野球を振り返ってみましょうか。。。
最近、なにげに話題を呼んでいる”限定ユニフォーム”、”復刻版ユニフォーム”。
昨年は阪神、巨人そして西武が。
今年はソフトバンクが南海を、そして西武が西鉄を復刻版ユニフォームとして復活させ、大きな話題になりました。
広島は、市民球場がラストイヤーということで、ユニフォームを復刻。
また、先週末にはやはり市民球場ラストを彩るOBの試合が行なわれ、そこでも往年のユニフォーム姿でOB選手が走り回ったようですね。
企画的には、大成功だったことでしょう。
時代と歴史を継承しているという意味では、おおいに意義のあることでもあります。
とくに、機能性を重視し、デザインも多種多様、、
いや、凝りすぎてる感も否めないユニフォーム。
やはり復刻版というのは、知ってる世代には懐かしい。知らない世代には新しい存在であり。
新鮮でいて、かつインパクト大な企画であると思います。
「継承」という意味では、、
ホークスの南海、西武の西鉄という今回のユニフォームには、ちょうど西武の埼玉移転と、ホークスの創立70周年および福岡移転20周年という背景があります。
また、
南海ホークスと西鉄ライオンズ。
この2チームは、われわれ若い(知らない)世代の人間にとっても非常に人気のあるチームでもあります。
伝説と化している部分もありますし、やはり長年親しまれてきたという実績のあるチーム、そしてユニフォームなだけに、いまでも語り草になっているからでしょう。
ゆえに、
パリーグファンを中心に今回の2チームの復刻版には非常に期待が高かったようです。
おもえば、
個性的なチームがあり、個性あふれる選手がたくさんいた往年のプロ野球。
やはり娯楽も少ない時代でしたから、ステイタスシンボルという意味でも現代とは
思い入れが違うことでしょう。
それは、王、長嶋人気に隠れた”人気のない”パリーグでも、同じことだったと思います。
人気はなくても、球場に来てくれるお客さんにはチームへの愛があった。
そんなわずかなお客さんの声援と、セリーグには負けたくないという反骨心が選手を研ぎ澄まさせた。
それに、かつての日ハム、大社オーナーのような、チームに愛情を感じる名物オーナーもいらっしゃいました。
”野球が好き”という気持ちも、現代の選手やファンには、往年の方々にはかなわないかもしれません。
ボクでも若い方のファンだけど、逆に往年ファンの域に入った思い入れをちょっとだけ語ると、、
ボク(今年30歳)が小学生のころと比べても、、、
※球場に来られる機会は増えた。
⇒昔は徹夜でならんでチケットを買ったんですから。
※テレビだって便利になった。
⇒ネットだってスカパーだってあるんだから。
※グッズだってバラエティ豊かになった。
⇒昔はレプリカユニフォームなんて売っていなかったんだから!!
この3つめの話。
この”本題”にリンクさせましょう。
現代の子供よりよっぽど恵まれてはいなかった。
でも、恵まれていない分、選手への憧れや野球に対する愛着の心は深かったのだと思います。
また、
現代は、便利になったばかりにファンの規模が大きくなっただけでなく、”秩序”や”マナー”が欠如してきて、手段を問わずに自分の好きなようにアピール(それが暴走にエスカレートする)するようなファンも増えてきたようで、選手との距離は便利になった代わりに遠くなってきてしまっている、、
そんな気持ちがしてなりません。
まぁ、
何を言いたかったのかというと、復刻版ユニフォームに見る昔の野球界のもたらす魅力。
現代のファンよりも純粋で深かったのかなぁ…と。
だから、時代を超えても、単にもの珍しいだけじゃない。
なにか不思議な魅力を放っているのではないかと思うんです。
また、
復刻版ユニフォームを作れるというその歴史の深さです。
南海も西鉄も、紆余曲折あって球界から撤退した会社です。
西鉄がなくなる=九州にプロ野球がなくなる
このとき、九州の西鉄のファンは大いに悲しんだそうです。
「ライオンズをかえせ!」
なんて歌が出たくらいですから。
逆に、ホークスが九州に来て、九州にプロ野球が戻ってきた!
と、喜びの涙を流したファンもいれば、南海の消滅で嘆いた大阪のファンもいた。
南海人気は、いまだに関西をはじめホークスの応援団が緑色の法被を着ているところからも受け取れます。
とはいえ、皮肉めいた歴史がありながらも、両チームは”当時と同じチーム名”を残し、復刻版ユニフォームを作ることができた。
それをファンは素直に喜んでいる。
それは素晴らしいことだと思う!
…
パリーグは不人気ゆえに、チームカラーも本拠地もあちらこちらと動いた。
そうです!
