビジネス理念は、
多くの学生から若い社会人に感動を与えており、社長業の傍ら講演で飛びまわる。
「フジサンケイ女性起業家支援プロジェクト2006」最優秀賞受賞


単に、「山あり谷あり」「紆余曲折」と表現するには、「山谷」多すぎ、「曲折」しすぎ!
まだ20代なのに波瀾万丈、はげしい人生。
「過剰」すぎる方って、このような人なんですね。
(本人より周りの方、疲れるかも)
なお、続編「裸でも生きる2」も出版されている。


【参考リンク】
株式会社マザーハウス


「パパがも一度恋をした」阿部潤

2010年02月24日 12時22分17秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「パパがも一度恋をした」阿部潤(小学館)

ひねったコメディ。
ニートとなって、気力を無くしたパパ。
そこに、死んだはずのママが、おっさんの姿で帰ってくる、って設定。
なぜ、最初に「ひねったコメディ」、と書いたかと言うと、
普通は逆パターンを考えるんじゃないだろうか?
つまり、「死んだはずのパパが、美女の姿で帰ってくる」、と。
それだと、絵的にも見栄えがして、画面も華やぐ。
でも、おっさんというのは、どうなんだろう?
(これで、萌えるんだろうか?)

まぁ、それはともかく、パパは少しずつ、生きる活力、働く意欲を取り戻していく。
各章のサブタイトルが笑える。
「38歳のハローワーク」(村上龍「13歳のハローワーク」のパクリ)
「賢者の贈りもの」(もちろん、O・ヘンリーのパクリ)
一番笑ったのが「蘇る勤労」(大藪春彦「蘇える金狼」のパクリ)

【ネット上の紹介】
母を亡くして今日で3年目。
中学3年生の山下トモは父・吾郎の部屋の前に立っていた。
吾郎は妻を失った悲しみから、3年も引きこもっているのだ。
いいかげん立ち直るよう諭すトモの傍らでは、祖父のタロスケが吾郎を甘やかしてばかり。
トモが「悲しいのはパパだけじゃない」と言えば、
部屋の中から「パパの方が悲しい」と父親とは思えない言葉を吐いてきた。
そして吾郎は「ママの所へいく」と首を吊ろうとして…。
慌てるトモだが、その時、家の中に見知らぬ中年男が…!?


クライミング人口

2010年02月21日 20時21分11秒 | クライミング(一般)

丈夫なだけが取り柄だったけど、最近弱ってきた。
昨年末は腰を痛めたけど、今は肩が痛い。
特に思い当たるフシはないけど・・・
水曜、ジム練習して、木曜・金曜は休養。
土曜の朝、起きたら激痛・・・何なんでしょうね。
単にそういうトシゴロ、と言う事でしょうか?

仕方ないので、日曜日は近所の山にハイキングに出かけた。
低い山でも、登っていると汗をかくし、気分転になる。
ところで、登山人口約200万人と言われている。
(枠組みを決めるのが難しいけど)
私のように、時たま山登りをする者も含まれるのでしょうか?
(『登山歴○年』、と称してよいんでしょうか?)
前回記事で、「岳」(石塚真一)を取り上げたけど、
一般的な登山ファンが背景になって、バックアップしてるんでしょうね。
ちなみに、1巻~6巻までの売上が120万部。
(今なお、人気で今月2月27日、11巻目が出版される)

ファン人口を推測するのに、参考になるのが専門誌発行部数。
「山と渓谷」・・・18~20万部
「ロクスノ」・・・4万部
やはり、一般登山人口と比べると格段に少ない。
フェースとクラック好きくらいの差?
読書人口における、海外文学マニアくらい少ない?
(この例、よけいややこしい?)
さて、他の雑誌だと・・・
「週刊ゴルフダイジェスト」…50万部
「週刊ベースボール」・・・46万部
「週刊サッカーマガジン」・・・43万部
・・・どうです?
まったく、およびませんね。
(しかも)相手は、週刊誌だし。
「ロクスノ」は月刊誌ですらないし。
さらに、JFA会員なんて、1249人だし。(安全ブックP45)

・・・それでも、アクセス問題が生じ、トラブル続出、なんですね。

PS1
関係ないけど、「安全ブック」表紙でクラックにキメてるのって、トライカムでしょうか?
落ちても安全なんでしょうか?
(私は、これでフォールしたくない)

PS2

「オンサイト」(尾瀬あきら)は、2巻で打ち切り。
・・・しかも、現在絶版中。
(これがファン人口の差か?)
ちなみに、「スラムダンク」は1億部!(平伏)

