健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

りんご

2007年10月20日 | 健康
○りんご

 バラ科リンゴ属の落葉高木の果実で、原産地は中近東からコーサカス地方。西洋では4000年前とその歴史は古いが、日本には江戸時代に中国からもたらされ、本格的な栽培が始まったのは明治以降である。中国ではリンゴを経験的に病気の治療に用いてきた。本草綱目には「気を下し、痰を消し、コレラ、腹痛を治す。ふだん喉の乾く人は宜しくこれを食べるべきである。水痢(下痢のこと)、遺精などによい」と記されている。

 成分は食物繊維のペクチンを多く含み、便秘に有効である。ペクチンは皮に多いので、皮ごと食べる習慣をつけるとよい。腸内の異常発酵を防ぎ、整腸作用が一層効果的となる。また、100g中に110mgも含まれるカリウムとの相乗効果で、血圧効果やコレステロールを下げることにもつながる。

 リンゴには果糖やブドウ糖も多いので、クエン酸や酒石酸などの有機酸との相乗効果で疲労回復を早めるとともに精神安定の作用がある。またリンゴから作られるリンゴ酢にも疲労回復や高血圧予防作用があり、ハチミツと合わせて常飲すれば健康増進につながる。

キッチンハーブ(3)

2007年10月19日 | 健康
○キッチンハーブ(3)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※スペアミント

 シソ科ハッカ属の多年草で中央ヨーロッパが原産。学名はMentha spicata。ペパーミントより香りが甘いので菓子や飲み物によく使われる。また肉のソースとして、イギリスではラム肉のローストに必ずこのハーブが使われる。

※ローズマリー

 シソ科マンネンロウ属の常緑性低木で地中海沿岸が原産。学名はRosmarinus offcinalis。森林の香りがするハーブで、クセの強い食材と組みあせて使われることが多い。イタリアではラム肉のローストによく使われる。イワシやアジなどの魚料理、チーズやバターとも組み合わせられる。ローズマリーはヨーロッパでは記憶や愛を象徴するハーブとされており、結婚式やクリスマスのリースにもよく用いられる。また、古代ギリシャの学生が記憶力や集中力を高めるために使ったといわれている。食品添加物として利用されている。食中毒の原因となるブドウ球菌や大腸菌に対する抗菌作用のあることが認められている。

※チャイブ

 シベリアからヨーロッパを原産とするユリ科ネギ属の多年草。和名はエゾネギ。5000年以上も昔から食用として利用されてきたハーブで、最初は中国で使われ、その後ヨーロッパでも料理に使われるようになった。ビタミンCや鉄分を豊富に含み、タマネギに風味が似ている。卵料理やバター、チーズに加えるとよく合う。花も食べることができ、サラダなどに使われる。同じユリ科ネギ属のニンニクやタマネギに比べて少ないとはいえ、チャイブにも硫黄化合物が含まれている。硫黄化合物は血中コレステロール中性脂肪を減らしガンの予防にも役立つ。ヨーロッパでは、このハーブは悪霊を追い払うと信じられ、枕元などに置かれたという。

キッチンハーブ(2)

2007年10月18日 | 健康
○キッチンハーブ(2)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※オレガノ

 地中海沿岸を原産とするシソ科ハナハッカ属の多年草。学名はOriganum vulare。トマトとの相性がよく、トマトソースには欠かせないハーブ。チーズ、肉、魚料理などともよく馴染む。香りが強いためイタリア料理のほかスペインやメキシコ料理でも使われる。生葉より乾燥品のほうが香りが強い。食用としてだけではなく古くから薬草としても利用されてきた。古代ギリシャでは炎症や筋肉痛を緩和するパップ剤として使われてきた。主な成分はカルバクロールとチモールで、抗菌作用、鎮静作用、のどの痛みや頭痛の緩和作用、発汗作用、健胃作用、食欲増進作用など、さまざまな効能が知られている。

※バジル

 シソ科メボウキ属の一年草で、インドと熱帯アジアが原産。学名はOcimum basilicum。伊名はバジリコ。イタリア料理に欠かせないハーブの一つ。特にトマト、ニンニク、オリーブ油との相性は抜群で、パスタ料理などに使われる。柔らかい緑の葉は包丁を入れると黒く変色するので調理の直前に手でちぎって使う。乾燥品も出ているが、バジルはできるだけ生葉を使いたい。バジルは吐き気・腹痛・ガス・便秘に効果的なハーブとしても知られ、それらの症状の改善に葉の抽出液を飲むとよいとされる。

※マジョラム

 シソ科ハナハッカ属の多年草で地中海沿岸が原産。学名はMajorana hprtensis。和名マヨラナ。古代ローマのアピシウスの料理書にも登場する伝統的なキッチンハーブ。特に肉類との相性がよく肉のハーブとも呼ばれる。肉の煮込みやローストに使われるほか、ソーセージやパテ、ミートローフなどの挽き肉料理にも入る。乾燥品はスープやシチューの香り付けに使われる。精油にはストレスを緩和する働きがあり、癒しのオイルとしても知られている。ハーブティーとして飲んでもよい。

