武本比登志ポルトガルスケッチ&油彩

ポルトガル在住絵描きのポルトガル淡彩スケッチ日記と油彩

2806. アルカソヴァスの町角

2022-05-07 14:27:31 | ポルトガル淡彩スケッチ

2022年5月7日(土曜日)霧曇りのち晴れ時々曇り。30℃-29℃~11℃。降水確率0%。湿度75%(7:55)35%(14:22)。紫外線量8。北のち西の微風。起床時7:00朝日を拝む。早朝より盛んに霧笛。昼に霧は晴れるが遠くに薄い雲。上空はほぼ快晴。

『パルメラ城』などの鉛筆スケッチに淡彩を施す。

『昨夜の映画』は

太陽がいっぱい』(Plein Soleil)1960年。フランス・イタリアの犯罪映画。118分。監督:ルネ・クレマン。ローマの街角のオープンカフェで話をする青年が二人。アメリカから来た大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)と貧しく孤独な青年トム・リプリー(アラン・ドロン)。 フィリップには婚約者のパリ娘マルジュ(マリー・ラフォレ)がおり、イタリアではナポリに近い漁村モンジベッロにマルジュと過ごすための愛の巣を所有し、その近くのマリーナには立派なセーリング・クルーザーも所有し、それに「マルジュ(号)」と名づけてもいる。マルジュは画家フラ・アンジェリコについての記事を執筆中である。フィリップはマルジュの傍にいるためにイタリアで遊んで過ごしている、というわけであった。そして自由奔放なフィリップは、今回はマルジュをほったらかしにして、トムと二人きりで飛行艇に乗りローマに遊びに来たのだった。たとえばフィリップとトムは、街頭で視覚障害者と出くわすと「その白い杖を俺に売れ。帰りのタクシー代があれば杖はいらないだろう。」などと傲慢なことを言って、2万リラも払ってそれを買い取ってしまったり、たまたま出会った歩行者の中年女性を盲人のふりをして誘惑し一緒に馬車でローマの街を乗りまわしてその途中でその女性にキスしまくったり、と自由奔放な行動をして楽しむ。 フィリップはトムを見下している。父親からフィリップをアメリカに連れ戻すよう依頼を受け、連れ戻せば報酬として5000ドルもらえる約束でアメリカから来たトムではあったが、フィリップのほうはイタリアで自由奔放な暮らしを続けようとするばかりで、全く帰国する気はなく謝礼金を受け取ることが出来ないトムは手持ちの金がなくなってしまい、フィリップの金のおこぼれをあてにして彼と行動を共にせざるを得なくなる。フィリップに言われれば買い物や調理やハガキの代筆をするなど、まるで都合の良い「使い走り」のように扱われるようになってしまっており、「資産を持つ者と持たざる者」の境遇のあまりの相違を見せつけられるばかりで、実は内心嫉妬心や怒りにさいなまれている。 ローマで遊んだフィリップとトムは、マルジュに会いにモンジベッロの家に戻った。マルジュは以前から、フィリップが自分を大切にしていない、馬鹿にしている、と感じ、苛立ちを感じるようになっていた。放置され電話すらしてもらえなかったマルジュは、突然戻った二人をふくれ顔で迎えるが、フィリップときたら「ローマに行って 一杯飲んできただけだ! 何が不満だ!」などと傲慢なことを言い、強引にソファに抑え込むようにしてマルジュを抱きしめ、口づけすることでマルジュの言葉を封じこめ、さらに(トムの目の前で)マルジュの身体への愛撫まで始めて、自分の行動や態度については一切謝りもせずうやむやにするばかり。トム自身だけでなく婚約者マルジュに対してまで表す傍若無人な態度に、トムの怒りと嫉妬は増すばかりだった。フィリップとマルジュが男女の情を交わしている間、自分の居場所が無いように感じたトムは、隣室のウォークイン・クローゼットに入り込み、戯れにフィリップの(金持ちらしい、いかにも高価そうな)衣類を身につけ、もうすっかり耳が覚えてしまったフィリップの口調の真似をしてみる。 フィリップはマルジュと二人きりになるために、トムに操舵を促し甲板上に行かせ、船室内でマルジュと二人きりになると、「トムをヨットから追い出して下船させれば、僕らは以前のように二人きりになれる。」とマルジュにささやく(だがそれをトムは船室から甲板へと開く天窓の隙間から聞いてしまう)。フィリップは、トムをヨット備え付けの上陸用の小ボートに強引に乗せ、それをロープでヨットのはるか後方にひかせることでトムを隔離しようとするが、あいにくとフィリップが船室内に戻った直後にそのロープは切れてしまい、トムは海上に漂うボートに取り残され、フィリップとマルジュがそれに気付かず情事に没頭する長い時間、炎天下の海上で(飲み水も全く無く)日干し状態にされるという屈辱を味わう。