新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

インシデントレポートの目的外転用(7)

2012-11-22 12:19:14 | 臨床検査技師の業務

        労働組合対策はいよいよ熾烈に!

 インシデントレポートの収集、整理、共有、原因究明、危険度の判定まではいいとして、その後の討議、研究調査、フイードバック、公開広報、共有、再発防止策がほとんど討議されず、依然として再三にわたってリスクマネジメント委員会は、検査室に対し、「どう改善する気か」と迫るばかりで、病院長は「モチベーションが足りない」というばかり。

 およそ管理者や上司が、部下の職員に「モチベーションの不足」を嘆くとき、自らの管理・指導能力のなさを曝け出し棚にあげて、部下職員を「ダメ人間」にしたがるものです。

 そこには相互信頼も尊敬も協働意識も芽生えません。

 S会病院の臨床工学士が、事務長に抜擢されました。抜擢された事務長は、そのまま検査科長兼任になりました。

 医療労働組合対策の一環としての監視行為か、嫌がらせなのか、これにはある種のプレッシャー的効果を狙った意図がうかがえます。

 検査科内で一緒にインシデントレポートについて、ひざ突き合わせて話し合ったり、改善策を真剣に討議した形跡は微塵もありません。

 およそ検査技師のカリキュラムと違う職員が、病院事務長に抜擢されるのはいいとしても、検査室全般を管理・指導するというのは、あまりにも意図的で異例な人事を感じさせます。 

 そのうえ、検体検査管理加算Ⅱを取得している病院ですから当然、検査室に常勤している医師がいるはずですが、影も形もなく、リスクマネジメント委員にも名を連ねていませんし、検査科中心の発言記録にも一切ありません。

 常時0検査技師の仕事の近くにいて、検体検査全般を管理し、評価・判定し、臨床にフィードバックするのが任務ですから、専従医師は常時、申立人である0検査技師の技術や技量、性格や適格性まで、十分見抜いているはずですが、この専従医師の意見などは一切記録にないのです。

 法に定められた検体検査管理加算Ⅱを診療収入として取得するために必要な専従医師が、もともといないからなのでしょう。

 病院事務長であり、検査科長でもある臨床工学士は、リスクマネジメントの中心的事務を司り、検査科対策のために、新たに創った精度管理委員会の、ここでも中心役割を担って奔走しています。

 この事務長の証言。「検査技師の採血行為は、検査技師の本来業務です」といい切った法規違反の証言や、「インシデントレポートの多いことが、本件労働審問の発端である」などの常識外れの間違った証言は、病院事務長としてあるいは検査科長として、この領域の関係法規不知や知識をわきまえない証明ではないでしょうか。

 今月末か、来月初頭には、労働委員会から審問の決定がだされる模様です。