「さんだらぼっち」宇江佐真理
髪結い伊三次捕物余話シリーズ4作目。
P119
さんだらぼっちは米俵の両端に当てる藁の蓋のことである。桟俵法師が訛ったものだ。
P162
(前略)ただの藁の蓋に過ぎないのだが、なまじ命を繋ぐ大事な米の俵にのせられていたため、人は粗略に扱うことができないのだ。神饌の台盤として疱瘡除けに使ったり、流し雛をのせて川に流したりする。また胞衣をのせて土の中に埋めるなどもする。
【ネット上の紹介】
芸者をやめたお文は、伊三次の長屋で念願の女房暮らしを始めるが、どこか気持ちが心許ない。そんな時、顔見知りの子供が犠牲になるむごい事件が起きて―。掏摸の直次郎は足を洗い、伊三次には弟子が出来る。そしてお文の中にも新しい命が。江戸の季節とともに人の生活も遷り変わる、人気捕物帖シリーズ第四弾。