情事の後、船室から甲板上に出たフィリップは、ロープが切れてしまっておりトムを乗せたボートはどこにも見えなくなっていることに気付き、あわてて舵を切り、来た航程を引き返すが、かなりの時間をかけて戻りやっとボートとその中に横たわるトムを見つけた時には、トムは太陽に焼かれ息も絶え絶えになっていた。マルジュは一応トムのことを親切に介抱するが、トムに「悪くとってほしくないけれど、タオルミナについたら一人で帰国して欲しいの。分かるでしょ?」とも言う。(トムは、もしそんな展開になったら、当初期待していた報酬の5000ドルを得ることも、空想するようになったフィリップの財産を奪う計画も不可能になり、無一文のまま放りだされる状況になる、と予見する)。その後もタオルミナに向かうヨットで、フィリップがマルジュを愛撫しつつ甘美な時間をすごしつづける一方で、トムのほうは「のけもの」扱いにされ、陽にさらされる甲板上に独りで置かれる。 フィリップはトムの持ち物の中に、フィリップの銀行口座の入出金が分かる明細書が隠してあることに気付く。実はトムが自分の財産を狙っているのだと気付き、このままでは財産目的で自分は殺されると推理した。フィリップは自分の推理・直観を確かめるために、あえて普通の会話のように「ボートで死にそうになった時、僕に殺意を抱いただろ?」と訊く。するとトムは「僕はもっと以前から殺意を抱いているよ」とサラリと答える。そして二人はまるで他人事のように会話を続ける。「だから僕の口座明細を持っているのか? 僕を殺し、金持ちになるつもりか?」とフィリップ。「その通りさ。へぇ、お見通しなんだね。」とトム。「実現は難しいぞ。露見して逮捕されるぞ。」とフィリップ。「大丈夫。僕は想像力が豊かだからね」とトム。 トムはタオルミナで無一文で放り出されるという窮地に陥ることを避ける為フィリップとマルジュの間を裂くという手を思いつき、ローマの中年女性のイヤリングをフィリップの服のポケットに入れる細工を前の晩にしていた。トムの策略にはまり、イヤリングに気付いたマルジュはフィリップが特定の女性と交際しはじめていると思いこみ、苛立ち、ささいなきっかけでフィリップと言い争い状態になり、フィリップはマルジュが執筆中の大切な原稿を海へと放り捨ててしまい二人は決裂した。マルジュは下船を決意して最寄りの漁港でヨットを降りてしまう。 フィリップとトムはヨットでモンジベッロへの帰路につく。だが、マルジュが下船し周りには目撃者が全くいない海という場所で二人きりとなりフィリップ殺害計画が実行段階に入る。 マルジュの下船により中断した二人のきわどい会話が再開する。フィリップ「二人きりになれたから、落ち着いたな。さっきの話の続きができるな。さて、君は僕を殺すのだとして...その次に 一体どうするんだ?」。トム「君を埋めて、偽サインで金を受け取る。」フィリップ「サインはマネできても手紙の偽造はできないぞ」。トム「(筆跡については)君のタイプライターが(このヨットの中に)あるし、文体のほうはマネるのは簡単さ」。それを聞いて焦るフィリップ。 フィリップは殺害計画を思いとどまらせるために、トムにいくらか金を渡すことで彼を追いつめている無銭状態から抜け出させる手を思いつく。そのため賭けポーカーをすることをトムに持ちかけ甲板上のテーブルでそれを始める。やがて、トムが持っている懐中時計が正午(真昼間)をベルの音で告げた。フィリップは2500ドル賭け、八百長でわざと負けトムが2500ドル勝ったことにしようとする。だが、トムはその八百長を見抜き、2500ドルなんて「はしたがね」だ、5000ドルでも少ない、あくまで全財産いただく、(だからフィリップの八百長を受け入れるような安易な取引はしない)このゲームは君の勝ちだと言いフィリップが渡そうとする2500ドルを自分から返上する宣言をする。フィリップが八百長する際わざと落としたカードを拾おうとした時、トムは隠し持っていたナイフでフィリップの心臓をグサリと刺す。「マルジュ!」とうめいて絶命し倒れるフィリップ。トムはすかさずフィリップの死体を帆布で覆い隠す。そして周囲を見回すと人影は全く見えない。トムは死体を重石がわりの碇と一緒に帆布でくるみロープで結わえて海に捨てた。 港に戻った後トムはあらかじめの計画どおり、フィリップになりすまして彼の財産を手に入れるための手を着々と打ち始める。フィリップのパスポートの偽造には、公印の凹凸を粘土で型どりすることでニセの公印を作り、それを自らの写真に押すことで見事に差し替える。