キッチンハーブ(1)

2007年10月16日 | 健康
○キッチンハーブ(1)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※タイム

 シソ科イブキジャコウソウ属の常緑性低木で、ヨーロッパ南部が原産。学名はThymusvulasris。ブーケガルニ(煮込み料理の臭い消しに使う数種類のハーブを束にしたもの)に加える基本的なハーブで、料理用ハーブとして人気が高い。精油は抗菌作用に優れている。これは精油に含まれる成分チモールの働きによるもので、昔から去痰剤や消毒液として使用されてきた。ドライハーブから作ったハーブティーはうがい薬や水虫の薬としても利用できる。

※セイボリー

 地中海沿岸を原産とするシソ科サトゥレア属の一年草で、学名はSatureja hortensis。別名サマーセイボリー、和名はキダチハッカ。ヨーロッパでは2000年前からスパイスとして使われており、胡椒が伝わってくるまで香料の代表的存在だった。ピリッとした辛味と、タイムに似た香りがあり、豆料理によく使われる。薬用としてはさほど使われていないが、消化を助ける作用が知られている。

※タラゴン

 エスドラゴンともいう。キク科ヨモギ属の多年草で、原産地はヨーロッパ、アジア、ロシアなど。学名はArtemisia dracunculus。フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの2種類が栽培されている。スパイシーな香りがあり、卵料理、肉料理などと相性がよい。ドライハーブだけでなく、精油や白ワインビネガーに生薬を浸けたタラゴンビネガーも香りづけに使われる。古くは疲労回復の薬草として知られ、中世の巡礼者らはタラゴンの小枝を靴に入れて旅をしたという。スパイスとして使われ始めたのもその頃からである。消化促進や健胃作用があるといわれている。

たで(蓼)

2007年10月15日 | 健康
○たで(蓼)

 タデは日本原産のタデ科の一年草で、全国各地の水辺や湿地に自生している野草である。非常に強い辛味成分を含んでおり、口に含むと舌がただれることからこの名がついたといわれている。ことわざの「たで食う虫も好きずき」の「たで」はこの野草を指す。

 一般に栽培されているのはヤナギタデという種類で、本葉を用いる葉タデ、幼芽を用いる芽タデがある。鮎の塩焼きに欠かせないたで酢は葉タデを刻んでつくる。芽タデは刺身のツマに使われる紅タデがポピュラーである。

 芽タデはカロテンの含有量が野菜の中でも非常に多く、100g中4900ugも含まれている。そのほかビタミンK(360ug)・E(4.9mg)・C(67mg)、マンガン(7.66mg)も豊富に含まれており、隠れた緑黄色野菜の一つである。刺身のツマなどで見かけたときは、意識して口にしてみるのも悪くはないだろう。

山椒

2007年10月14日 | 健康
○山椒

 ミカン科の落葉低木で春に黄緑色の花をつけ、秋に結実する。古名をハジカミ(椒)といい、芽や実が食用・薬用・香辛料などとして古くから用いられてきた。中国でも医薬の古典神農本草経に蜀椒の名で収載されている。

 山椒は春の味覚の一つで、若芽を用いた木の芽和え、木の芽田楽などが日本人には親しまれているが、実のほうも七味唐辛子や粉山椒などの香辛料、あるいは漬物や佃煮などでも馴染みの多い食材である。山椒は小粒でもぴりりと辛いの例えの如く、特有の香りとともにピリッとした辛味が食欲増進につながる。

 成分的にはさしたる栄養素はないが、辛味成分のサンショールを含み、香りはゲラニオール、シトロネラールなどの精油が主体である。葉・果皮に含まれるこれらには健胃・駆風・駆虫・保温効果があり、食中毒の予防、生臭みや魚毒を消す効果もある。ウナギの蒲焼きには粉山椒が付きものだが、味覚的な意味だけではないことがうなづけよう。また、お汁粉のあとの箸休めとして実の味噌汁や塩漬けを出すのも、胃への負担を和らげる健胃効果をねらった先人の知恵であろう。

ぎんなん(銀杏)

2007年10月12日 | 健康
○ぎんなん(銀杏)

 イチョウの実で、果実の仁(胚乳)が食用となる。イチョウ葉生きている化石と言ったのはダーウィンであるが、生物学的に見て化石のように原始的なこの植物は、1000年を経た老木でもふんだんに実をつけるところから、中国では結婚式に新郎新婦にギンナンを食べさせる習慣があるという。旺盛な生命力、子孫繁栄、ひいては不老不死を願ってのことである。

 ギンナンの成分には糖質、カリウム、ビタミンB1、Cなどが多く、タンパク質、カルシウム、リン、鉄、レシチン、アスパラギンなども含む。カロチンは種実類の中では最も多く含まれている(生100g中290ug)。

