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知って得する!トリビアの泉
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大阪府大東市・中川達央(会社員・38歳)
 妻が長く望んできた内職を始めた。ところがよりによって土日に集中した仕事で、妻は私が休むのを横目に、家事も仕事もしなくてはならなくなる。かねて妻が仕事をすることで日々に張りを見いだすことを望んできた自分だったので、私は一念発起して台所に立つことにした!

 といっても、これまで料理は全くしてこなかった。料理本を読んでも妻に聞いても、微妙な感覚がどうも分からない。塩コショウ少々って……? 妻が器用にフライパンを返すのをまねると、具が大量に吹っ飛んだ。

 ともかく、内職中の妻の手を遮りながら、野菜たっぷり肉たっぷりのカレーライスを作った。自分で味見をしてみたが、よく分からん! 皿によそい、恐る恐る子供たちに聞いた。

「おいしい?」

 そのとき、ふいに子供のころの記憶がよみがえった。母が「おいしい?」といつものように聞いてくる。「おいしいよ」という言葉が単純すぎて、答えるのがおっくうで、無愛想に首を縦に振るだけの私……。

 今、あの時の母の気持ちが分かった。子供たちに手作りのおいしいものを食べさせてあげたいという思い。そのために頑張った自分。味付けへの不安。母はいつもこんな気持ちで料理を作ってくれていたのか。

 子供たちはカチャカチャと音を立ててカレーをせっせと口に運んでいる。母への感謝の気持ちがこみ上げてきた。

毎日新聞 2008年4月6日 大阪朝刊

追伸
 私は幼いときから「男子厨房に入らず」の教育を母から受けてきたので、台所で冷蔵庫の蓋を開けているところを、見つかろうものなら、母からこっぴどくしかられた。こういう教育を受けてきたものにとっては、大人になってからも、冷蔵庫の蓋を開けることに抵抗があるものである。



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千葉県四街道市・荒木紀子(主婦・67歳)
 今年は何度もお花見ができた。快晴が続く日、家族の昼食を作り置き、私は一人で花見に出掛けた。住宅街を歩き、田んぼを通り、歩いて1時間を要した。広い園内には桜がいっぱい。すぐ近くの桜並木となっている大通りも通勤時間帯を過ぎ、一瞬の静けさを感じる。「いいなあ」。私は声に出して言った。10時前の公園に一人で散歩に来たのは初めてだ。

 5台あるブランコの真ん中に座って、あたりを眺めた。犬の散歩の人、花見提灯(ちょうちん)の下でお兄さんが朝食(?)を食べている。朝陽(あさひ)の中にゲートボールをする人が集まっている。私は両足をそろえ、青空と桜に向かい、ブランコをこいでみた。何十年ぶりだろう。

 子供のころ、友と競い空に向かってこいだ。母となり、子供の背をゆっくり押した。こんなに優しい気持ちになれるブランコ。20、21……60、61……67。私は乗っている間に数を数えだし、自分の年齢でブランコを降りた。その間、ずっと桜と青空を見ていた。

 屋台のお兄さんが開店の準備を始める。保育園の子供たちも手をつなぎ通って行く。11時を過ぎ、街にも公園にも活気があふれ出す。本屋へ立ち寄り、また桜、水仙、パンジーと春の花を見ながら、別の道でわが家へと帰る。家へ着くと、夫は朝と同じ状態で読書。「ハイ、お土産!」。私は土手で取った菜の花と水仙を手渡した。

毎日新聞 2008年4月17日 東京朝刊

追伸
 「夫は朝と同じ状態で読書。」私の場合だったら、「夫は朝と同じ状態でパソコン」だろう。なんか寂しい気がする。もっと妻との対話を心がけよう。そういえば妻が語りかけているのに、いつも生返事ばかりしていたことに気づいた私であった。



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北九州市若松区・福岡輝子(無職・71歳)
 区役所で開催されている「お口いきいき教室」に誘われた。