フィリップのサインをそっくり真似るため、スライド映写機を手に入れ彼のパスポートの筆跡を拡大して壁に貼った紙に映写し、筆跡の映像を何度も繰り返しなぞって練習し、見事にフィリップと完全に同一のサインをできるようになる。さらに彼の声色も真似てフィリップになりすまし、電話越しで婚約者のマルジュすら騙すことにすら成功する。マルジュがフィリップに会いたがれば、フィリップのタイプライターでつれない文面の手紙を作成しマルジュに手渡し、フィリップに女ができたから会いたがらなくなったのだ、と思わせることにも成功する。トムはこの種の才気と才能に溢れているのだ。 トムは船の仲介業者のところに行き、フィリップになりすましてヨットの売却手続きを進める。ところがフィリップの友人で金持ちで遊び人のフレディ(ビル・カーンズ)が、やはり船を所有していて、同一の仲介業者と取引があり、そこでニセのフィリップ(=トム)の最新の滞在先住所を聞き出し、フィリップに会うつもりでトムが潜伏している住居へ突然現れる。トムはとっさに機転をきかせフィリップは昼食に行った、僕は挨拶に寄ったところだ、と言って誤魔化すが、お手伝いの女性がトムの顔を見て「フィリップ」と呼んだことで、トムがフィリップになりすましていることがフレディに露見、追求するために部屋に戻ってきたフレディを、追いつめられたトムは置物で撲殺する。フィリップ殺害の場合と異なり、このフレディ殺害は事前の計画も何もない。トムは殺人を一件犯した結果、さらにもう一件の別の殺人まで犯すことになってしまったのだ。夜になってからフレディを泥酔した酔っ払いであるかのように装い、苦労して抱きかかえてフレディの車へ運び、その死体を捨てにゆく。発覚しやすい場所を選び死体を捨てる際に「君を殺したのはフィリップさ、僕じゃない」と、まるで自分に言い聞かせるようにつぶやく。このフレディ殺しで警察が動き、トムが滞在中の部屋にも警察が迫るが、きわどいところで機転をきかせ屋根伝いに逃走に成功する。 フィリップが行方不明となり警察はフィリップと行動を共にしていたトムの身辺調査を始めた。トムはフィリップがフレディを殺しどこかに潜伏しているかのように見せるための手を打つ。様々な嘘や小細工を用いて、刑事にそう信じさせる。警察の手先の女に尾行された時も敢えて偽情報を聞かせ、フィリップがまだ生きていてモンジベッロに戻ったと信じさせる。またかねてからの計画通り、偽造パスポートと偽造サインで銀行で1000万リラの預金(実際にはその半額くらいしか預金はなかった)を引き出すことにも成功する。 一方トムは着実にマルジュの心を自分に向けさせる手を打つ。マルジュを自分に取り込んでおいてからトムはフィリップの母宛に「母さん僕は死を選びます。すべての財産を愛するマルジュに贈ります。あなたの息子フィリップより。」という手紙(遺言状)を偽造しポストに投函した。引き出しておいた現金は(結局マルジュに渡り、さらには自分のものとなるように)モンジベッロの部屋に残した。フィリップの遺書とフィリップの口座から引き出された遺産が見つかったことで、それまでトムになにか裏があると疑い周囲をかぎまわっていた刑事も、ついにフィリップこそがフレディ殺害の真犯人で、姿を隠したかあるいは自殺した、と認識を改め、トムを重要な容疑者だとは見なさなくなりローマから離れることも許可した。 マルジュはフィリップが死んだと思い心を閉ざし、モンジベッロの部屋の鍵をかけ、引きこもってもうかれこれ2週間誰とも会わずにいた。トムはそれでも巧みに隙を見つけて部屋にもぐりこみマルジュの心を操りはじめ、フィリップは君を愛していなかったと言い、自分もアメリカへ帰るとほのめかし寂しさにつけこみ巧みに口説く。トムと寝たマルジュは心を許した。 マルジュはトムと日々を重ねるうちに次第に前向きになった。遺言状で贈られたフィリップのヨットも売却することにした。ヨットの仲介業者によってマルジュからヨットの次のオーナーへの引き渡しがおこなわれる日、トムとマルジュはイスキアのビーチで泳ぐ。フィリップの父親と仲介業者も到着して、マルジュはヨットの引き渡しにともなう簡単な検査に立ち会うためにマリーナに向かう。トムは引き渡しの立ち会いはマルジュにまかせビーチに残り、ビーチチェアに手足を伸ばして寝そべり太陽の光を浴び自分のまばゆい未来に酔っているような表情でまどろむ。トムの様子に売店のウエイトレスが気を使い近寄り、「気分はどう?」と語りかけると「気分はいいよ。太陽が照りつけてるからこんな感じなのさ。人生で最高の気分さ。最高の飲み物を持ってきてくれ。最高のを。」と語り、自分が成し遂げた完全犯罪に酔いしれる。 (Wikipediaより)

