せいかつ創庫

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高畠康真の生涯に迫る!!

2008年01月18日 | 大須ボールパーク(野球コラム)
高畠導宏(康真)さん

皆さんご存知ですか?
30代以上のパリーグファンの方はご存知かと思います。

「あぶさん」を愛読されている方もご存知でしょうね。

元南海、ロッテなどでコーチをされていたプロ野球選手です。
4年前に癌でお亡くなりになってしまいましたが、この方の生涯がこんどドラマで放映されます。


NHKドラマ「フルスイング」



高畠コーチは、「あぶさん」の漫画でも野村監督の参謀として、ストーリー内でも重要な存在の方ですが…、ずいぶん若いうちからコーチをされていたんだなぁ、、、と思っていました。

何しろ、野村監督は南海時代は選手兼任監督。
40歳前後に監督をされていたわけですから。
高畠コーチはなんと29歳で引退をし、コーチに転任されたのです。

現役は3年。肩の故障で引退をされ、それからずーっとコーチとして南海をはじめ各球団を渡り歩き、独自のセンスと熱意あふれる指導でさまざまな選手のバッティングを開眼させます。


有名なのは、落合博満(てか、若っ(笑)

オリックス在籍もあり、イチローや田口の若手時代にも打撃指南をしています。

こういう方、いらっしゃいますよね。
選手としてより、指導者として大成される方。
人をよく知り、よく理解して指導をすることのできる。
なかなかなれない素質であり、人間的にも素晴らしいことだと思います。

ファームを長らく見ているボクにとっても、こういった若い選手、伸び悩む選手を親身になって指導されているコーチの方、裏方の皆さんの存在にとても感銘するときがあります。
実際、指導者として尊敬できる方もいらっしゃいます。
高畠氏も、そんな熱意あふれる人望あるコーチとして、華やかな世界を支えてこられた方でした。


そして、高畠氏はそのコーチでの経験をさらに生かすべく、第二の人生として教鞭をとる道を選びます。
通信制の大学から教員資格を取得し、還暦間近で高校の教員として新たなスタートをします。

ドラマは、そんな高校の先生になられた高畠氏の姿を描きます。


主演(高畠氏役)は、高橋克実さん
※劇中では「高林」という架空の名称となります。

コーチ時代の、厳しいプロの世界で学んだ熱意ある指導で、思春期の生徒たちや、現場の教師たちに大きな影響を与えていくというお話です。


しかし
高畠氏は、念願の教員になられてわずか1年で、すい臓癌に倒れそのままお亡くなりになります。
高校野球の監督として甲子園に出場することも夢でした。


じつは、この物語には原作がありまして、


甲子園への遺言という本なのですが、ボク、この本が出たときに本屋さんで一回手に取っているんですよね。

でも、そのときは買うのをやめて、次に気づいたときには売り切れていて、まだお目にかかっていません。
そして、この本を手にした時に、高畠氏が教員になられ、しかもすでにお亡くなりになっていることを知りました。

多感な時期を過ごす少年少女にとって、どんな存在の先生であったか。
プロの一線で長くやってこられた努力と築き上げた力を、プライドを捨ててどのように伝えてきたのか。

いや、、、”野球選手だった”という俗物のようなステイタスのようなプライドなんて、もともと持っていなかったのかも。
そしてむしろ、プロの厳しい世界を乗り越えてきた力を、胸を張って教師という場所にのぞんでいたのでしょう。

野球も教育も同じだ、という信念できっと高畠氏は教えたかったのだろうし。。。
高畠氏のあたたかな気持ちを感じることができれば、と思っています。


ドラマでどのように描かれているか、高橋克実さんがどのように演じるか。
とても楽しみです。

このドラマ、
明日から6回シリーズで、NHKから毎週土曜日の午後9時より始まります。

高畠氏はドラゴンズでもコーチとして活躍されていたので、ぜひ新井良太ファンの皆さんも、ご覧になってみてください。


追記:
高畠氏はコーチになってからの昭和52年以降に、本名の導宏から康真という名前で登録をされていました。
史実ならびに原作・ドラマでは本名の導宏という名で進行されていますが、ボク自身高畠氏の印象が”コーチ高畠康真”であったため、個人的に功績を称えるつもりで、タイトルにはあえて「高畠康真」と明記させていただきました。


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5 コメント

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Unknown (階段)
2008-01-19 12:51:14
僕も打撃コーチとしてどれだけ多くの選手を輩出したか・・・というのは存じ上げている方ですが、やはりBWでコーチされている姿を身近で拝見する機会があっただけに、忘れられない印象が残っている方です。
一緒に写真撮らせていただいたこともあるだけに、突然の訃報で言葉が出なかったのを最近のように思い出します。