【雑誌発行部数リンク】
BLUE SKY SEASONS -http://glayteru0608.seesaa.net/article/137380495.html
JMPAマガジンデータ トップ -http://www.j-magazine.or.jp/data_001/index.html
図録一般雑誌発行部数ランキングhttp://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3968.html
図録コミック誌発行部数ランキングhttp://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3969.html


「岳」石塚真一

2010年02月21日 13時28分53秒 | 読書(マンガ/アニメ)
「岳」石塚真一(小学館)
現在、10冊出版されている。(11巻は、2/27発売予定)
先入観として、もう少し軽いヒーローものか、と思っていたけど、勘違い。
著者のしっかりしたヒューマニズムとリアリズムに感心した。
シリアスだけど、ユーモアも押さえている。
様々なジャンルがあるマンガ界だけど、山岳ジャンルが商業誌で成功する、って例を示した。
(極限状態を設定して、ドラマが生まれやすい、って事もあるでしょうが)
登場人物ひとりひとりを丹念に描いている。
私の趣味は・・・
9巻-「似た者同士」
8巻-「ご褒美」
4巻-「再生」

なお、Wikipediaで「登山」の項目を見ると、以下のようなマンガが紹介されている。

PS
「岳」の空中懸垂シーンで、ロープ末端を結んでない絵があり、気になった。


「世界の屋根にいどんだ人々」

2010年02月21日 12時20分11秒 | 読書(ノンフィクション)

「世界の屋根にいどんだ人々」さ・え・ら伝記ライブラリー
6人の登山家をとりあげている。
①ウインパー
②ヘックマイヤー
③テンジン
④ヘルマン・ブール
⑤クロード・コガン
⑥ウェストン
登山史をざっと概観するのに便利。
特に、ヘックマイヤーの章は、3月に映画・「アイガー北壁」が上映されるので、参考となる。
【リンク】
映画『アイガー北壁』公式サイト
http://cm.impress.co.jp/?5_69797_2662_1

【参考図書】
 
ヤマケイスクエア・インプレスダイレクトより
http://cm.impress.co.jp/?5_69797_2662_2

なお、このハインリッヒ・ハラー、という方はヘックマイヤーのアイガー北壁初登攀パートナー。
(最初は別々のパーティだったけど、途中で合流し同じパーティとなった)
なおその後、ハラー氏は、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」という本も著している。


「スキエンティア」戸田誠二

2010年02月21日 10時59分09秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「スキエンティア」戸田誠二(小学館)


SF短編集。
SF作品の特徴は、極限状態を設定して、ドラマを演出すること。
時には、日常から乖離しすぎて、ついて行けない時もある。
でもこの作品は、設定が日常に寄り添っている。
戸田誠二さんのペンも少し太めで温かいタッチとなっている。
これにより、親しみやすく、物語に入りやすく、感情移入しやすく感じる。
第1話、ボディレンタル
第2話、媚薬
第3話、クローン
第4話、抗鬱機
第5話、ドラッグ
第6話、ロボット
第7話、覚醒機
・・・私の趣味は「クローン」と「ロボット」
もし、クリーン技術が完成したら・・・
もし、ロボットが出来たら・・・
日常にどう活用されるのか?
単なる技術と生活の接点、感情を描き出す。
なかなか、と感じた。

【追記】
SFと言うと、大友克洋さんのような細い緻密な線をイメージする。
士郎正宗さんも細くて繊細。
戸田誠二さんは、やや太め。
星野之宣さんや諸星大二郎さんも、同じくらいかその中間くらい、かな。

 


ヌンチャク購入

2010年02月15日 19時42分24秒 | クライミングギア&登山装備
最近、まったく岩に行っていない。
正月はベトナムに行ったが、
その前の岩と言えば、中国・桂林だった。
つまり、1年に1回しか、岩場に行ってない。
普段、ジムでリード練習してるかと言えば、さっぱりしていない。
(出発1ヶ月前から、あわてて練習した)
そんな訳で、ギアとか傷んだり、減ったりしない。
減るのは靴とチョークぐらい。
リードしないから、ロープもハーネスも傷まない。
まして、ヌンチャクなど飾りのようなモノ。

