健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

かきどおし茶

2007年05月21日 | 健康
○かきどおし茶

 カキドオシはシソ科の多年草で、名の由来は、茎がどんどん伸びて垣根を通り越すほど伸びることにある。別名は、疳取草、積雪草。成分はウルソール酸、硝酸カリ、精油分としてリモネンなどを含み、そのほか、コリン、タンニン、カリウム塩などがある。

 主な効用は、①神経痛、肝臓病、胆石、糖尿病、風邪(葉と茎15gを煎じて飲む。糖尿病にはドクダミを少量加えると効果的である)、②小児疳(葉と茎の煎じ汁に黄糖、黒砂糖、ハチミツなどの甘味を加えて飲む)、③疲労、胃弱、浮腫(お茶代わりに常用するとよい)、④肩こり(生の根をよく洗い、すりおろして小麦粉で適当な固さに練ってネルなどの布などのばして貼る)、⑤湿疹、あせも(葉茎を風呂に入れ、薬湯を立てて入浴する)などとされる。

かきどおし茶の商品一覧

不飽和脂肪酸(2)

2007年05月20日 | 健康
○共役リノール酸

 共役リノール酸は炭素数18個、二重結合2ヶ所の不飽和脂肪酸で、二重結合の位置取りがリノール酸と異なっている。サフラワー油などを原料にして工業的に作られる。動脈硬化のリスク低減、糖尿病予防、抗アレルギー作用などが報告されている。

共役リノール酸の商品一覧

ゴーヤの商品一覧

○γ-リノレン酸

 炭素数18個、二重結合3ヶ所のn-6系不飽和脂肪酸。生体内ではリノール酸から合成されて作られ、アラキドン酸やプロスタグランジン1の基元物質となる。生態調節ホルモンの一種であるプロスタグランジン1は血圧・血中コレステロールの降下作用があるほか、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの改善にも効果がある。γ-リノレン酸はヒトの母乳に含まれているが、自然界では月見草やスグリなど一部の植物種子にしか含まれていない。最近はブドウ糖などの天然糖質を微生物で発酵させて高純度のものを作る技術が開発され、ドリンクやカプセルタイプの健康食品としても販売されている。

月見草の商品一覧

不飽和脂肪酸(1)

2007年05月18日 | 健康
○不飽和脂肪酸

 炭素と炭素が2本の手でつながることを二重結合といい、この結合を持つ脂肪酸を不飽和脂肪酸という。二重結合が1つの単価不飽和脂肪酸、2つ以上の多価不飽和脂肪酸がある。不飽和脂肪酸はいずれも炭素数が18個以上の長鎖脂肪酸だが、二重結合があるために融点が低く、常温で液状である。不飽和脂肪酸の融点は二重結合の数が増えるに従って低くなる。オリーブオイルに含まれるオレイン酸の融点は14℃、魚油に含まれるDHAの融点はマイナス78℃である。

 飽和脂肪酸は血漿コレステロール濃度を上昇させるが、不飽和脂肪酸は低下させる作用を持つ。また、生理活性物質(プロスタグランジン、ロイコトリエン)の合成材料になるものもあり、生体にとって重要な物質である。その反面、不飽和脂肪酸は酸化されやすいため過酸化脂質を生成して動脈硬化、発ガン、老化の原因物質になるという私的もある。

◆オレイン酸

 炭素数18個、二重結合1ヶ所の不飽和脂肪酸。融点は14℃。オリーブオイルやナタネ油などに多く含まれており、オリーブオイルでは脂肪酸組成の75%がオレイン酸である。ヒトの体内では飽和脂肪酸のパルミチン酸、ステアリン酸から合成される。オレイン酸は血中コレステロールの内、LDL(悪玉コレステロール)のみを減らす作用があり、オリーブオイルを多量に摂取する地中海沿岸の人々は他のヨーロッパ諸国に比べて動脈硬化による心臓病の発症が低いことが知られている。また、イタリアやギリシャでオリーブオイルの常用がガンを予防するという疫学調査が報告されている。オレイン酸は加熱によって酸化しずらく、体内で過酸化脂質を作りにくいという特徴がある。

オリーブの商品一覧

植物酵素(2)

2007年05月17日 | 健康
◆ナットウキナーゼ

 納豆に含まれる血栓溶解酵素。原料の蒸し大豆には含まれておらず、納豆菌による発酵の過程で生成される。須見洋行(倉敷芸術化学大学機能物質化学科)は、市販の納豆1パックに含まれるナットウキナーゼの血栓溶解力は、ウロキナーゼ(血栓溶解剤)の通常投与量に相当するとしている。また、静脈投与だけではなく経口でも血栓をよく溶かすことをヒト試験で明らかにしている。

