パート・臨時技師の使い捨て?(8)
病院検査室に限らず、いまや、どこの企業でも正社員を減らして、いつでも首のすげ替えができる、そして安上がりなパートや臨時雇用の職員を増やして対応する傾向がふえています。
とくに、団塊世代の退職者の穴埋めとして、便利に利用している風潮がみえます。
なかでも、採用辞令がないから、労働条件が定かでない、オりエンテーションもないから、業務の範囲が不明確で、行き当たりばったりに戸惑っている、「こんなのあるのでしょうか?」こんな問い合わせや相談がふえています。
ブランチラボなのに、堂々と病院側の検査部長や技師長の指揮命令下で仕事が回っている。なかでも、緊急の生理検査を指示されているとか、夜間や休日、病院の緊急検査を、あたかも検査当直に組み込まれているような例もありました。
「臨床検査技師なら、生理外的検査はできるはずだ」
(ブランチは請負ですから、病院医師の指揮命令で、生理学的検査は臨衛技法違反<保助看法第37条違反です>。しかし、この論議と主張は、日衛協役員からも出ています。)
「君は派遣社員なんだから、注文主(病院)の指揮命令下にある」
(これこそ、偽装の派遣であり、都合のいいときだけ、派遣や出向を使い分ける手合いです。)
あげくの果てに、経団連会長まで、「請負社員にも、注文主の指揮命令ができるよう、法律を改正すべきだ」と公式な席で発言する始末です。
「不平や文句の多い技師は交代させてくれ」こんな暴言に、「どう対応したらいいか」の訴えもありました。まさに、これでは使い捨てではありませんか。
これらの偽装行為に、よって立つ検査技師の基盤である検体検査のフィールドを奪われて、どの職能団体も学術団体も、反論も異議も挟まないで、黙って見過ごしていることは、到底許されることではありません。