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「姫君たちの明治維新」 岩尾光代

2018年12月23日 09時39分20秒 | 読書(歴史/時代)


姫君たちの明治維新」 岩尾光代

P63
戊辰戦争は、日本の上層部を形成していた巨大な親族間の戦いでもあった。それがヨーロッパ各国間の戦争と王族たちの姻戚関係に似ていることは、あまり論じられていない。

伯爵夫人徳川幹子
P82
それまでの生活一切を捨てて、土地を開墾して生きようと決意したのだ。

P132
当時、将軍の娘を嫁がせる時、幕府は「御守殿」と呼ぶ御殿を新築させ、朱塗りの門を造らせるのが習わしだった。現存する「赤門」は前田家のものだけになっている。

P212
維新に先立つ文久二(1862)年、幕府は参勤交代の条件を緩やかにし、江戸に留め置いた大名の正室を国元に帰した。人質解放とはいえ、正室たちはほとんどが江戸に生まれて各藩の江戸屋敷に育った姫ばかり、見知らぬ地方へ移り住む不安を抱えながらの「帰藩」だった。

P241
秋田での激戦の末に、盛岡藩は九月二十五日、新政府軍に全面降伏した。十月十日に盛岡城は開城され、新政府軍の進駐が始まった。新政府軍兵士は巡回と称して金を奪い、女性を犯す狼藉を働いた。人々は「不来方」(こずかた)の地を再び「鬼」が襲ったと恐怖に陥った。

【ネット上の紹介】
百五十年前、お城やお屋敷の奥深くで蝶よ花よと育てられた姫君たちを時代の大波が襲った!引き裂かれた初恋、破綻した政略結婚、嫁姑の争い、落城、逃避行、我が子との別れ…。悲しく、儚く、しかし、どこか逞しい女性たち三十一人の明治維新物語
第1章 徳川瓦解を見届けた妻たち
第2章 慶喜をめぐる徳川の女
第3章 有栖川宮家
第4章 前田家
第5章 鍋島家
終章 戦火のかげで 落城の妻たち