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「幸福の黄色いハンカチ」

2007年10月13日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★---:平均レベル(人によっては)]
 山田洋次監督の1977年の作品で、 高倉健が新境地に挑戦した映画である。高倉健は「出所後食堂で旨そうに食べるというシーン」の撮影に2日食事を抜いて臨んだという。映画は、やや「黄色いハンカチ」のアイディアに惚れて気持ちが先行してしまった感じがあり、後の「遥かなる山の呼び声」に比 べるとアラが目に付く。高倉健の黄色いハンカチのシーンが見せ場であるにもかかわらず最初から武田鉄矢が出過ぎているのがバランスを悪くしている原因の一つと思われる。ま た、北海道の観光的な要素も含まているが表面的で、主題に関係のないものが入り込みすぎた感じも否めない。
 なお、山田洋次監督は、この映画の3年後の1980年に、やはり北海道を舞台にして、同じようなキャストで「遥かなる山の呼び声」という作品を作っているが、この映画との筋的な関連はない。「遥かなる山の呼び声」の方が遙かに映画としての完成度は高い。

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:山田洋次
出演者:高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり、渥美清
Story:
刑期を終えた男が妻の元へと向かう高倉健主演の人間ドラマ。失恋のショックで仕事を辞め北海道へドライブの旅に出た欣也は、同じ失恋で傷ついた朱美と炭鉱夫を名乗る勇作と知り合い、3人で旅をする。だが、勇作にはある秘密があった。(幸福の黄色いハンカチ)