さて、そんな事情にも関わらず、先日(2/9)ヌンチャクを購入した。
ブラックダイヤモンド・ポジトロンクイックドロー。(105g)
2400×12本=28800円
ホントは、評判の高いデュアルトラックス・ダイノトロンを買おうと思っていたけど、製造中止で入手困難。
現在のダイノトロンはモデルチェンジしており、4g軽量化され46gとなった代わりに、
従来のダイノトロンよりも全長で約6mm小型化されてしまった。
そこで、最初に書いたとおり、ポジトロン・ドローを購入することにした。
ゲート、重からず、軽からず、なかなか良好、と感じた。
これで、当分のあいだ大丈夫。(引退するまでOKかも)
→ポジトロン
■重 量:ベントゲート=49g
■強 度: クローズドゲート=25kN
オープンゲート=8kN
マイナーアクシス=8kN
■ゲートオープン間隔:ベント=26mm

さぁて、ここから筆者の昔話が始まる。
私は、クライミングを始めてから何度もヌンチャクセットを買い換えた。
そもそも、昔はクイックドローのセットなんで売ってなかった。
カラビナとシュリンゲを別々に購入して、自分で作った。
さらにその前は、ハーケンに直接シュリンゲを通して、そのシュリンゲにカラビナをセットした。
(カラビナは高額で、重たいから)
つまり、ヌンチャクの概念が無かった。
(まぁ、そんな昔の事を言ってもしかたないけど)
私のヌンチャク・セットの歴史は下記のとおり。

○最初はビナ無し(山岳会先輩がリードするルートのフォローばかり・・・当時、当然ジムはない)
  ↓
①ボナッティ2枚+シュリンゲで自作する(重たかったけど、丈夫だった、推定重量155g)
  ↓
②カジタ(ストレート+ベント+シュリンゲ、別々に購入して自作、軽かったけど事故頻発で製造中止となる、推定115g)
  ↓
③シモン(ストレート+ベント、ランナーは市販品を購入して、自分でヌンチャクを作った。これはよかった、約120g)
  ↓
④シモン(ストレート+ベントのセット既製品を購入。これもよかった、約125g)
  ↓
⑤今回のブラックダイヤモンド・ポジトロンクイックドロー(105g)
こんな感じかな。(世間にジムが登場するのは、③と④の間くらい)
上記、それぞれ約12セットずつ購入買い換えている。
1番高額だったのは③シモンのセット、と記憶している。
今回のブラックダイヤモンドの倍くらいの費用がかかったような印象が残っている。
(なにぶん古い記憶なので、霧の彼方、ですが)

そろそろ、皆さんの疑問にお答えする。
(疑問)普段ヌンチャクを使わないのに、どうして新しいのを購入したのか?、と。
(解答)それは、めったに岩に行かないからこそ、(逆に)最新ギアを使いたいから、と。
・・・単に、キーロック・ゲートが欲しかった、と言う話もある。

最後に、一般的なヌンチャク買い換えの目安を書いておく。
まず、痛みやすいのはランナー部分。
これは、出来るだけ早めに、短いサイクルで変えた方が良い。
おおよそ、ロープの摩耗に比例する。(目安)
外から見て、擦れて痛んでるな、と思ったら変えた方が良い。
(かつて目の前で、ランナーが切れてグランドするのを、見たことがある)
次に、金属部分のカラビナについて。
使用頻度によって違うけど、だいたいハーネスの痛みや摩耗に比例する。(あくまでも目安)
日本の場合、どうしてもハンガーにセットする部分が傷んでくる。(ケミカルだと少しマシ)
何度もフォールしてると、目に見えて凹んでくる。
では、ロープをクリップする側のカラビナはどうかと言うと、これもフォールを繰り返すことにより摩耗する。
恐ろしいことに、これも目に見えて凹んでくる。(どんだけ落ちてるんじゃ)
以上、(あくまでも)おおよその目安なので、個々人の使い方で、大きく異なる。
私の個人的経験と実践を書いたにすぎない。
なんら科学的根拠に基づくものではない、とお断りしておく。
常に、自分でギアをチェックして、痛みを確認したい。

【蛇足】
ただし、ヌンチャクは自分のを使わない、ってポリシーの方は別。
他人のヌンチャクを使用して、セットも人にさせる、って方もいるかもしれない。
そのような方は、傷みが少ない・・・と言うか傷まない。(心も痛まない?)
もし、そんな人がいたら、出来る限り近づかないのが無難、と思われる。
それも、「安全」への第一歩、かもね。
つまり、人生に対する安全確保、って意味で。
(でも、クライマーって、「危険」好きだからなぁ)
・・・と、哲学のしっぽを感じて、本日終了。

