蘊蓄cafe

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人工知能は

2016年06月08日 | Weblog

 囲碁ソフト天頂の囲碁6(ZEN)にしろ、iPhone の Seri にしろ、これまでの製品とはレベルが違う。改良されて良くなったというより、別の次元の製品になったという感じがする。

 これらには、いずれも「ディープラーニング」という手法が用いられている。昔、用語としてよく使われた「人工知能」に関する技術である。人工知能は、コンピュータ上に人間の知能を実現することを目標としている。

 スーパーコンピュータ京では、天気予報や地球環境のシミュレーションなどで、人間の能力をはるかに超えているし、普通のパソコンと同レベルの処理内容であっても既にかなり前から人間はかなわない。しかし、これには知能に関する技術ではなく、単に人間が考えた数式を早く演算する計算機である。だから、いくら速くなったとしても、人間を超えたと騒がれることもない。

 大昔、パソコンソフトでも「人工無脳くるみちゃん」という、半分ジョークもどきのソフトがあった。大昔の人工知能、エキスパートシステムは、これと同じで、if ~ then 構文を蓄積することで実現しようとしたが失敗した。全てを if ~ then で記述できる訳がないのだ。

 今の人工知能は、ハードウェア・ソフトウェアで、脳の構造・機能を実現しようとしている。ディープラーニングもその過渡期にある技術で、ニューラルネットワーク(脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル)を多層構造にした機械学習手法だ。
 この手法とビッグデータを組み合わせることで、自動学習させることができる。驚くべきことに「Googleが開発したグーグル・ブレインは、猫の概念を学習することに成功した」という。これは犬、これは猫と教えた訳ではない。それらをごちゃまぜにして読み込ませたら、猫について他のものと異なる概念が存在することを見つけたのだ。あとは、人間が一度だけ「それは猫と言うんだよ」と教えてやればいいことになる。

 まさに、ここが脅威に感じる人が多いところだ。
 人間が命じて、解決策を見つけさせたりするだけではない。究極の人工知能は、命じられなくても、自分で学習していく。自分自身のプログラムを自分で書き直して改良したりもするだろう。もはや人間には、人工知能が何をやっているのかリアルタイムで把握することは不可能になるだろう。
 研究開発は、人間ではなく、人工知能が行う。癌など多くの病気は撲滅されるだろうが、それを実現するのは人工知能だろう。

 そういった世界が、私が生きているうちに(^^;訪れると思っている。
 また、人間そのものが物理的な存在であり、いまの技術だけでは困難だが、究極的には、人工知能は、感情をもつ人間と同じ存在になるだろう。そして人間と同じように、悪いことを考える人工知能もでてくるだろうと。


サバイバル

2016年06月04日 | Weblog

七飯町での不明の男児が発見されたのは何より。

でも無事だったのは、偶然が重なったにすぎないのだな。自衛隊の施設にたどり着いたこと、水があったこと。
少年のサバイバル能力が優れていた訳ではない。

むしろ早く現場から離れたのは重大な判断ミスだし、次の日か、次次の日に現場に一度戻っていれば、発見がもっと早まったかもしれない。
大人だと、次の日に現場に戻って、誰もいなかったら自分の帽子を道に置いたりして施設に戻ったりと、いろいろするのだろうけれど。7歳では他人がどう考えるか・行動するかまでは考えることが難しいのだろう。これができるような子供であれば、他人の車に石を投げたりしないだろうけれど。

両親は、置き去りにするつもりはなく、置き去りになってしまったということかと。