納豆菌の商品一覧

◆キチナーゼ

 パパイヤやパイナップルなどの果実、微生物などに存在する酵素で、多糖類のキチンを分解する働きがある。植物が病原菌に感染するとキチナーゼ遺伝子が誘導されることから、植物の自己防御機能を高める役割があると考えられており、キチナーゼ遺伝子を導入した耐病性植物の作出が行なわれている。

◆アリイナーゼ

 ニンニクの含まれる加水分解酵素。臭い成分のアリインに作用して、ニンニク特有の臭気成分アリシンを生成する。アリシンは消化管の中でビタミンB1と反応してアリチアミンという物質に変わり、ビタミンB1の働きを長間持続させる作用がある。

ニンニクの商品一覧

植物酵素(1)

2007年05月16日 | 健康
○植物酵素

 果物や野菜などに含まれれている酵素類には、ヒトの体内で有用な働きをするものも多い。人体には数千の酵素があるといわれているが、最近の研究では酵素の全量が体内生産されるのではなく、相当量が傾向的に食物から摂り入れられることがわかってきている。そこで、植物酵素の働きを念頭に置いた各種健康食品も市場に供されてきている。例えば植物発酵食品といわれる食品群は、多種類の植物エキスを発酵させることに多種類の酵素を豊富に含有させた健康食品である。

植物酵素(酵素)の商品一覧

◆ブロメリン

 パイナップルの果実や根茎に含まれるタンパク質分解酵素。肉類をやわらかくする作用があるほか、生体内では血液中の結成の活性を高めたり、膨張や浮腫の症状を改善する効果がある。パイナップル生産地では腸の寄生虫駆除にパイナップルジュースの飲用が古くから行われているが、使われるのは生ジュースで、熱殺菌によってブロメリン酵素が死滅している缶ジュースでは効果がないとされる。

パイナップルの商品一覧

◆パパイン

 熱帯果実のパパイアの乳液(未熟な果実の皮を傷つけると出る)に含まれるタンパク質分解酵素。212個のアミノ酸残基からなる単純タンパク質で、消化剤や牛肉の軟化剤などに利用されている。パパイアが自生する地では、肉を柔らかくしおいしくする調理法としてパパイアの葉に包んで焼くことが古くから行われてきた。物質としてのパパインそのものは、わが国では医薬品成分に指定されている。

パパイアの商品一覧

ユーカリティー

2007年05月15日 | 健康
○ユーカリティー

 コアラの食べる木として知られるユーカリティーはフトモモ科の常緑高木で、葉を蒸して得られる上質の製油はリキュールや医薬品の芳香剤として活用されている。わが国では原産地のオーストラリアに似た気候の沖縄県で植栽されている。沖縄では古くから糖尿病の伝承薬にこの葉が処方されていたこと、また、コアラがユーカリの葉だけを食べることへの関心から研究開発が進み、その葉の有効性を見出して健康茶としたものがユーカリティーです。

 飲用者からは利尿、便秘の軽快、むくみの解消、血圧降下、血糖値の低下、安眠など各種効用が報告されているが、カリウムによる利尿作用やカルシウムによる精神安定作用などを除き、作用機序の解明はまだ十分にされていない。

 葉の成分には糖質や粗タンパク質、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、セレン)、タンニンなどの含有量が多く、上記の作用はこれらの相乗効果と考えられる。大澤俊彦(名古屋大学)は抗酸化作用に着目し、ユーカリの葉から得たリーフワックスの抽出エキスから抗酸化物質を析出、さらに動物実験でその抗がん性を認めたほか、ポリフェノールの一種であるエラグ酸にもビタミンEの50倍に相当する強い抗酸化作用があることを確認している。

ユーカリ茶の商品一覧

布海苔

2007年05月14日 | 健康
○布海苔

 刺身のツマや実のほか、古くから糊料の原料としても使われてきた布海苔は紅藻の一種で、日本近海では主にマフノリ、フロクフノリ、ハナフノリを産する。

 わが国では江戸時代に黄疸や食中毒、疫痢、難産などの民間薬として用いられた記録があり(救民単法など)、中国にも解熱、胆石、去痰、止瀉などへの薬効を記した医典(食性本草、本草綱目など)があるが、アーユルヴェーダ医学研究所の北村彗光によってこの布海苔が健康食品として現代に蘇ることとなった。