THE ハプスブルク

2010年02月14日 23時45分40秒 | お出かけ


先日、京都国立博物館に行ってきた。
2月から『NHK知る楽』が始まって、ハプスブルク関連の絵画が紹介されている。
(皆さん、観てますか?)
とうとう、ガマン出来なくなって、行ってきた。
間近で見ると迫力ですねぇ。
書籍やTVでしかお目にかかれない作品が展示されている。
ちょっと、感動しました。
特に、『エリザベート皇后』、でかい!
入口、入ってすぐにあり、びっくり。
これほど大きいと知らなかった。
(そう言えば300×200、とテキストに書いてある)

一番奥には、3人の肖像が並んでいる。
①『11歳の女帝マリア・テレジア』1727
②『皇太子フェリペ・プロスペロ』1659
③『白衣の王女マルガリータ・テレサ』1656(以前見た、『薔薇色の衣装のマルガリータ王女』(1953・54)を思い出した)
マリア・テレジアのはつらつとした表情が印象に残る。
他の2人は、元気なさそう。(先入観のせい?)

【リンク】
ハプスブルク7番勝負
THE ハプスブルク

PS
ルーカス・クラナッハ(父)
『洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ』も印象深い。


「海街diary3-陽のあたる坂道-」吉田秋生

2010年02月14日 21時29分37秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「海街diary3-陽のあたる坂道-」吉田秋生(小学館)

シリーズ3巻目。
予想どおり、すばらしい内容。
(吉田秋生作品にハズレなし)
それにしても、巧すぎる!
超絶技巧レベル。
今回も、3巻目を読むにあたり、前作2冊とおして読んだ。
登場人物たちが、それぞれ絡まりあっているのが分かる。
特に、すずが山形から鎌倉に出てくることにより、
鎌倉に住む3姉妹と周りの人間関係が動き出している。
(以下、ネタバレ有りなので、未読の方は注意)

3巻目の最初のエピソードは、「思い出蛍」から始まる。
1巻目最初のエピソードの1年後、って設定になっている。
これにより、すずの成長を見ることが出来る。
すずの視点で展開されるが、著者の技巧により、様々な視点を体験できる。
(方言もしっかり押さえているし)
すずの「弟」の視点による、昨年のお葬式で騒いだ話が語られるシーンがいい。
すずのモノローグ・・・

「嫌い」は「好き」より
ずっと早く
伝わってしまうのかもしれない


これにより、すずの成長を知ることが出来る。

自然描写もうまい。
カジカガエル、蝉の鳴き声。(まるで臨場してるように聞こえてくる)
蛙、蝉、蛍、と言った生き物もそうだけど、小道具の使い方がうまい。
カーテンを怖がるすず。
お箸を買うかどうか躊躇う幸。
温泉まんじゅうを使っての場面展開。
小道具が心理を演出し物語に流れを作る。

また、人間関係では、ヤスと幸が同じ職場。
美帆のにいちゃんと佳乃が同じ職場。
もともと同じ職場だけど、すずを中心に繋がっている。
最初に書いたように、すずが山形から鎌倉に出てきたことにより、
人間関係が動き出している。
業界ネタも、しっかり押さえているけど、どこで集めたのだろう?
金融業界もそうだけど、病院ネタが深い。
その中で働いてないと、分からないような事を描いている。
例えば、ひどい医者ばかり見てるから、医者に対してハードル低いんじゃないか、ってセリフ。
ホント、深い。

【おまけ】
以下、過去の覚書から、1巻、2巻のコメントも再録していく。
2008年10月12日
「海街diary2-真昼の月-」吉田秋生(小学館)

吉田秋生さん最新作、「海街diary」パート2だ。
(待ってました!)
昨年の4月にパート1が出て以来、ずっと待ってた。
期待を裏切らないおもしろさ。
名人芸に近い筆の冴え。
もう、その辺の文学ではたちうちできない領域。
特に微妙な心理描写、ストーリーが重層的に絡み合う構築の巧さは絶妙。
絵も初期の頃から上手いし。
(「カリフォルニア物語」から、既にハイレベルであった)
このレベルの作品を描ける作家は何人いるだろう?

PS
今回の作品を読むにあたり、パート1を読み返した。
やはり泣けた。

2007年4月28日(土曜)
「海街diary-蝉時雨のやむ頃-」(1)吉田秋生(小学館)

待ってました。
吉田秋生さんの最新作。
鎌倉を舞台にした3姉妹+すずの物語。
それにしても絶妙にうまい。
この巧さ、尋常ではない。
特にP57~P59。
情景描写、心理表現・・・
描き文字で音を表現していないのに音が聞こえてくる。