 微量の青酸配糖体を有するので、鎮咳や去痰に効く。咳には砂糖で味付けした水煮がよく、喘息には炒ったものを毎日10粒位食べるとよい。ただ一度に多く食べ過ぎないこと。過ぎると鼻血を出すので注意が必要である。精の強いところから、虚弱体質やアレルギーの体質改善にも古くから民間で使われてきている。この場合、油漬けにしたものを2~3粒ずつ毎日食すとよい。また、焼きギンナンは排尿を抑えるといわれ、子どもの夜尿症によく用いられた。

きくらげ(木耳)

2007年10月11日 | 健康
○きくらげ(木耳)

 キクラゲ科の食用キノコで学名はAuricularia auricula。形が人の耳に似ていることからキノミミの別名がある。広葉樹の枯れ木、枯れ枝、倒木に群生するゼラチン質のキノコで、不規則な耳形ないし半円形の皿状、または椀状をしている。下向きの面のほうが色が淡い。同属で白色ゼリー質のシロキクラゲは、中国では銀茸と呼ばれ、古くから不老長寿の薬効があるとして珍重されてきた。

 キクラゲに含まれる酸性多糖グルクロノキシロマンナンは、腸管からの脂質の吸収を抑制することで血中及び肝臓のコレステロール値を低下させる。この作用はシロキクラゲよりキクラゲのほうが効果が高いとされる。キクラゲ、シロキクラゲ共にβ-1、3-D-グルカンを含有するが、抗腫瘍活性はさほど顕著ではなく、特にシロキクラゲは低いといわれている。漢方では、キクラゲは手足のしびれ、リューマチ性の疼痛、痔や子宮の出血、産後の衰弱、嘔吐などに、シロキクラゲは肺ガン、肺結核、肺炎、胃炎、便秘、伝染性の血便、月経不順、産後の虚弱などに効能があるとされている。

エリンギ

2007年10月10日 | 健康
○エリンギ

 ヒラタケ科の食用キノコで、学名はpleurotuseryngii。セリ科の二年草草木の枯死した根に寄生して発生する。南・東ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカに広く分布するが、日本ではホストになる植物が自生していないためか天然には見かけない。わが国で食材として使われるようになったのは近年のことである。エリンギは口当たりが良く歯ごたえがあり、食通の間では新鮮な貝柱のようだと形容されることもある。他の食用キノコに比べて糖質を多く含み、甘味のあるキノコだ。

 エリンギに、脂肪の摂り過ぎによる肝障害の予防や体重増加抑制効果のあることが信州大学大学院医学研究科のラットを使った実験で認められている。エリンギに豊富に含まれる食物繊維が、腸内の脂肪をからめとり、肝臓での脂肪沈着を抑制するためとみられている。

 実験では、①普通の飼料を与えたラット、②高コレステロール飼料を与えたラット、③高コレステロール飼料に5%のエリンギ乾燥粉末を加えた飼料を与えたラット、の3つの実験群で、それぞれ5匹ずつ6ヶ月間飼育し、飼料の摂取量や体重、血中の酵素の濃度などを測定した。その結果、高コレステロール飼料のラットは肝細胞に脂肪が沈着して血管が挟められ肝機能が低下した状態だったが、エリンギ入りの飼料を与えたラットの肝臓は脂肪沈着がわずかで正常に近い状態だった。肝障害の程度を示す血中酵素も、高コレステロール飼料の実験群は通常より20~30%高い値を示したが、エリンギ入り飼料の実験群は正常値とほぼ同じだった。また同じ飼料摂取量でも、エリンギを与えた実験群は体重増加も抑制されたという。

なす(茄子)

2007年10月09日 | 健康
○なす(茄子)

 原産はインドで、日本への渡来は奈良時代といわれている。中茄子、小茄子、丸茄子、米茄子、長茄子などの種類がある。調理に際しては油をよく吸収し、また煮物のスープをよく含むので、ナスそれ自体にはない栄養成分を補填し、なおかつ食べやすくするという受け皿のような役割を果たす野菜である。

 夏野菜は一般に体を冷やす作用があるが、ナスは特にそれが強く、のぼせや高血圧には抑制的に作用するので効果があるが、食べ過ぎると腹痛や下痢を起こしたりする。また、ナスを高脂肪食品と一緒に摂ると血中コレステロール値の上昇を抑える効果のあることをオーストリアのミチェックが1970年代に発見し報告している。

 ナスに含まれるアルカロイド類がガン細胞の増殖を抑えるという報告もある。農水省食品総合研究所が行った研究によると、ナスやホウレン草、ブロッコリーなどの抽出液を使って発ガン物質に対する抑制効果を測定したところ、最も高い抑制率を示したのはナスだったという。ナスにはまたアントシアニンが含まれている。アントシアニンはブルーベリーや赤じそ、紫キャベツなどに含まれる色素成分だが、血管を保護し、ガンを予防する効果があるといわれている。

 このほか民間療法的な使い方としては、ナス全体又はヘタを中まで真っ黒に焼いてすり潰した粉(ハチミツで練ってもよい)は口内炎や舌のただれに塗ると効果的。イボを取るには搾り汁を塗るとよいともされる。