 布海苔の特異的な有効成分は、α型とβ型が交互に鎖状に結びついた構造のフラノンという粘性多糖類である。野田宏之(三重大学)は高血圧・高脂血症・移植ガンへの効果をマウスを用いて実験し、フラノンが血圧効果・動脈硬化指数の大幅な改善、血中ナトリウムの低減、エーリッヒ腹水ガンやザルコーマ180固形ガンなどに対し顕著な増殖抑制と延命効果のあることを見出している。また糖尿病に関しては、長村洋一(藤田保健衛生大学)が高血糖マウスを使って布海苔顆粒を投与した実験があり、ここでも良好な血糖降下が認められている。布海苔を水や温湯に数時間浸積すればフラノンが得られるが、最近では手軽で便利な顆粒製品も出ている。

海藻の商品一覧

ムメフラール

2007年05月13日 | 健康
○ムメフラール

 ムメフラールは梅肉エキスから発見された機能物質で、血液改善作用がある。1999年、農水省食品総合研究所(当時)の菊池祐二らが、梅肉エキスによる血流改善効果の実験過程で単離・同定したヒドロキシメチルフルフラール誘導体で、梅に含まれる糖質の5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)とクエン酸がエステル結合した化合物である。梅の学名プルムス・ムメのムメと物質名のフルフラールのフラールからムメフラールと命名された。

 ムメフラールは生の梅の実には含まれておらず、梅の果汁を煮詰めて梅肉エキスを作る過程で生成する。菊池が開発した血流速度測定装置を作った実験で、梅肉エキス水溶液を添加した血液の通過時間は、生理食塩水を加えた対照液に比べて11~52%短縮し、血流に改善がみられることがわかった。

梅肉エキスの商品一覧

ヒアルロン酸

2007年05月12日 | 健康
○ヒアルロン酸

 ヒアルロン酸は動物の結合組織などに多く分布するムコ多糖類で、N-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸がβ-1、3結合した二糖を反復単位とする、分子量10万~100万の高分子化合物である。人をはじめ、脊椎動物の組織中に広く存在しているが、特に関節や皮膚、目に多い。関節では関節液の中に含まれ関節の動きをよくする役割を、皮膚では肌の乾燥を防ぐ役割を、目では硝子体の緩衝作用や組織形状を維持する役割を担っている。

 中国やフランスでは、肌をみずみずしくする料理として鶏のとさかのスープが好んで食べられているが、これは鶏冠にヒアルロン酸が非常に多く含まれているからである。

 ヒアルロン酸には1g当たり6000mlの水(2Lのペットボトル約3本分)を保持する性質があり、生体の水分を保つ上で重要な役割をしている。ヒアルロン酸は体内の繊維芽細胞で作られるが、その産生量は加齢とともに減少し、大人の皮膚に含まれるヒアルロン酸の量は乳児の1/20といわれている。

 ヒアルロン酸は医薬品(関節症治療薬、角膜手術薬)のほか高級化粧品などに配合されてきたが、最近は飲むヒアルロン酸として健康食品にも配合され、同じムコ多糖類のコンドロイチン硫酸などと組み合わせて保水力を高めて製品も登場している。

ヒアルロン酸の商品一覧

低分子ヒアルロン酸の商品一覧

パイナップル

2007年05月10日 | 健康
○パイナップル

 パイナップル科アナナス属の多年草の果実(集合果)で、肥大した花托部分を食用とする。原産はブラジルだが、現在はハワイ、台湾、マレーシア、オーストラリア、フィリピンなどで多く栽培されている。日本へは19世紀半ばにオランダ船によって持ち込まれたという。糖質を主成分とし、その大部分はショ糖。酸味はクエン酸とリンゴ酸による。ビタミン類ではB1が多く、100g中0.08mg含む。このB1とクエン酸の相乗効果で、体内に溜まると疲労の原因となるビルピン酸や乳酸の分解を高め疲労防止や回復に役立つ。

 一時期、パイナップルダイエットが流行したことがあるが、これはパイナップルに含まれるブロメリンというタンパク質分解酵素の働きを利用したものである。事実、肉や魚料理の後に食べると消化吸収を高め、また下痢や消化不良を直す整腸作用かある。特に豚肉料理に用いると硬い肉をやわらかくし風味が増す。

パイナップルの商品一覧