 歯抜けばあさんの代表みたいな私でも、まだあきらめるということなどちらとも考えないで、即座に「行きます!」と返事をした。

 若いころは容姿端麗とまでは言えなくても、人並みの顔立ちはしていると思っていた私。けれども、今や見る影もない。

 しわも染みも老眼鏡無しでは何も見えないのをこれ幸いに、毎日鏡台の前ではすましていることができる。それでも、歯の無い口元のゆがみだけはしっかり見えてしまうのが何とも悔しい。

 「この顔を見ることなく逝ってしまったあなたは幸福だったかもしれないわねえ」と、心の中で今は亡き夫につぶやき、今朝もお勤めのお経を唱えるのであった。

 今さらお口のケアを始めても手遅れだということなど、誰に言われなくとも重々承知している。けれども、わずかに残っている貴重な歯を何とか保って、一日でも長く元気で過ごすこと。そして、あなたに温かいご飯をお供えすること。それが、せめてもの私の役目と思い定めているのだ。だから今日も空元気を出して、意気揚々と教室に向かうのである。

 《僅(わず)かのみ残りし我が歯いとおしく 手遅れなれどケアに勤(いそ)しむ》

毎日新聞 2008年4月16日 西部朝刊

追申
 私は難病なので、とても70歳まで生きられるとは思っていない。この女の人のように、長寿できたら、万々歳でしょう。でも、できるだけ歯を磨いて、健康を保ちたいと思う。





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 バイエル薬品の研究チームのほうが、山中教授のチームより、iPS細胞の発見製作が早かったと昨日報道された。今日、新聞を読んでいたら、山中教授のことが書いてあった。我々の研究成果には、自信を持っている。もしも、バイエル薬品が自分たちと全く同じ方法で、iPS細胞を作っているなら問題はないが、違う方法で作っていたなら問題である。そして、もう一つ重大な問題がある。もしもバイエル薬品が研究の主導権を握れば、世界の研究者がiPS細胞を利用する時にお金がかかってしまうことである。これはiPS細胞関連研究にとって、非常にマイナスの効果である。京都大学が主導権を握って、世界の研究者にiPS細胞を配ることによって、研究が早く、成果も出てくるであろう。
 私は、山中教授の考え方に賛成だ。一刻も早く研究成果を上げて欲しいものにとっては、世界の頭脳が考えやすい環境を提供することが、急務だからである。私の病気である脊髄小脳変性症を根本的に遺伝子レベルで治癒できる薬を迅速に開発してもらいたいものである。



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愛知県豊橋市・水谷一子(主婦・56歳)
 いつのことやらと思いつつも、胸の奥では楽しみにしていた長男の結婚話。それは息子から、「会ってほしい人がいる」という突然の報告から始まった。まだ会ってもいなかったが、うれしくて、ちょっぴり涙が出て、はしゃいでしまった。対面した彼女は想像以上にすてきで可愛らしいお嬢さんだった。主人と私は手をたたいて喜んだ。
 彼女は素直で気立てがよく、私が一番気に入っているのは返事だ。何とも気分がいい返事で、うれしくてたまらない。きっと親御さんの育て方がよかったのだろうと思うと、ますます大切にしなければと思った。我が家に舞い降りた天使!自営業の家へ嫁ぎ、彼女も急激な変化の中での生活なのに皆の中にうまく溶け込み、次男の婚約者とも仲が良い。何よりの幸せだ。
 そして、また幸福の二重奏!予定日よりも少し早かったが、私の誕生日の次の日である3月15日に彼女は目が充血するほど頑張り、まばゆい2世が誕生した。さくらと命名する。しかし、さくらを抱っこした翌朝、私が緊急入院するとは誰が予測したでしょう。これも神様のよき計らいだったような気がしてならない。私は思いのほか快方に向かい、もうすぐ退院する。そして再び2人の天使を抱きしめられる。ああ、何という幸せ!
毎日新聞 2008年4月12日 中部朝刊

追申
 よいお嫁さんが来てくれることになって好かったですね。お母様の評価が満点なら、私は言うことはありません。



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