武本比登志の油彩No.568.

カナディアン・エクスプレス』(Narrow Margin)1990年。アメリカ映画。97分。監督・脚本:ピーター・ハイアムズリチャード・フライシャー監督による1952年の映画『その女を殺せ』(The Narrow Margin)のリメイク。 ロサンゼルスの高級ホテルの一室で、大物ギャング、レオ・ワッツ(ハリス・ユーリン)の顧問弁護士が殺害された。 実はこの事件には目撃者がいた。洗面所に隠れていたキャロル(アン・アーチャー)である。友人の紹介でこの日弁護士と初デートをしたキャロルは、身の危険を感じ、カナディアン・ロッキーの山小屋に身を隠していた。 事件を担当するベンティ刑事(M・エメット・ウォルシュ)は徹底捜査の末、目撃者キャロルの存在とその居場所を突き止める。ベンティはコールフィールド検事(ジーン・ハックマン)と共に、キャロルの隠れる山小屋に向かう。 2人はキャロルに法廷での証言を求めるが、報復を恐れるキャロルは応じない。その時、組織の武装ヘリが山小屋を襲撃、ベンティは命を落としてしまう。 キャロルを連れ、山道を逃げるコールフィールド。執拗に後を追う武装ヘリ。何とか追跡を逃れ、バンクーバー行きの特急列車に乗り込んだ2人。しかし、殺し屋2人もまた列車に乗り込んでいた…。(Wikipediaより)

「ポルトガル淡彩スケッチサムネイルもくじ」

2811-2930 2691-2810 2571-2690 2451-2570 2331-2450 2211-2330 2091-2210 1971-2090 1851-1970 1731-1850 1601-1730

 

武本睦子作品No.112.

 

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