「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

多喜二年譜1983-1993

2008-12-14 00:25:58 | 多喜二のあゆみー歿後
1983年(昭和58)年 
・坂本肇「蟹工船英訳本をめぐって」(『赤旗』1/8付)
・『民主文学』(83.02) 小林多喜二没後50周年記念特集=津田 孝「手塚英孝の残したもの――小林多喜二の研究と調査を中心に」

大垣肇「蟹工船」2幕9場 小林多喜二没後50周年記念 演出・村山知義 演出補松下朗(東京芸術座公演no.56 1983/9.10-15、読売ホール)

・小樽文学館多喜二生誕80年没後50年記念特別展「多喜二の青春―その彷徨と発見」(10/21~11/27)手紙25点、原稿類20点、資料写真100点、油絵1点、ノート10点、雑誌15点、自作本15点など。「石本武明宛書簡6通」初公開は、小樽商業学校時代のもので初公開。

10/22 講演 小林多喜二の弟・三吾

10/8赤旗まりつ「小林多喜二没後50周年記念展」約300点の出品。
多喜二旧蔵の志賀直哉『荒絹』(春陽堂 1921)、札幌のコレクターが小樽文学館へ寄贈。(5/18『北海道新聞』)

夏衍「記念小林多喜二」(『日本文学』 第1期、吉林人民出版社出版)

スペイン語訳『蟹工船』/初訳の翻訳家を訪ねて/新藤通弘(中南米研究者)

※1983年キューバで出版、5000部完売( 2008年11月15日,「赤旗」)

 小林多喜二の『蟹工船』のスペイン語初訳は、1983年にキューバのウラカン社から出版された。『不在地主』も収められている(ともにリディア・ペレデイラ訳)。米国のフランク・モトフジ訳の英語版(『加工船(Factory Ship)』1973年、ワシントン大学出版)からの重訳。訳本には、原本の書名、発行所も、著作権取得の表示もない。米国の経済封鎖で米国とキューバの間には著作権協定がないからだ。リディアは、1939年にハバナ市生まれ、革命前、ハバナ・ビジネス・アカデミーで英語を学び、革命勝利後の60年9月、フィデル・カストロ首相(当時)が最初に国連総会に出席し、演説した際、代表団の通訳の一人として同行した。同年12月、キューバ諸国民友好協会(ICAP)の創立にも参加した。73年からキューバ国立出版公社で翻訳に従事し、94年に定年退職するまでの21年間、15冊の翻訳を出版している。その中には、『日本短編小説集』、ジョン・リードの『反乱するメキシコ』、『マルコムX演説集』、ローゼンバーグ夫妻の『歴史は私たちの名誉を回復するであろう』(日本語題名『愛は死をこえて―ローゼンバーグの手紙』)などがある。現在は、ハバナ市歴史家事務所の雑誌『OPUSアバナ』に編集委員として参加している。



1984 (昭和59) 年
・林治広「『蟹工船』的感染力従何而来-談談小林多喜二小説的美的価値」(『日本文学』吉林人民出版社) 
・大田努「小林多喜二未発表書簡」(『民主文学』 2月号)
・坂本肇「プロレタリア文学の国際連帯―多喜二英訳本をめぐって」(『赤旗』3/13付)

・澤地久枝『別れの余韻』(文春文庫 10月) 多喜二忌の女


1985 (昭和60) 年
宮本顕治『回想の人々』(新日本出版社 11月)


1986 (昭和61) 年
小林周「多喜二遺品のことなど」(『民主文学』12月号)


1987 (昭和62) 年
貫名美隆エスペラント語訳『一九二八年三月十五日』(関西エスペラント連盟)
イ・グィウォン ハングル訳『蟹工船』(「一九二八年三月十五日」「蟹工船」「党生活者」 翻訳(釜山・チング出版)


1988 (昭和63) 年
・「「文化聯盟」の結成に就いて(全集未収録文献)」解題・小林茂夫(『民主文学』 2月号)
松田解子「小林多喜二との思い出」(『文化評論』4月号)小林多喜二没後55周年の夕べの講演
・西条きん「小林多喜二「ある改札係」の自筆原稿をめぐって」(『波動』15号 7月)


1989(昭和64・平成元) 年
第1回杉並・多喜二祭(石井大三郎実行委員長)
『藤川健夫戯曲集4』(青雲書房、 89.10)=火を継ぐもの-小林多喜二


1990(平成2) 年
・琴坂守尚・小林多喜二祭実行委員会資料編集委員会『磯野小争議小樽港湾争議』(不二出版 90年)宣伝ビラ130枚収録
・復刻版『海上生活者新聞』(小林多喜二祭実行委員会)未発表多喜二自筆原稿(弁証法、客観的状勢) 「断稿」として全集収録。
・『小林多喜二全集第1巻』(新日本出版社92.12) 新装版29点の新資料を収録。
小樽文学館「転形期の人々―小林多喜二とその時代」展(7/21~9/9)「転形期の人々」「地区の人々」自筆原稿一般初公開
嶋田正策「『クラルテ』の思い出」(『本郷だより』18号 不二出版)
※多喜二・百合子研究会『会報』休刊
・三浦綾子『母』(角川書店 92年)付小林セキ年譜


1991(平成3) 年
大田努「手塚英孝の小林多喜二論」(『民主文学』12月号)

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