学医学部附属病院長会議 第1回議事録・九州大学医学部附属病院と明記され、しかも三百数十ページに及ぶ、これが、存在を否定したはずの実物の表紙です。
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この議事録と「提言(別冊)」、確かに化石も所有しておりますし、しかも早い段階で入手しております。
第1回から第6回に至る膨大な議事録の随所に、文部官僚の仕切り、示唆、誘導が積極的におこなわれ、主導的役割を果たした証拠が鮮明になり、議事進行が図られた様子が手に取るように窺えます。
病院長達が、お上のご意向に逆らうこともできなかったとすれば、自主性や主体性のもとに作られた「提言」とは、とても云えないのではないでしょうか。
こうして検体検査、とりわけ患者さんの命を左右する緊急性のある輸血検査や、疾病の最終診断とも云うべき病理検査を全面的に民間会社に外注化し、あろうことか、臨衛技法違反の生理検査の外注化や、交替制勤務で24時間対応を指導(労働省)しておきながら、労基法違反の当直制の導入を盛り込むなど、「提言」策定に向かう過程が克明に記録されています。
日本弁護士会も、「提言」に盛り込まれた医療合理化案に、反対の声明を発しております。
判決後、文科省医学教育課は「・・・提言に文科省が関与していないという立場は変わらない」と東京新聞の取材に語っていますが、三人の裁判官が、文科省介入の実態を、判決文のなかで克明に記載しています。
それは、サスペンスドラマのシーンを髣髴とさせるものがあります。
・・・・「A課長補佐の方から具体的に強い提言をしなければいけないということで、また提案がございます」(略)「既にこの報告書フォーマットも大体でき上がりつつあるわけですが、実は実弾が込められていない。(略)まだまだ全体にわたって実弾が入っていませんので、それをこれから込めていただかなければならなというのと、あと、まだ少し検討が足りない部分について記載させていただきました」・・・・(略)
・・・・以上によれば、特にサブワーキンググループ会議後半以降、文部科学省が会議を主導していったこと、同省の意図が本件提言の内容に一定程度反映されていることが認められる。(T室長は、「A試案」には、A補佐自身の考えは原則的に入っておらず、委員の意見をまとめただけであり、本件提言は同省の意向とは別のものである旨証言するが、前記認定した事実に照らし、到底採用できない。)
また、M課長の通知等も踏まえると、同省ないし医学教育課が、本件提言の実施に強い意欲を有していたことが認められる。
・・・このことに加え、前記認定のとおり同省は本件答弁書や国会質疑等において、本件提言には同省の影響はない旨の立場を取っていたこと等を踏まえると、同省ないし医学教育課としては、本件議事録が公にされ、本提言の策定過程が明らかにされることは避けたいとの意向を有していたことが窺われる。
以上が、判決文にかかれた、化石が感じたなりの核心部分であり、情報公開法で、国側が敗訴した初の訴訟であったことを、強く記憶に留めておきたいと思います。
これからも続く裁判でしょうが、最後まで頑張ってください。
一人でも多くの医療関係者に、知ってほしい裁判ですから、これからも飛脚の役割りと思って経過を追跡します。
eriさんのブログ、覗きました。
困難にめげず、ガンバッテね。