近鉄とオリックスブルーウエーブだって、なくなりました。
選手が、チームが、同じ地で同じ色のユニフォームにあこがれて応援されてきている。
これがどれだけ深い財産や文化をもたらしてきているか。
日本の球団は、親会社のスポンサーの役割をもって運営されているので、親会社が変わればカラーは変わる。
逆に、
アメリカなんか行くと、7~80歳のおじいちゃんなのに、よく見たら腕に球団のペットマークのタトゥーを入れていた。。
なんてこともよく聞く。
それだけ、地域の生活や文化、歴史に大きく入り込んでいることだと思う。
野球チームとファンは、たんに興行としてのビジネスの関係でない。
選手もファンも、そのチームに愛情をもって、接している。
また、チームの本拠地を持つ土地は、地域の歴史、文化の観点でも大きな功績を受けている。
ボクの周りにだって、”親子三代中日ファン!”
って、いっぱいいらっしゃいますからね。
だから、ファンの皆さんにはほんとうに誇りを持って応援してほしい。
お金と情熱をいっぱいつぎ込んでいるチームなんだから、トコトン愛してほしい。
”復刻版ユニフォーム”なんてものができる、明るい話題として語り合える。
そんな話題の中に、多くの歴史とファンの情熱があること。
忘れないでほしい。
……
なんて言っていたら、、
オリックスが阪急、近鉄の復刻ユニフォームを検討
なんて話も現実味を帯びてきた話も飛び込んできました。
合併球団を前向きに受け入れている側としては、まぁ近鉄・阪急の栄光をしっかり認めるという意味では、西鉄、南海同様、いまの選手が当時のどちらのユニフォームを着てもおかしな話ではないと思います。
しかし、
未だに合併をよろしく思っていないファン、また旧チームの印象や思いいれがまだ強い方には、やはり逆なでされる思いはあるかもしれません。
賛否はあるとして、ボクは否はしませんが、、
合併云々の縛り抜きに、「Bs」として前向きに発言するとして、もっと胸張れるチームで、胸張れるを実績を作ってからやってほしいとは、個人的に思いますね。
今年は2位まで躍進できましたが、この結果、よりカタチにしていくのはこれから。
まだまだ本当の意味で軌道に乗っているとは思えないので。
単に営業戦略的に考えていたり、流行に乗るつもりでやるのなら、それはどうかと思います。
それこそ、”ビジネスライク”と”誇り”をバランスよく守って、真摯に継承するという心意気。
そこに温度差ができてしまってはいけません。
オリックスは、そういうところ、”かなり”空気を読めないので…。。
(おい、聞いてるか?フロント)
そう、”誇り”なんですよ。
ファンが楽しみにしているのは、強いチームと強いユニフォームに憧れているんです。
誇りを持って応援しているんです。
それが、歴史になり伝統になっていくんです。
いま、
オリックス・バファローズが阪急と近鉄の威光を尊重できる身か。
今年の2位はプライドといえる自信といっていいものか。
たしかに、
ファンにもチームにも、今年の結果はチームに明るい光りをさした。
しかし、
はたして、
温故知新にはオリックス・バファローズは機が熟しているか。
それは引っかかるんだなぁ。
フロントに言いたい!
ファンがいつまでも胸を張って応援できるため、守るべきものは守ってほしい。
会社の都合やビジネスライクだけで、ファンの期待を裏切るような体制をとってほしくない。
日本でたった12個の、日本を代表する”野球という文化”の発信地なんだから!
その責任感。
感じてほしい。
「復刻ユニフォーム」は過去の栄光を正しく尊重するための企画。
正しく継承するという意味で、いまのチームの実力と、親会社の思惑をしっかりと意思表示もしてほしいしね。
そうでないと、いつまでも反感買うよ。
ファンが求めているものは、人気選手を引き抜いてできたような”人気”だけじゃない。
元メジャーリーガーを臨時コーチに呼んで出来た”話題”じゃない。
そんなもの、
”ホンモノ”の魅力と、その支持をもったファンの”力”にはいくら束になってもかなわない。
ちょっと風が吹いたら倒れるような一過性の話題。
それこそ75日も持たないんじゃない(笑)??
悪いウワサよりもサーッとひかれて忘れられちゃう。
”ホンモノ”を作り上げていって、少しずつでいいから、チームが根付いて、ファンが育つ。
そこまで出来て”優勝”できれば、いいよね。
他のチームだって、低迷の時期、危機の時期はいっぱいあったんだから。
ビジネスの観点で考えてもそうじゃない?
ホンモノは残る!
チームのシンボルってモノが何なのか。
ファンが誇りを持てるものって何なのか。
夢や希望が売れない営業戦略なんて、野球の世界ではビジネスライクじゃない!
興行としては失格な、いまどきのイケイケ企業の”無責任”で”独りよがり”な方針なだけです!!
そう言う会社は、こぞってメッキが剥がれるようにボロボロになっていってる現実を、見ているでしょうが。
誇りを持てるチームで、誇りを持って、
芯のあるプロ野球の発展を!
真の野球文化の発展を!!
祈るのみです。
たとえば、
いま着ているユニフォームが、半世紀後に「復刻ユニフォーム」となるように。。。