新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

インシデントレポートの目的外使用(3)

2012-11-01 16:29:41 | 臨床検査技師の業務

     背景に病院経営側の労働組合嫌い

 このS会病院、様々な不当労働行為や、これに近い過酷な勤務条件の押しつけや、経営難を理由にした不当解雇の乱発などに対して、結成された労働組合と、これにかかわった職員を解雇する、あるいは降格処分するといった事件が続きました。

 卒業した看護学生への、不当な「お礼奉公」をなくそうと、声を上げた講師が労組結成に参画し、副委員長となると解雇通告する、あるいは労組委員長である臨床検査技師への数々の嫌がらせ、その都度、不当労働行為を労働委員会に提訴し斡旋案が示されても、一向に改善しない、団体交渉も拒否、これらが本事件の背景にあり、発端でもあったのです。

 業を煮やした経営側は、労組の中心的存在である、臨床検査技師の処遇に手を付け始めました。

 一つは、検体検査室のブランチラボ化によって、検体検査担当技師を配置換えする狙いであり、二つ目が、こともあろうに、いきなりインシデントレポートが多いことを理由に、不当な配置転換の発令です。しかも、この道30年のベテラン検査技師に、採血専従の職種を新たにつくって、分断を図ろうとした経営側の、労働組合に対する怨嗟か遺恨か、そんな類に見えてなりません。

 O検査技師は、この配転によってもたらされた「不利益を回復し、元の職場に復帰させるよう」北海道・労働局委員会に対し、S会病院の不当労働行為について、労働審問に申し立てを行ったわけです。

  11月、第4回目の労働審問が再開されます。