高畠さんといえば・・・出待ちの際、非常に遅くまで球場にいらっしゃって、そして更に徒歩圏内にある青濤館に、夜遅くに歩いて出向くところなども見たことがありました。
そんな熱心な指導者ぶりの印象も強いですし、更に高校教師として活躍されてた話を聞くと、余計に亡くなられた無念さを感じます。
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Unknown (赤い悪魔)
2008-01-19 15:20:41
高畠さんって亡くなられていたんですね。全然知りませんでした。ドラマ見てみます。本もアマゾンあたりで探してみます。僕も一度手に取ったことはあると思うんですが。
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はじめまして。 (fullswingフル(スウィング))
2011-03-01 09:41:49
 はじめまして、大変貴重な記事ありがとうございます。私も、大ファンで、といっても、このドラマで知ったくらいなのですが、いまはロッテファンでブログを書いてます。オリックスも仰木監督時代と、清原の晩年、中村ノリがいなくなるあたりまで、応援していました。今年は、オリックス金子千尋が残念なこととなりましたが、復帰を願って、Mをやっつけてください。(私はをこれを、どMと呼んでいます。(笑))すいません、ぜひ、一度遊びに来てください。まだ、引っ越したばかりで、殺風景なのですが、交流できればと思います。去年は、京セラにも、9月2度、金子千尋の田口のホームランの日、西岡の200の日、に行ってます。
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初めまして (lenny-tohno)
2014-03-08 14:38:42
はじめまして、千葉県在住の‘パ’リーグファン、一人暮らしの猫飼い、Lenny-tohnoと申します。
「高畠コーチ」で検索して、こちらの記事を拝読しました。

残念ながら、故人となってしまいましたが、高畠コーチは、無名ですが、評価さるべき人だと思っていました。

私にとって、高畠氏は、中学から読みだした、水島新司の『あぶさん』の中で、野村監督の参謀格としての印象が強く、あぶさんに登場しなくなった後に興味が有りました。

プロの世界を離れて、教員免許を取得し、高校野球部で監督を務めるため、規定の期間を教員として教壇に立つ。
不定期で、(小さな囲み記事)新聞記事で名前を読んだ時、ずっと気にしていたのですが、志半ばで亡くなってしまいました。

NHKで放送された、ドラマ『フルスイング』、その原作本『甲子園への遺言』も読みました。

先月ですが、某古書店で、4年前に(自費)出版された、『客は幾万来なくとも』(副題は、川崎球場一部始終)を購入し、読みだした所でした。
フィクションなのか、ノンフィクションとして読むべきか、判断に迷っていますが、その中の中心人物として、高畠コーチが登場しています。
内容はほぼ実話だと思いますが、高畠氏を知る上では、『甲子園への遺言』以上に、『客は幾万来なくとも』が、貴重な資料だと思いました。
(まだ読みかけですけど)

高畠コーチが、あぶさんに最後に登場したのは、‘褐色のプロフェッショナル’こと、大楽太陽投手が、近鉄を自由契約にて退団後、ロッテに自ら売り込み、景浦専用投手として入団、移籍後の初対決で、ワンバウンドした球をスタンドに運ばれるシーンの後。
オリオンズベンチ内で、当時の山本監督と言葉を交わすシーンがありました。
私の記憶では、あぶさんに登場する高畠コーチはそれが最後でしょうか。

長文失礼しました。

Lenny-tohno
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作者冥利に尽きます (前野 重雄)
2014-07-19 17:25:56
『客は幾万来なくとも』の作者でございます。貴殿のタカさんに関する温かき書き込みに目を細めておりましたが、突然小生の書いたものが登場しビックリ。「お褒め」(?)まで賜りましてありがとうございました。 あれはもちろん「ノンフィクション」なのですが、本当の男らしい男達というと「黙して語らず」というもの。 番記者にもロクに語らなかった史実をタカさんを中心にしたオリオンズ選手らとの交流をもとにエピソードを記録するうち、出版のお話や授賞などの「きっかけ」はあったのですが、そうした事実を書いてしまったら、きっと『あいつはお喋りだ』といった烙印を捺されてしまうでしょう。  それがたかが私の本を出すという行為のウラに貼り付いてくる・・・というのであれば、いつか昔話として消化できる日まで出版を控えるのが等しく男の心に近づける最低条件ではないかと思いました。  そうしたら、「野球ネタ」では本などとっくに売れない時代にまでなっておりました(笑)。
ですが、貴殿のようなしっかり視線を真っ直ぐ見据えた読み手様に評価戴けたのは書き手としましてもまさに作者冥利に尽きるというものです。  どうもありがとうございました。今般ようやく高名な校正家の赤ペンが入って3版を刷る運びとなり、これではじめてもっと読みやすくなるんですけどねえ・・・(笑)
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