新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

厚労省との意見交換と要望(18)

2011-01-06 10:00:53 | 臨床検査技師の業務

          手術室の器械出しに、新職種

          看護師ではない技師を養成

 埼玉医科大国際医療センター手術室、「衛生検査技師」の申請免許間近の職員2人を採用、およそ2カ月の教育後で、独り立ちさせました。(12月21日付・毎日新聞)

 手術によっては、100種類以上の機器を要し、その器械だしのほとんどは看護師の重要な専門業務です。

  この現象、当院に限らず、各地の病院に広がり始めていると云います。

  医療制度が現在のように整わなかった時代、わが県内の大病院でも、検査室の技師(技師法以前)が手術室を兼務し、全身麻酔を担当していた例を思い出しました。

 そのころ私自身も、病理細菌助手という辞令を受けて、手術室の、いわゆる「外回り」の仕事をする傍ら、かなりの病理解剖数を担当していました。

 そこに最近の看護師不足。しかも、病棟勤務の看護師数には診療報酬上の基準がありますが、手術室勤務には、診療報酬上の基準がないために、後回しにされている矛盾に対する、窮余の一策と云えましょうか。

 実際問題、麻酔医不足や手術室看護師不足で、手術が1カ月待ちや、手術患者を他院に回す、いわゆる「レンタル手術」の病院も増えています。

 厚労省は「器械出しが診療の補助にあたるかは一概に判断できない」と説明し、臨床看護学のある教授は「医療の質の低下」を指摘して懸念を示しています。

 各職種間のグレーゾーンをめぐって、厚労省の在り方検討会の課題はますます拡大し、さらに拡散する一方です。

 病院検査室の技師とても、決して「蚊帳の外」と安閑としてはいられません。

 


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