新・臨床検査の光と影

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インシデントレポートの目的外転用(4)

2012-11-06 10:14:20 | 臨床検査技師の業務

      インシデントレポートの目的と役割 

 6月のある日、突然の電話でした。

 

 「インシデントレポート数の多いことを理由に、病院管理者から、検体検査室業務から外され、新たに創った検体検査のための採血業務専門部署に配置転換を言い渡され、第1回目の労働審問を終えましたが、第2回目の審問で、証人になっていただけないか」といった内容でした。

 老体でもあるし、遠方でもあり、旅費もかかるし、現役を退いて20年にもなるとことなどで、証人の承諾を躊躇していましたが、やがて送られてきた5月24日の第1回審問調書を通読して、余りにもS会病院管理者の出鱈目さに、承諾せざるを得ない義憤を感じて求めに応じました。

 ①インシデントレポートの目的外転用

 ②厚生労働省リスクマネジメントマニュアル指針違反

 ③臨床検査技師の採血行為に関する臨衛技法違反

 ④検査室への不可思議な管理体制

 ⑤検体検査のブランチラボ化の強行

 ⑥労働審問申立人であるO検査技師に対する、明らかな不利益処分等々

 S会病院当局の過誤、不当性、不知故の過ちを糺す必要性を痛感して、証人になることを承諾、膨大な陳述調書の作成と、証言者の陳述書の通読に取り掛かりました。

 ほどなく、北海道庁・労働局から、証人許諾の正式書類が届きました。 


インシデントレポートの目的外使用(3)

2012-11-01 16:29:41 | 臨床検査技師の業務

     背景に病院経営側の労働組合嫌い

 このS会病院、様々な不当労働行為や、これに近い過酷な勤務条件の押しつけや、経営難を理由にした不当解雇の乱発などに対して、結成された労働組合と、これにかかわった職員を解雇する、あるいは降格処分するといった事件が続きました。

 卒業した看護学生への、不当な「お礼奉公」をなくそうと、声を上げた講師が労組結成に参画し、副委員長となると解雇通告する、あるいは労組委員長である臨床検査技師への数々の嫌がらせ、その都度、不当労働行為を労働委員会に提訴し斡旋案が示されても、一向に改善しない、団体交渉も拒否、これらが本事件の背景にあり、発端でもあったのです。

 業を煮やした経営側は、労組の中心的存在である、臨床検査技師の処遇に手を付け始めました。

 一つは、検体検査室のブランチラボ化によって、検体検査担当技師を配置換えする狙いであり、二つ目が、こともあろうに、いきなりインシデントレポートが多いことを理由に、不当な配置転換の発令です。しかも、この道30年のベテラン検査技師に、採血専従の職種を新たにつくって、分断を図ろうとした経営側の、労働組合に対する怨嗟か遺恨か、そんな類に見えてなりません。

 O検査技師は、この配転によってもたらされた「不利益を回復し、元の職場に復帰させるよう」北海道・労働局委員会に対し、S会病院の不当労働行為について、労働審問に申し立てを行ったわけです。

  11月、第4回目の労働審問が再開されます。